朝焼けの朴
(1)きのうはオグジャワの「グルジアの唄」を取り上げました。テープをお聞かせできないのが残念です。
そう思いながら書き終わってから、「モスクワは涙を信じない」(作詞:D.スーはレス、U.ヴィズボル、作曲:S.ニキーチン)のことが浮かんできました。これは同名の映画(1979年)の主題歌ですが、歌というよりも語りの口調で始まり、そのまま淡々と口ずさんで歌いきるという感じです。「グルジアの唄」もそうですが、感情をあらわにしない、外から見守るといった感じです。とはいえ、これは、あまり深入りしないことにして、専門家にお任せしましょう。
私はのちにテレビで放映されたのを見ましたが、古書店で見つけた?パンフが残っています。
大きさ:225×140mm、55ページ
(2)当然、もう見たという人もあるかもしれませんが、映画の筋や内容などは、今はネットでだいぶ懇切に紹介されています。この映画には、ソ連の時代の世相や人間模様が描かれていて興味深いところもあります。あちらの雰囲気があるので好き嫌いがあるかもしれませんが、ゆっくり味わってみるのがよいかもしれません。
ふと思ったことですが、モスクワ(=ロシア)が平和を取り戻そうとしたとき、ロシアがウクライナから手を引いてその先へ行こうとするとき、この歌が歌われるかも・・・。
(3)人に薦めておいてこう言うのも変ですが、私は音楽の方が惹〔ひ〕かれました。
私は、なんでも面白いところは切り取って別閉じして残しておくのですが、1990年頃のNHK語学講座(応用編)で、「物語ロシア語史」(担当:中沢英彦)、「ロシア民謡と文化」(担当:伊東一郎)、そして、正確な名称が不明ですが、「夏の復習シリーズ/夏期特集/発展シリーズ」ということで、「詩」が取り上げられたようです。
きのうの「グルジアの唄」ときょうの「モスクワは涙を信じない」は、この3つの講座の仕切り用に挟んであったものです。気に入ったので覚えようとしたものの、どちらも私には歌うのが難しく、ずいぶん練習しました。
オリーブの花
(4)ところで、話が変わりますが、NHKの語学講座はいまでもときどき聞きます。それで思っていることがあります。それをちょっと書いておくことにします。
今は1回あたりの時間が20分から15分に短縮になりました。5分ですが、4分の1の短縮です。この結果、余談が少なくなったとか、テンポがよくなった面がないとはいえませんが、講師の語り口がせわしなく、内容にゆったり感が乏しくなり、貧困になったように思います。その割にやたらと文法事項が詳しいという感じもあります。
内容が、外国の文化や良さを理解するというよりも、原文を読んだあと、日本語訳と2・3の要点を急いで言って終りとか、旅行用のおしゃべりとか、値切る練習のような場面があったりして、「おしゃべり養成講座」の感もあります。
それから、講師の日本語が変だったり、それ以上に、発音協力者であるべき外国人〔ネィティブ」に日本語をしゃべらせるとか、さらに外国人が文法事項を説明して、その日本語の発音が変であったりする場面が耳につくことがあります。
たとえば、ハングルでの韓国人の発音は、かなりの熟達者でも語頭の濁音の発音が困難で、「かいとう」といったときに、これが「解答」なのか「該当」なのかわからない、というような類のことがよくあります。
(5)オット、脱線しました。
(3)で挙げた3講座、あれはかなりハイレベルです。もう記憶はありませんから、いまテキストを読んでの印象です。
もちろん、「応用編だから」それもいいのですが、授業は、すぐに面白いとか・役立つとかいうよりも、結局は一人でやらなくてはダメなので、自力でやる気力を喚起する、奮い起こさせる工夫、これが求められていると思います。これが難しいのですが。
そうそう、このごろは、よい先生が長く担当するということが無くなったようですね。名物講師がいなくなって、担当者が若い人で、ころころと変わる・・・。
では、また。