神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.323 集書

2024-11-04 00:35:06 | 文書・文献
(1)10日ほど前のことです。ネットオークションで古書を追っていると、(正確な場所は覚えていませんが)岡山県にあった藩の『✕✕藩実録』というのが3冊710円で出ていました。通常は専門外のものをオークションで競り合ってまで買おうとはしませんが、この書は、入札終了まであと半日くらいになっているのに、まだ誰も入札していませんでしたから、タイトルに魅力を感じたのと、送料を入れても2000円くらいで買えそうなので、遊びで読むにはいいだろうと考えて入札しておきました。そして、入札時間が過ぎたので確認してみたところ、なんと720円で誰かに落札されてしまっていました。
 驚きましたが、自分は遊びで入札したのだし、本当に欲しいと思った人のところへ渡ったのだろうと思うことにして、内容紹介としてアップされて〔載せられて〕いた箇所を読んでよしとしました。しかし、諺に「釣り落とした魚は大きい」というのがありますが、よく言ったもので、やはり一抹の寂しさを感じました。

(2)もう20年くらい前になるでしょうか。『皇室財政沿革記』という文書が古本市の目録に出ていました。
 これは、原本は宮内公文書館で所蔵されていますが、明治維新後から30年までの皇室財政〔宮内省の財政〕をまとめたものです。皇室財政を研究する人でこれを見ない人はないという貴重書で、私も30年以上前に閲覧しました。一冊一冊はそう厚くはありませんが、確か付属文書も入れると15点ほどあって、これが帙に納められて一抱えほどにはなるものです。
 古書市に出品されていたものは、価格が2万円でした。もちろん『皇室財政沿革記』原本ではなく、いずれか2点の写本だったろうと記憶しています。
 このときは、目録をよく見ずに積んでおいて、古本市開催の直前になってもう捨てようかと思いながらパラパラと目を通していて気が付いてギョッとさせられたわけです。
 目録販売は、購入希望が多数ある場合は「抽選」できめることになっているようですが、その実態はわかりません。ともかく電話で急ぎ注文しましたが、あえなく落選となり、無念のあまり眠れない日は続きました。まだ目録の当該㌻は取ってあります。

(3)上の720円の本を攫〔さら〕われて後の10月28日、つい先日ですが、また検索していると、今度は、「竹林貫一編、東京帝国大学教授・文学博士宇野哲人序『漢学者伝記集成』432円」(昭和3〔1928〕年刊)というのが出てきました【下の写真】。装丁が堂々として状態もきれいな百科辞典のような本です。しかし、厚さが8㎝もあって個人では置き場所に困るからでしょうか、まだ入札者がありませんでした。しかも、入札終了時間まであと3時間ほどでした。

    
 
 先日、子安宣邦『天皇論』を読んで、宣長以来の国学のことももう少し読み込んでおかないといけないと思い始めていましたから、書名の「漢学者」に目を引かれました。
 というのは、そもそも『神足勝記日記』に出て来る熊本勢はみな漢学を学んでました。元田永孚〔ながざね〕・井上毅〔こわし〕・宮部鼎蔵〔ていぞう〕・竹添井井〔せいせい〕、それから神足勝記の恩師の兼阪熊四郎など皆そうです。ですから、「あまり漢学を意識して来なかったなあ」と反省せざるを得ませんでした。
 ということで、即座に入札したところ、うまくいきました。
 ちなみに、定価は432円でしたが、送料が1000円、コンビニ払いで機械使用料が330円、計1762円の買い物となりました。でもね、これはヒット〔あたり〕です。
 それにしても、熊本勢の漢学と宣長以来の国学との関係は維新後どうなったか、私にとってはまた悩ましい問題ができてしまいました。
 今日はここで。

1.アケビがもう一つ隠れてました。
   
 はびこってきたアケビの蔓を片付けることにしました。このため、来年のアケビのエキスづくりはムリそうです。じゃあ、来年は山梨のあそこへアケビ取りに行こうかな・・・。

2.柿も、葉が落ちたら一つ出てきました。
   
 渋柿がたくさん取れたので知り合いに分けてあげたところ、さっそく干し柿を作ったそうです。ところが、ここのところの雨のためにカビが出て、あげた7㎏ほどが全滅のよし。嗚呼。 

 では、今日はここで。
 
  
  多摩川を南へ渡る今日の八高線 

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