昨日は授業準備をAM行い,
同時にその日の講演資料を作成した.
ほとんどの講演のスライドも1時間もあれば作成可能であるが,
新たな情報を得るときは,「思考」を巡らせる時間がかかる.
PM,3年生のゼミを行い,
Pre-SMAとSMAの運動学習における違い,
そして右脳,左脳のSMAの働きに論議がいった.
運動の難易度は最近接領域が関わる.
単に抗重力位だとか,多関節運動とかで決定されるものでない.
運動知覚と運動実行の両方が必要な場合,
右手の運動だろうが,同側の関与が大きくなる.
自己の身体を用いて,脳がどのようにかかわろうとしているか,
自己のからだを用いて研究(思考を巡らせてほしい)してほしい.
誰かの受け売りでない,自分の研究を展開するためには,
自己の受容器から思考を巡らせることが肝心である.
研究には自己所有感が必要である.
18時より東朋香芝病院で講義.
今日はagnosiaの神経科学と介入であった.
今堀リハセンター長,脳外科医長のオープニングレクチャーのfMRIのイメージ脳の見解が面白かった.
脳の中には自己の経験がある.
今堀先生からの質問で相互作用した瞬間があった.
左無視の患者に対して左側から刺激を加えると右脳が活性化するが,
その関係で,半球間抑制が起き,逆に右側の視野に眼球運動がみられなくなってしまった症例がいたことに関して,先生との討議が私の脳を揺さぶった.
情報化の視点からバランス状態が大事である.
なにごとも.
その後,スタッフと話をする.
院に入りたいものもいるが,
「研究は道を歩くのではなく,道をつくるものである」ということばを送った.
もし,現代にシェリントンがいたらと考えると,
違う方向にいっていたのかもしれない.
道はつくられてきた.
過去を否定するばかりでなく,
あるいは,科学でなく根拠ばかりを優先して,
紋切型志向でなく,自らの道をつくってもらいたい.
科学はいつも揺らいでいる.
その揺らぎこそが先端なのである.
先端は地よりも揺らぐ.
それが現象なんだから.