宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

現代にも通じる利休七則

2018-09-11 20:18:15 | 茶道

今月は茶箱の稽古をしているので、床には利休七則を掛けています。
この利休七則、お客様をお茶でおもてなしをするときの心得が書かれています。

利休さんの時代、ある人が「お茶の心得は何ですか?」と訊ねた時の利休の答えがこの七則です。
その人は「そんなことなら分かっています」と不満そうに言いました。
そこで利休は「そう思うなら私が今言ったとおりにして茶に呼んでください。その心得が出来たら私はあなたの弟子になりましょう」」と切り返します。

一休禅師の軸に《諸悪莫作衆善奉行 しょあくまくさしゅうぜんぶぎょう》というのがあります。悪いことはしてはいけない、良いことをしなさいという意味です。
これは子供でも分かってはいますが、実践するのはなかなか難しい・・・

シンプルな文言の利休七則もこれと同じようなことです。

利休は今からかれこれ450年も前の方ですが、現代の我々にとってもこの七則は、茶道に限らず日常的に必要な生活心得です。
抹茶に限らず煎茶などもお湯の温度など考えると服の良きようにとなりますし、夏は涼しい風情にして冬は暖かな料理でもてなす等、工夫をする、余裕を持って約束の時間は守って、準備は怠りなく、人とは「お先に」「どうぞ」など和やかに・・・

私は大学生のお弟子さんが卒業して社会人になる時、お祝いに小色紙に”刻限は早めに
降らずとも傘の用意”と認めて贈ります。大事なことですものね、社会人としては。

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誕生日に

2018-09-10 18:02:56 | 日記

9月は主人と私の誕生月。
娘と孫が祝に来てくれました。
丸い誕生日ケーキを持ってきてくれ”♪ Happy Birthday to you ♬”を歌って拍手。
普段あまり大笑いしない主人も笑っています。
生クリームがふわふわの美味しいショートケーキ……甘いケーキを食べるとみんなニコニコ顔になります。

12日に隣りのお嫁さんと孫たちが祝に来てくれました。昼寝をしていた主人も起きてきて久し振りに孫たちと会話を楽しみました。
早速乾杯して歌を・・・
夫婦ペアのバスタオルのセットを頂きました。カラフルで柔らかいガーゼも付いているタオル。
家のは何回も洗濯をしてゴワゴワになったタオルを使っていたので、早速使おうと思います。

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藤田嗣治展

2018-09-09 15:44:52 | 美術


没後50年記念展です。
今までも藤田の作品はいろいろ見てきましたが、今回は若い時から順を追っての展示で、初めて見るものが多かったです。

藤田はフランスに勉強に行ってモンパルナスの画家仲間の”絵を自由に描く事”に触発され、当時の退廃的な空気にすっかり染まり、日本画壇からは「嘆かわしい!」等と疎まれました。
しかしフランスではエコールド・パリの寵児としてもてはやされ、フランス国籍も得、キリスト教の洗礼も受けレオナルドという洗礼名も貰い、レオナルド藤田と称するようになりました。

独特の乳白色の裸婦像が10点以上あります。裸婦だけでも見ごたえがあるのに、その背景の壁紙やカーテンの模様や猫が実に繊細に描かれているのに驚きます。

第一次世界大戦がはじまり退廃的なものは避けられていく中、藤田は中南米など旅行に出かけます。画風が全く変わってきます。

そして日本に戻ってきます。第2次大戦では戦意高揚に貢献すべく戦争画の大作を描きます。
アッツ島玉砕の絵は悲惨です。
敗戦後、藤田は戦争画を描いたということに贖罪を求められそうになり、再びフランスに帰ります。以後日本に帰ることはありませんでした。

日本とフランスの間で戦争等の事情で揺り動かされた一生だったのでは・・

80歳の時、小さな教会を建て、その中の壁ぐるりにフレスコ画でキリスト磔刑等の宗教画を精力的に描きました。その中には僧侶の一人として自画像もなにげに入れています。
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手描き茶箱

2018-09-05 13:50:33 | 茶道


大分前に作った茶箱です。
書の稽古の時に、「木の空き箱に筆で何か絵や字を書いて素敵な入れ物にしましょう」という先生のアイディアで皆さん色々箱を持ち寄って作りました。

私はちょうどメロンの空き箱があったので茶箱にしようと持っていきました。
秋であったので秋に因んだ和歌とそれに関連する絵を書くことにしました。
書の先生は墨絵もなさるので、助けていただきながら葛の木の枝を描き、箱裏には高浜虚子の俳句を書きました。”くずの花 ふき返したる うら葉かな”
朱で印を押して完成!!世界で一つの茶箱が出来ました。

書の先生は4年前にお亡くなりになりました。この茶箱を見るたびに先生を思い出します。
またこの茶箱で10年前 茶道の亡き先生を自宅に茶事でお招きし、濃茶は畳の間で、薄茶は立礼でこの茶箱を使って和敬点をしておもてなしをしました。その時の先生のお姿も思い起こされます。下記の写真はその時のもの。


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茶箱点前

2018-09-01 16:42:14 | 茶道
9月の稽古は茶箱の稽古。
今日は1カ月ぶりの稽古です。猛暑の夏も皆様元気に過ごされたようで久し振りの顔合わせです。
《雪》《月》《花》のほか、《色紙点》の稽古ができました。

玄々斎考案の茶箱点前…よく考えられたと改めて思います。
縦22cm,横15cm,高さ12cmほどの箱に茶を点てる諸々の道具を入れて、それぞれの道具を仕覆に入れて、茶筅・茶巾は筒に入れます。お菓子を入れる「振り出し」も入っています。

また茶箱に掛け合を付けたことも素晴らしいアイディアだと思います。
《雪》の時は掛け合の上で点茶しますし、《月》の時は器据を使い、《花》ではお盆を使います。

御所籠を茶箱として使う《色紙点》は,円能齋が好まれた御所籠を茶箱として使う《色紙点》を淡々斎が考案されました。

4枚の古帛紗と茶巾箱を色紙のように散らして、とても雅なお姫様のおままごとのような点前です。


茶箱の時のお菓子は振り出しに入れます。よく金平糖を入れますが、金平糖は歯でポリポリ咬まなくてはならないので我が家では麦チョコを入れました。

茶箱点前は薄茶点前にもかかわらず、仕覆扱い等あるので結構点前に時間がかかります。

1ケ月ぶりの稽古で、正座が皆様辛そうでした。
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