(昨日の続きです)
テツ君のことを、う~んと褒めて、固い握手をした後で
「テツ君、こうやってお家でも練習すると、これから、もっともっと上手になるね
楽しみだね~」と言いましたら、
「でも、ママが、ららみ先生の家は遠いから、
もう少ししたら辞めようね、って言ってた。」
と言うのです。
実は、テツ君の家は、かなり遠くて、
いつも1時間かけてレッスンに通ってくださっているのです。
私は、レッスンが終わった後、車で待っていたお母様をお呼びしました。
テツ君とお兄ちゃんのヨウ君(6年生)には、車の中で待っていてもらい、
私はお母様と2人だけになりました。
そして、テツ君とヨウ君の、最近のレッスンの様子や、
テツ君が、ピアノを辞めたくないから練習を頑張ったことなどをお話しました。
「テツ君から聞いたのですが、もうすぐピアノを辞めるのですか?」
「いえ、ヨウが来年中学に入ったら、生活の時間帯が変わるので、
遠いピアノのレッスンに通えるかな~辞めようか?と、
軽い気持ちで言っただけなんですよ。」
「そうですね、ウチは、かなり遠いですものね。
しかも、中学生になったら、帰りも遅くなるし、忙しくなりますものね。」
「そこを心配しています。」
「でしたら、ご近所のピアノの先生に変わられてもいいので、
ピアノは、もうしばらく続けさせてあげてくださいね。
ピアノを辞めたくない一心で、テツ君も、今週は頑張って練習したのですから。」
「はい、でも、2人共ららみ先生に懐いていますし、
続けるならば、ららみ先生~と思っています。」
「ありがとうございます。
私も、2人共可愛いので、出来れば手放したくないのですよ。」
「ありがとうございます。
ヨウが中学生になったら、曜日や時間は変えて頂けますか?」
「勿論です。来年になったら、時間帯や曜日など、また一緒に決めていきましょう。
ですから、これからは、お子さん達が『辞めたい』と言うまで、
辞めようか~って、言わないであげてくださいね。
大好きなお母さんにそう言われると、子どもの心は乱れますので。」
そう言いながら、私は自分自身の発言も反省していました。
練習しないんだったら辞めてもらおうかな~等と言って、
私もテツ君の心を乱したに違いないのです。
このセリフは、私も2度と言うまい、と思いました。
「はい、もう言いません。
子ども達にも、辞めたくないよ~!と言われましたし。」
「そうですか、ありがとうございます。
それにしても、お母様は、本当によく頑張っていらっしゃいますよね。
お仕事もお忙しいし、お姑さんのこともあるし、本当にえらいですね。」
私がそう言うと、お母様の目から、涙があふれ出しました。
我慢していたものが、一気にあふれ出た~と云う感じでした。
(長くなったので、明日に続きます)