SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう リリーズキッチン

2019-12-18 23:41:36 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ、今回は初めての缶詰フードです。
なぜかと言いますと、今回取り上げたリリーズキッチンが日本で公式に販売しているのが
缶詰フードのみ、種類も一つだけだからです。
缶詰フード全般について知っておきたいことなどもあるので
このブランドには興味がないという方も目を通していただけると光栄です。

LILY's KITCHEN ←日本語公式サイトです。
必要な情報が整理して提供されている、良いサイトだと思います。

このリリーズキッチン、英国王室御用達の称号を得たフードでもあります。


「女王様の犬が食べてるフードなの?美味しそ〜」

日本で販売されているのはコテージパイという名の缶詰フードです。
コテージパイというのはイギリスの家庭料理で、牛挽肉と野菜を煮込んだ具の上に
マッシュドポテトを乗せてオーブンで焼いたものです。
お肉が羊肉だとシェパーズパイという名になります。犬と関係ない話ですけれど。
つまり、このコテージパイという缶詰フードのメイン材料はビーフ&ベジタブルなんですね。

それでは原材料一覧を
牛60%(心臓、肉、レバー、肺、胃)、牛スープ、リンゴ、ジャガイモ、ニンジン、インゲン豆、ブロッコリー

ビタミン類(コリン、ビタミンC、ニコチン酸アミド、ビタミンB1、パントテン酸、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ビタミンE、ビオチン、ビタミンB12)

ミネラル類(亜鉛、マンガン、ヨウ素)、増粘剤(ローカストビーンガム)

ハーブ類(ゴールデンロッド、イラクサ、アニス、ローズヒップ、マリーゴールド、ヤエムグラ、昆布、アルファルファ、ミルクシスル、セイヨウタンポポの根、ゴボウ、セロリの種)、アマニ

最初に牛肉が挙げられており、しかも内臓肉まで入っている。 しかも60%!
これだけで、このフードへの期待が高まりますね。
リリーズキッチンは、他の種類でもミールを使っていないことがセールスポイントの一つです。

2番目に牛スープと書かれているのは缶詰フードならではですね。
缶詰フードの良い点の一つは水分が自然な形でしっかり摂れることです。

イギリスのサイトではビーフの後にジャガイモ3%、ニンジン3%と続くので
日本語では先に来ているリンゴよりもこの2つの方が多く入っていると思います。
このフードは穀類不使用なので、ジャガイモは炭水化物源となります。
原語のサイトではリンゴ、ブロッコリー、インゲン豆の順で、これも日本語ではなぜか順番が変わっています。
フードの原材料一覧は並んでいる順番にも意味があるので、細かいことですがちょっと引っかかります。

ビタミン類、ミネラル類は特に問題はないですね。
ミネラル類は吸収しやすいようキレート加工がされています。
ミネラル類の次に記載されている増粘剤はフードの水分にとろみをつける目的で入っています。
ローカストビーンガムというのはキャロブの種子から抽出した増粘多糖類です。
ローカストビーン(イナゴマメ)というよりもキャロブの方が知名度が高いですね。
キャロブはチョコやココアの代用となるため、犬用ケーキなどにもよく使われています。

最後にハーブ類が数多く並んでいます。
・ゴールデンロッド 日本語ではアキノキリンソウまたはセイタカアワダチソウです。
収斂作用、強壮作用、利尿作用など多くの効能を持ちますが、腎臓疾患がある場合は避けた方が良いハーブです。
・イラクサ ネトルという名の方がハーブとしては馴染みがあるかもしれません。
天然のマルチビタミンと呼ばれるほどビタミン、ミネラルが豊富なハーブです。
・アニス 消化促進作用があります。また天然の防腐剤としても知られています。
・ローズヒップ ビタミンCが非常に豊富です。
・マリーゴールド ハーブとしてはカレンデュラという名の方が知られているかと思います。
抗菌、抗炎症、収斂作用があります。
・ヤエムグラ これもハーブとしてはクリーバーズという名で知られているものです。
リンパの循環を促進する効果が強く、強壮作用もあります。
・昆布 このように表記されていますが英語ではseaweedと表記されています。
その場合昆布よりも小さい海藻を指すのですが(昆布はケルプ)、この点ちょっと不明です。
昆布なら目的はヨードの補給ですが、この製品はヨードはすでに添加されているし
何か他の目的の海藻ではないのかなあと気になっています。
・アルファルファ ビタミンミネラル類が豊富で栄養補給のために使われます。
・ミルクシスル 肝臓の働きを活発にして解毒作用を助けます。
効果の強いハーブなので、本来は継続して長期で摂らない方が良いハーブです。
・セイヨウタンポポの根 利尿作用が強いので老廃物を排出するのを助けます。
・ゴボウ これはバードックですね。 緩やかに腎臓や肝臓をサポートして解毒作用を助けます。
・セロリの種 利尿作用の他、鎮静作用もあり使用には注意が必要なハーブです。
・アマニ フラックスシード ですね。オメガ3とオメガ6脂肪酸補給のために入っています。
しかし、何度も書いていますが犬は植物性のオメガ3脂肪酸を体内で活用できる形に変換できない個体が多くいます。
そのためフラックスシード だけをオメガ3脂肪酸の供給源とすることは不安があります。


「それで、全体的にはどうなんですか?」

全体的にとても良いフードだなという印象です。
ミールではない精肉や内臓肉を使っている点はとても好ましいですね。
炭水化物源もジャガイモのみというところも良い感じです。

ただ缶詰フードの性質上、タウリンが添加されていると理想的だったなと思います。
ミールでは加工時にたいへん高温で調理するのでアミノ酸が変質してしまう恐れがあります。
缶詰の場合も密閉した後に殺菌も兼ねて高温調理をしますね。
そのため缶詰フードは酸化防止剤などが必要なくて、その点は大きなメリットなのですが
缶詰の高温調理ではメイラード反応物質が作り出されてしまいます。
(メイラード反応物質についてはこちらの過去記事をご参照ください)

メイラード反応物質が腸内に入ると、特定の細菌が増加しやすくなります。
この特定の細菌というのが、タウリンを分解してしまう働きがあります。
ですから缶詰フードの場合はタウリンを余分に追加しておいて頂けるとありがたいのですが
このフードでは添加されていないので、サプリメントなどで補うことをお勧めします。

またオメガ3脂肪酸の供給源がフラックスシード のみでは上に書いたように心もとないので
フィッシュオイルなどのサプリメントをお勧めします、

それから、いくつか注意の必要なハーブ、長期間使わない方が良いハーブが含まれています。
いつも書いているように、私はフードにはハーブが入っていない方が使い勝手が良いと思っています。
でも入っているものは仕方がないので、他のメーカーのフードとローテーションをお勧めします。

残念ながら日本では発売されていないのですが、リリーズキッチンのドライフードは
原材料に魚が使用されていたり、フィッシュオイルが添加されていたりして、オメガ3脂肪酸について心配がありません。
フラクトオリゴ糖などプレバイオティクス、関節ケアのためのグルコサミン・コンドロイチンなども配合され
缶詰よりも日常的に使いやすい良いフードです。
ハーブの配合が缶詰とほぼ同じなので、ローテーションの必要はありますが
興味のある方はドライフードの発売に目を光らせておいてください😚 

また、この缶詰フード、3缶で3200円とかなり高額です。
ちょっとした特別な日のフードに使うのも良さそうですね。

コメント (6)
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