緩和ケア病棟で勤務ができて、よかったな、と思えることは多々あります。
細かいことをいうとキリがないのですが…。
少なくとも、緩和ケア病棟で勤務する前の自分と、今の自分とでは違っていることがあります。
それは。
つらい症状緩和のためみ、自分がすべきことの焦点が定まったこと。
治療方針の決定のために、患者さんや家族とのコミュニケーションがとても大切なことを実感したこと。
薬剤の匙加減を知る前に、その薬剤の情報(エビデンス)と自分の経験としっかりと照らし合わせること。
予後の予測は立てにくくとも、経過の予測は立ててその経過の速度に合わせて、患者さんや家族にかかわること。
今、認定看護師の卵さんが実習に来られてますが、自分の見解を伝えながら、患者さんのケアの方針を考えているうちに、前記のようなことを思い浮かべました。
これって、自分が成長しているって証???????
と、思いたい。
でも、日々の患者さんや家族とのかかわりの中では、その思いが「がっしゃーーーん」と崩れることも多いものですが…。
患者さんへのかかわりが、自分自身が良かれと思った結果と反して、複雑になったときこそ、自分を、自分自身の関り方を振り返る、とてもいい機会だと思えるようになったのは、緩和ケア病棟での勤務のおかげです。
医療者の全ての人が、緩和ケア病棟じゃないとがん患者さんへの自分ケアの振り返りができないのか、というとそうではないのかもしれません。
私の場合、「苦悩を与えてもらっているという」感覚とともに、「その苦悩があってこそ、その苦悩があっていいのだ」という感覚が生まれてきています。
「~あるべき」論では、なかなか上手くいかないことがたくさんあります。
私の目指すところは、「柔軟性」のある介入ができることです。
自分自身がネガティブなので、これを克服するにはまだまだ時間がかかりそうですが。
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