思惟石

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『エレンディラ』 最後に老け込むのが良いんだよね

2024-12-11 13:10:52 | 日記
『エレンディラ』
G・ガルシア=マルケス
鼓直/木村榮一:訳

南米コロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの短編集。
『百年の孤独』の後に書かれたので、
前作と共通する登場人物やモチーフもちょろっと登場。

が、私の記憶がポンコツなため、
『百年の孤独』の記憶がゼロである。
何が共通モチーフかはわかりません笑
読書メモを見返したら情報量もゼロで泣けた笑)

書籍紹介で「大人のための残酷な童話」と銘打たれていますが
どの作品も自然な語りで不思議が登場する。
海から漂う「バラの香り」や、カンテラに誘導される幽霊船、
海底で日々を営んでいる「沈んだ村」…。
「いま、ふつーの流れで人が溶けたよね?」
と、二度見(二度読み)する自然さで、不思議が常駐している。
たのしい。

どれもこれもタイトルが長いんですが、それも良い感じ。
表題作のエレンディラは略称で、本来のタイトルは
『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』。
冒頭の『大きな翼のある、ひどく年取った男』や
『世界でいちばん美しい水死人』も良い。
どちらも、想像以上にタイトル通りのお話しです笑

内容では『失われた時の海』が好き。
訳者あとがきで補足されていますが、
トビーアスとハーバート氏が海に潜った際に見かける海底村は、
フランスに似た民話があるそうです。
ガルシア=マルケスの祖母がスペイン・ガリシア地方出身。
欧州から南米への移住とともに、民話も移動しているのでしょうね。
おもしろいな。

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