早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句「早春」昭和六年十一月 第十二巻五号 近詠

2021-07-02 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句「早春」昭和六年十一月 第十二巻五号 近詠

   近詠
銅蓮の縁を叩けば秋の波

陽や新米の山白妙に

わざをぎの素顔を秋の日に見たり

秋耕や晴れて鹽屋の遠き屋根

秋雨のひたと地につく大葉かな

媼かゞめば杖に持ち添ふ落穂かな

星座仰いでしばらく遊ぶ夜学哉

落し水しづかひびきて日をふくみ

鶴の檻朝霧ふかく覗きけり

干し草に時雨身上げつ左右の山

蓮池の風ふところに冬近かし

草山に秋逝く暮れぞ烏づれ





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