炭水化物や糖のとり方に注意! AGEを減らす“不老メシ”〈週刊朝日〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180126-00000011-sasahi-hlth
「血糖値はカロリーや脂肪のとりすぎで上がると思っている人が多いのですが、実は誤解。実際は、炭水化物や糖でないと上がりません」(牧田さん)
低炭水化物・高タンパク質・高脂質の食事は、糖尿病患者だけでなく、健康な人の健康長寿につながる。その考え方の根拠となるのが、血糖値が食後に急激に上がる“血糖値スパイク”の存在だ。牧田さんによると、健康診断の結果が正常範囲でも、気がつかないうちに血糖値スパイクによって、体がむしばまれている危険があるという。
「当院では、24時間測れる血糖値測定器を使い、健康な人の血糖値の変化を見ることもあります。すると、炭水化物や糖質をとった後、一時的に180mg/dLぐらいまで上昇した。健康診断などで行う糖負荷試験の正常値は、『食後2時間血糖値140mg/dL未満』。それより高い状態に一時的にでも陥っていたのです」(同)
血糖値スパイク自体は病気ではない。だが、牧田さんは「これが繰り返されることで、血管などの老化が進む」と警鐘を鳴らす。
「なぜなら、“体のコゲ”ともいえる『AGE(終末糖化産物)』が作られやすいからです。AGEは、がんなどの原因になる“体のサビ”を引き起こす活性酸素に匹敵するほどの有害物質です」(同)
AGEは、タンパク質や脂質がブドウ糖と結びつく、糖化という現象によって作られる。影響を最も受けやすいのは、血管や皮膚を作るコラーゲン組織だ。タンパク質であるコラーゲン組織にAGEが結合すると、弾力性が失われ、もろくなる。その結果、シワができて傷が治りにくくなったり、動脈硬化を促進したりしてしまうという。
「最近では、白内障や認知症、骨粗しょう症、ひざ関節症との関連も指摘されています。アルツハイマー病の患者さんの脳にはシミ状のタンパク“老人斑”ができますが、そこにも大量に含まれていることがわかっています」(同)
体のコゲからわが身を守るには、やはり食事の見直しが必要。「AGEを多く含む食品を避ける」「原因となる糖質や炭水化物を減らす」ことが大切だ。
「食品からとったAGEはすべて体内に吸収されるわけではなく、9割以上はそのまま排せつされます。残りの1割程度が消化吸収されて体に蓄積し、全身に影響を及ぼしますので、AGEが少ないものを選んだほうがいいのです」(同)
AGEは食材に熱を加えることで発生するという。例えば、さけは刺し身とフライとでは約2.7倍含有量が異なる。スモークサーモンは刺し身とほぼ同じレベルだ。
「同じ食材なら、生のものや低温で料理するか、加熱時間が短いものがいい。作り置きはAGEを増やすので、作り立てのものを食べましょう。AGEを減らす酢を調味料として多用してもいいと思います」(同)
理想は、刺し身やしゃぶしゃぶ、酢のものかサラダ、主食はAGEが少ないごはん、というところだろう。飲みものは、緑茶か白ワイン、赤ワインを。血糖値スパイクを強める清涼飲料水などはNG。食べるときは、<野菜のおかず→肉や魚、卵のおかず→米やめん、パン>という順で食べる。食後のデザートは残念ながら×。“疲れたときに甘いもの”にも注意が必要だ。
「糖質をとると集中力が高まり、疲れがとれると思い込んでいます。確かに、甘いものを食べると一瞬、幸せな気分になります。しかし、その後インスリンというホルモンが一気に出て、急激に血糖値を下げてしまう。低血糖状態をもたらすのです」(同)
では、疲れて甘いものが欲しくなったらどうしたらいいのだろうか。
「“ガマンする”しかありませんね(笑)。しばらくすると、甘いものが欲しくなくなります」(同)