早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

定本宋斤句集 春 6

2018-02-18 | 永尾宋斤の句集:宋斤 思い出の記・定本宋斤句集


定本宋斤句集  春 6

 
春の露   吉崎の御忌へ踏むなる春の露
        八尾常光寺、狂言八尾地蔵のこと
凍てゆるむ 凍てゆるむ閻魔の返書又五郎
末黒野   末黒野の月は細けれ風の雲
      野を見たし末黒の中を歩きたく

        河内八尾
春 野   水を知らず家鴨よごれて春野かな
彌生野   彌生野の木のいただきに鳥ほそき
水温む   辨才天水神におはし水ぬるむ
春の水   春の水鰌寝ているところかな
春の水   顔出して空知る魚や春の水
春の湖   草に臥し帆をゆかしむる春の湖

春 泥     蔵王堂の下みちゃゝに春泥す
      春泥にたてばタクシにかこまれて


定本宋斤句集 早春社刊

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