早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句「早春」昭和十八年三月 第三十五巻三号 近詠 俳句

2023-10-16 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句「早春」昭和十八年三月 第三十五巻三号 近詠 俳句

   近詠
春たちぬすめらみくには巨歩を踏む

春の雲仰ぐうちにも暢ぶるかな

たんぽゝの花ひとつ野に神を知る

早春の野につどひきて詩に盟す

畑打ちのやすみては空を尊みぬ

初鮒や笊の荒目に十ヲばかり

梅の中こまかき風の土にある

山茱萸を小門に覗き岡の坂

蘖の戦ぎつ池の輝きつ


    立春
野や晴れて立春の水さゝやける

立春や戦勝さらに神いのる

春たちて禿山海とさだかなり

    二月本句會 氷浮く
氷浮くや柳は枯れのもりあがり

    對座吟 岡澤紅鷹君と紀元節の夜
霞夜に入るとし村家あたゝかく

山風の頬にいたくて花は芽に

    伊賀上野吟杖
しづかさや木の葉のあとに嵐來る

木の葉時雨に人來溜まりて塚の前

掃く人の石蕗をそよがしあらはれぬ

     簑蟲庵
城下町の往來かつ散る紅葉あり

あがる雨町に日南ひろくなる

     俳聖殿 
松中の紅葉明るく城景色

枯草にけふ城中を人繁し

     城内
冬木中竈けむりを戀ひて入る

冬のいろ城址は石に日南して












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