誘惑
2020-11-15 | 映画
今日もポカポカと暖かく、最高の日和です。
ただ、30%近くまで湿度の下がる日が続くと知らず知らず掻いてしまい、掻くとまたそこが痒くなるという悪循環の方もいらっしゃるかも知れません。
よくお母さんが子供に「掻いちゃダメ!叩きなさい!」なんて言いながら自分で掻いてたり、やはり掻きたくなってしまうんでしょうね。
大人になって掻くとその後どうなるか十分承知しているのに、あともう少しなら大丈夫なんて思いつつ危険領域に踏み込んでしまう、自分の内から湧き上がる誘惑の恐ろしさ。
これからが冬本番かと思うと、これまた更に恐ろしいことです。
昔の日活映画というと、青春モノとかエキゾチシズムをかきたてる港が舞台の犯罪映画というイメージで、先日の「風船」なんかはちょっと毛色の違う路線に見えます。
更にまた違うタイプで、中平康監督「誘惑」(1957)という作品を観ました。
舞台は銀座すずらん通りの洋品店で、コメディのような青春映画のような不思議な一本です。
先日書いた「あいつと私」もそうですが、たまたま私が観たこの頃の日活作品には、どれがどれか分からなくなるほど芦川いづみさんと轟夕起子さんという女優がよく出てきます。
この「誘惑」も、場面こそ多くないものの芦川いづみさんが一人二役のヒロインで、轟さんは珍しくコミカルな役です。
冒頭、いきなりチャッカマンと同じ形状のものが出てきて、思わず「こんな昔からあったの?」なんて勘違いしそうになりました。
それまで化粧っ気のないタイプだった渡辺美佐子さんが化粧して振り向くシーンでは、この3年前に日本公開された今も人気の名作でヒロインが髪を切るシーンに一瞬ダブったり、ある部分ではジャン・ルノワール作品みたいだったりします。
舞台になる洋品店の看板には「Fancy Drigoods for Ladies & Gentlemen」とあります。
drigoodsはdrygoodsのことかも知れません、聞き慣れない言葉ですが調べてみると「生地や服及び関連商品」の意味で、店に置いてある商品の中には現存するブランドもあり、本筋と関係ない見所もあって、岡本太郎、東郷青児、若い天本英世、頬を膨らませる前の若い宍戸錠(顎を上げると、ちょっとクリスチャーノ・ロナウドに似てます)なども見えます。
岡本さんはセリフもあり、思わず例のモノマネをしたくなる誘惑を抑えきれない可能性あり。
この時代よく言われることですが、この映画も量産のプログラム・ピクチャーの一つだったのかも知れません。
ただ作り手の側の職人気質とセンスが合致して、単なる娯楽作品以上のレベルが記録されるケースがあります。
上手く表現しがたいですが、お洒落な人が登場するということもないのに、映画的な楽しみに満ちた愛らしくとても洒落た作品で、良い服を見た時と同じような気分になりました。
機会があれば、ぜひご覧になってみてください。
「上もこちらも他の作品からの画像、下は奥が芦川さんで吉永さんは出ていません」
ただ、30%近くまで湿度の下がる日が続くと知らず知らず掻いてしまい、掻くとまたそこが痒くなるという悪循環の方もいらっしゃるかも知れません。
よくお母さんが子供に「掻いちゃダメ!叩きなさい!」なんて言いながら自分で掻いてたり、やはり掻きたくなってしまうんでしょうね。
大人になって掻くとその後どうなるか十分承知しているのに、あともう少しなら大丈夫なんて思いつつ危険領域に踏み込んでしまう、自分の内から湧き上がる誘惑の恐ろしさ。
これからが冬本番かと思うと、これまた更に恐ろしいことです。
昔の日活映画というと、青春モノとかエキゾチシズムをかきたてる港が舞台の犯罪映画というイメージで、先日の「風船」なんかはちょっと毛色の違う路線に見えます。
更にまた違うタイプで、中平康監督「誘惑」(1957)という作品を観ました。
舞台は銀座すずらん通りの洋品店で、コメディのような青春映画のような不思議な一本です。
先日書いた「あいつと私」もそうですが、たまたま私が観たこの頃の日活作品には、どれがどれか分からなくなるほど芦川いづみさんと轟夕起子さんという女優がよく出てきます。
この「誘惑」も、場面こそ多くないものの芦川いづみさんが一人二役のヒロインで、轟さんは珍しくコミカルな役です。
冒頭、いきなりチャッカマンと同じ形状のものが出てきて、思わず「こんな昔からあったの?」なんて勘違いしそうになりました。
それまで化粧っ気のないタイプだった渡辺美佐子さんが化粧して振り向くシーンでは、この3年前に日本公開された今も人気の名作でヒロインが髪を切るシーンに一瞬ダブったり、ある部分ではジャン・ルノワール作品みたいだったりします。
舞台になる洋品店の看板には「Fancy Drigoods for Ladies & Gentlemen」とあります。
drigoodsはdrygoodsのことかも知れません、聞き慣れない言葉ですが調べてみると「生地や服及び関連商品」の意味で、店に置いてある商品の中には現存するブランドもあり、本筋と関係ない見所もあって、岡本太郎、東郷青児、若い天本英世、頬を膨らませる前の若い宍戸錠(顎を上げると、ちょっとクリスチャーノ・ロナウドに似てます)なども見えます。
岡本さんはセリフもあり、思わず例のモノマネをしたくなる誘惑を抑えきれない可能性あり。
この時代よく言われることですが、この映画も量産のプログラム・ピクチャーの一つだったのかも知れません。
ただ作り手の側の職人気質とセンスが合致して、単なる娯楽作品以上のレベルが記録されるケースがあります。
上手く表現しがたいですが、お洒落な人が登場するということもないのに、映画的な楽しみに満ちた愛らしくとても洒落た作品で、良い服を見た時と同じような気分になりました。
機会があれば、ぜひご覧になってみてください。
「上もこちらも他の作品からの画像、下は奥が芦川さんで吉永さんは出ていません」