思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

北森鴻『花の下にて春死なむ』日常の謎系短編です

2018-07-08 17:12:12 | 日記
蓮丈那智フィールドファイルシリーズで知った北森鴻作品、
二作目は、せっかくなので他シリーズに手をつけました。

『花の下(もと)にて春死なむ』は、
三軒茶屋にあるビアバー《香菜里屋》に集う客たちが持ち込む謎を
マスターの工藤が安楽椅子探偵として解決(もしくは推理)する
短編シリーズです。

日常の謎が多いですが、ちょいちょい殺人事件も関わってきます。

殺人の出現度で言ったら
「円紫さんシリーズ」より多いけど「黒いハンカチ」ほどではない。かな?
そうでもないかも(適当)

全体的に登場人物の挙措も言葉も上品で、
殺人やら精神の暗い部分やらありますが、
読み口は静謐な雰囲気があります。

ウンチクもあるし、量も内容も読みやすい短編なので
続編も読もうと思います。

ただ、安楽椅子探偵だからかな、
ちょっと、推理に関して、本当にそれが正解かなあと思うものもあります。
推理が飛躍してないか、という点も。

収録作の『七皿は多すぎる』がちょっと。

まあ、でも、良い作品だと思う。

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【読書メモ】2009年5月

2018-07-06 13:17:13 | 【読書メモ】2009年
この頃に引っ越しをし、人生で初めて「ベッド」を導入したのです。
今まで使っていた煎餅布団に比べて、マットの厚みが頼もしい!
あと、お風呂がカチカチ回してから着火する懐かしいタイプ
(冬がクソ寒い)から、システムバスになった!!
保温性高い~!!半身浴ができる~!!!
というわけでフロ読書とおふとん読書が快適になったのです。
社会人になって良かった!としみじみしました。


<読書メモ 2009年5月>
カッコ内は、2018年現在の補足コメントです。

『変身』東野圭吾
(メモなし。
 主人公が事件に巻き込まれて犯人の脳を移植され、
 自分と言う人格が無くなっていくお話し。
 うーん、私は「謎がぜんぶ解けてスッキリ!」みたいな
 読後感が爽やかなタイプの作品の方が好きかな……)


『笑い姫』皆川博子
(メモなし。
 天保年間の江戸・長崎が舞台。
 買ったばかりのふかふかベッドで就寝前にせっせと読んだ記憶が。
 しかし、何かと寝落ちしていたので、ストーリーをイマイチ追い切れず……
 ちょっと印象が薄かったです。
 2017年に『双頭のバビロン』『開かせていただき光栄です』
 読むまで、皆川作品は気になりつつキープの箱に。
 もったいないことをした!)


『田村はまだか』朝倉かすみ
田村の子供時代の設定と
『パンダ全速力』というサブタイトルがとてもよかった。

(小学校の同窓会3次会で、田村を待つ人々のエピソードが綴られる
 連作短編集。第30回吉川英治文学新人賞受賞作。
 ちなみに同時受賞は『ジョーカー・ゲーム』です。
 『田村はまだか』あまり印象に残っていないけど、
 朝倉かすみの『コマドリさんのこと』はすごいよ!)


『蒲公英草紙』恩田陸
ずっと「かばこうそうし」と読んでいました。
たんぽぽ。
旧家のお嬢様の話し相手となった少女の回想録という体裁。
『ミーナの行進』(小川洋子)とだぶるけど、こっちの方がいいなあ。


『凍りついた香り』小川洋子
いきなり冒頭で恋人に死なれちゃって、つらい。
話はおもしろかった。


『奇想の20世紀』荒俣宏
19世紀中ごろまでフランス人って
年に3回くらいしか体を洗わなかったらしい。
へえー


『朝霧』北村薫
円紫さんと私シリーズの最終巻。かな?
昔、一度読んだ。かな?色んな記憶が曖昧。

(円紫さんシリーズは
 『空飛ぶ馬』『夜の蝉』『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』
 ですね。
 と思ったら!
 2015年に17年ぶりの新刊『太宰治の辞書』が出たそうです。
 『秋の花』も未読だし、ぜんぶ読みなおしたいなあ)


『人生2割がちょうどいい』岡 康道、小田嶋 隆
アル中の話を読んで、ちょっと、かなり、反省した。

(日経ビジネスオンラインで連載されていた対談の書籍化)


『ワニのまるかじり』東海林さだお
(メモなし。
 読書にちょっと疲れると、まるかじりシリーズを読みます)
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アンディ・ウィアー『アルテミス』おもしろい

2018-07-05 16:56:12 | 日記
『火星の人』で私を空前のワトロスに突き落とした
アンディ・ウィアーの二作目です。

ワトニー!
火星から帰っちゃいやだ!!!

ってことで、デビュー作が名作すぎて
ちょっと厳しい目で見ちゃうかなあ……と思いましたが、
そんなこともなく、きちんとおもしろかったです。

『アルテミス』は、月面都市アルテミスで
主人公のジャズ(26歳・女性)がミッション・インポッシブル的なことに
取り組むお話しです。

と、身もふたもない説明ですが。

キャラの性格や会話が相変わらずテンポ良く、
どんなシリアスな場面でもくだらない冗談を忘れない。
読んでいると、アルテミスの仲間になりたいなと思えます。

月面都市としてのアルテミスの成り立ちや
科学的なあれこれの設定や細かい描写
(アルテミスのコーヒーはぬるくて不味い、の理由が
 科学的にわかりやすく説明されていたりする)
さらに経済の仕組みまでがきっちり考えられています。
主人公はジャズですが、主人公の物語だけではない
舞台の緻密さが、何よりの魅力。
タイトルが『アルテミス』なのも納得です。

作者はアルテミスを舞台にした他の作品も構想しているようで、
ぜひとも!読みたい!です。
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【読書メモ】2009年4月

2018-07-02 11:20:36 | 【読書メモ】2009年
<2009年4月>
不自然なくらい読書量が少ない月です。
4年間住んだ古いアパート(築40年くらい。
お風呂沸かすのにカチカチカチってやるタイプだった)
から新築マンションに引っ越したので、
そっちで張り切りすぎていたのかもしれません。
カッコ内は、2018年現在の補足コメントです。


『シャーロック・ホームズの事件簿』アーサー・コナン・ドイル
(メモなし。
ホームズシリーズ最後の短編集。
 なぜ、この時期に、これを読んだのだろうか……。
 それはさておき、ホームズは中学校の図書館にあったので
 その頃に一通り読んだ記憶が。懐かしい)


『オンリー・ミー 私だけを』三谷幸喜
(メモなし。
 三谷幸喜の初エッセー集。
 ホント、変な人だなあ……としみじみできる。
 よくここまで自分のヘンテコな部分を大盤振る舞いできるなあって思う。
 好き嫌い別れる人柄だと思いますが、私は好きです。
 現実でお近づきにはなりたくないが)


『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子
すごくいい。女童貞の表現とか。
大きすぎて自信がもてない童貞の表現とか。
ダメ大学生な感じとか。すごくいい。

(これが初めての津村記久子作品でした。
 すごく面白いと思って、しばらくは津村さんの作品が出るたびに
 即読みしていました。タイトルが良いよねえ)
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