思惟石

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よしもとばなな『スナックちどり』

2018-07-28 10:05:31 | 日記
久しぶりのよしもとばなな作品。

40歳手前の主人公「さっちゃん」は離婚したばかり。
従兄弟の「ちどり」は育ての親である祖父母を亡くしたばかり。
そんな妙齢ふたりがイギリスのペンザンスというど田舎
(最果ての街の、一歩手前。というなんとも中途半端な感じが、いい)
に5日ほど、ふらっと、旅するというお話し。

どちらも傷ついていて弱っていて寂しさを抱えているのに、
会話はさらっとしていて、強いというよりも、しなやかな女性ふたり。

だらだら会話して、散歩して、タイ料理食べて、観光して、
その数日でなんとなーく離婚やら自分やらに向き合っている。
人生の仕切り直しというほどでもないし、
前だけ向いて生きるぜ!って熱量もないし、
それだけの話しと言えば、まあ、それだけなんですが。

さっちゃんとちどりがお互いを大事にしたり、
まじめに向き合ったり、ちょっとダメ出ししたり
そんなやりとりに、お腹の底の方がほんわかあったかくなります。

さすがばなな女史。

ページ数も少なくて、さくっと読めるので、
ちょっと弱っているときや疲れているときに(ユンケル飲むほどでないくらいの)
ゴロゴロしながら読むと良いと思います。

どうでも良いけど、文庫表紙の作者名は「よしもとばなな」で
あとがきは「吉本ばなな」なんですね。
漢字表記に戻したんですね。
コメント
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