マサ君は、6年生の自閉症の男の子です。
2ヶ月程前、マサ君のレッスン中に、次男が玄関で大きな音をたててしまいました。
「先生、今の人は誰ですか?」
「先生の息子です。
今から大学に行くので、大きな音をたててしまったみたいです。」
「何と云う名前ですか?」
「こう君(仮名)です。」
「こう君は、何時に帰りますか?」
「う~ん、多分、夜中の12時かな~?」
「そんなに遅く帰ったらいけません」
「そうだね。 こう君に伝えておきますね。」
そんな会話があってからというもの、M君は、毎週私に言います。
「こう君は、何時に帰りますか?」
「12時頃かな~」
私がそう答えると、マサ君は満面の笑顔で
「そんなに遅く帰ったらいけません」と言います
そう言う時のマサ君は、本当に嬉しそうです。
マサ君には、他にも必ず言う言葉があります。
今年の1月まで、マサ君の次に習いに来ていたCちゃんは、
今、オーストラリアの高校に留学しているのですが、
マサ君は毎週、「Cちゃんは?」と聞きます。
「Cちゃんは、オーストラリアだよ~」と答えると
「Cちゃんは、お泊まりですか?」と聞いてきます。
「はい、Cちゃんは、オーストラリアにお泊まりです。」と答えると、
マサ君は満足そうに笑います
決まった会話、決まった手順に拘るのは、自閉症の特徴ですが、
何時も決まった会話をすることによって、気持ちを安定させているのでしょう。
確かに、言葉のルーティーンは、こちらの気持ちも穏やかになります。
自閉症のお子さんを指導していると、そんなことも気づかされて
愉しいなぁ~と思うのです。