https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180213-00010000-biz_lifeh-sci略
旅の準備
旅に出る前は、健康状態に気をつけましょう。前日夜の食事と飲み物には十分な配慮を。15年間乗り物酔いを研究しているペンシルバニア州立大学の心理学者Rober Stern氏は、健康情報サイト「WebMD」でこのように答えています。
空腹時に移動しないことが重要です。少しでもいいので、低脂肪の食事をとりましょう。脂肪は最悪です。脂っこい食事は体内に変化を起こし、吐き気の成長を促します。2時間に1回ほど、軽いおやつを口にするといいでしょう。
飲み過ぎも禁物です。アルコールも避けましょう。メリーランド大学ヘルスセンターでは症状を軽くするためのアドバイスを提案しています。
・辛い食事、脂っこい食事、脂肪の多い食事を避ける。
・食べ過ぎない。
・水をいっぱい飲む。
・乾燥したクラッカーと炭酸(ジンジャーエールなど)で吐き気が収まる人もいる。
・酔いやすい人は、少量の食事を小刻みに食べる。
休息も大切です。「Netwellness」によると、睡眠不足によって乗り物酔いが悪化することがあるそうです。
鼻づまりも乗り物酔いを悪化させる原因の1つ。出発前に、鼻づまりを解消しておきましょう。鼻づまりだけでもめまいを起こすことがあり、それに乗り物酔いが加わると、耐えがたい状態になってしまいます。
予防薬を買っておく
乗り物酔いの症状を和らげる商品がたくさん出ています。全員に効くわけではありませんが、ショウガは吐き気に効果があることが証明されています。『American Journal of Phisiology』に掲載された論文に、こう書かれています。
ショウガによって、吐き気を催すまでの時間が長くなります。また、回復も早まります。さらに、吐き気、胃律動異常、バソプレシンの分泌が抑制されます。このように、ショウガは乗り物酔いの予防および治療のための新薬として機能するのです。
ショウガの錠剤もありますが、ジンジャーティーもオススメです。私はよく道中のコンビニでジンジャーキャンディを買いますが、これも効果的です。
Steven Ehrlich医師は、「USA Today」において、旅行前日と旅行期間中、1日3回程度、250mgのジンジャーカプセルを飲むことを勧めています。ショウガが効かない人は、ペパーミントのお試しを。メリーランド大学によると、「必要に応じて1日2~3回、腸溶性の錠剤」を飲むと良いそうです。
乗り物酔いの症状緩和や予防に効果的な処方箋薬もたくさんあります。ただ、副作用もあります。メクリジンとジメンヒドリナートが有名ですが、眠気を生じます。せっかくの旅先で眠くなってしまうのは残念です。メクリジンのほうが眠くなりにくいと言われていますが、私の経験では確かにそうでした。それでも、多少の眠気は生じます。
スコポラミンパッチは非常に効果がありますが、ドライマウスや視力障害など、副作用もたくさんあります。私も使ったことがありますが、吐き気について話しているのを聞くだけで吐き気を催すほどなのに、何も感じなかったのはすごいと思いました。でも、視力障害も経験しました。さらに、光が強烈に感じられて、サングラスをしないと景色を見られなかったのは残念でした。
賢い座席選び
座席によって揺れやすいところがあるので、最適な場所を選ぶようにしましょう。
医療サイト「One Medical」では、Helen Xenos医師が、飛行機で1番揺れない座席について解説しています。それは、飛行機の中ほどの翼付近のエリア。前方も比較的穏やかです。窓側の席は地平線や水平線を眺めることで平衡を保てるのでオススメです。
また、船の場合はできるだけ下の階で中ほどのエリアが酔いにくいそうです。
車の場合、運転手が酔いにくいことは有名です。Xenos医師によると、その理由はこうです。
車での移動中、運転手はあまり酔いません。その理由は、運転手の脳が車をコントロールする運動指令を出しており、動きを予測できるからと考えられます。そのため、運転をしていると吐き気を催しにくくなります。運転しない場合は、助手席のほうが後部座席よりもコントロールしている感覚を持ちやすいのでオススメです。
後部座席に座っていても、できるだけ地平線を眺めることで酔いにくくなります。船の場合、「感覚システムが調和するまで」横になるのがいいとXenos医師は述べています。
平衡を保つ
乗り物酔いは、脳と体の感覚的な矛盾によって生じます。ですから、できるだけ両者の信号を同調させることで酔いにくくなります。それは、平衡感覚を保つことを意味します。
そのための手段の1つが、動きの変化を予測すること。地平線を眺めるのがいいのは、脳が進行方向を理解しやすく、感覚の矛盾が少なくなるからです。「Scientific American」に、こう書かれていました。
車の後部座席で本を読んでいるとします。視線は本に固定されており、周辺視野には車のインテリアが映っています。あなたは動かなくても、車がでこぼこ道を通過したり曲がったり速度を変えたりすると、耳からの情報との間に矛盾が生じます。本を読んでいると酔いやすいのはこのためです。この種の反応が表れたら、本を読むのをやめて窓の外を見ましょう。一般的に運転手がもっとも酔いにくいのは、耳からの感覚情報が正しいだけでなく、車をコントロールしているので、曲がり角や加速・減速などを予測できるためです。
Chandrasekhar医師は、目を閉じると酔いにくいという噂は誤解だと言います。むしろ、最悪なのだとか。
目を閉じると、非常に強力な上書き機能を遮断してしまいます。目を開けて遠くの1点に注目するか、運転手のような視線を取れば、耳からの間違った情報を上書きすることができるのです。
目から入る情報と耳からの信号を一致させることができれば、酔いにくくなます。つまり、下を見るのではなく、目を開けて地平線を眺めるのが効果的なのです。略
指圧療法もその1つ。手首の内側を押すことで症状が軽減できるという方法ですが、私には効くときとそうでないときがありました。でも、必ず効くという人もいます。手首のその部分を押し続けるためのリストバンドも出ています。「One Medical」にも、この方法の効果には矛盾する証拠があるものの、試してみる価値はあると書かれていました。略