百歳に向かってもう一度歩いて世界一周

平成7年1月1日より歩いて世界一周に挑戦して居ますので引き続き続けますのでご照覧あれ!

尊敬してきた専務の死

2012年08月03日 20時24分16秒 | 随想

 8月3日(金) 平成17年1月1日より 2,781日目 

        歩いた歩数        その距離
本日     15,640歩     10
,948m
総計 38,936,709
歩 27,255,696m
ドイツ・オランダ、ベルギー.フランスパリ.ロンドン経てバーミンガムに向かう、後 128
,172m

 朝刊を見て驚いた。嘗て同席したS.Sさんが亡くなって今日正午告別式だ、という亡くなられたのは1日というのだから、何処からか知らせがあっても不思議ではない無いのだが、会社で同席していた者は既になく、自分も会社と接触するのは年1回の株主総会位だから仕方がない、と思わざるを得ない話だが・・・

 そんな感傷に耽ってばかり居られない。兎に角支度をして告別式会場に行かなければならない。暑い最中、何とか喪服で正装して出掛けた。妻はまだ早いと言ったが、忠告を振りきって駆けつけた。会場には2台しか駐車して居なかった。受付には会社関係・地元・一般とあった。会社関係といっても、現役ではないので一般の受付で記帳した。誰も気にかける様子もないのが少々寂しかった。会場の溜まり場には見知らぬ方が座っていた。黙礼して腰掛けた。冷房が効いていて寒々とした感じだ。

 やがて、自分が勤務して居た頃の職員がぼつぼつやって来た。随分老いた感じだ。「お達者で・・・」「まだ歩いっていますか・・・」「元気ですネ!」などと声をかけられて、昔を偲び、懐かしい。遠く長野から来てくれて、肩を叩いて「元気でなにより・・・」と言われた時は嬉しかった。今はおばあちゃんになったが、当時の二人の事務員が微笑んで会釈してくれた。やがて鐘がなり、読経の声が聞こえてきてお焼香が始まった。知ってる者から「お先に」と順番を譲られたが遠慮して後に並んだ。

 想えば故人は、地元の生産市場の運営に若い頃からタッチしていて生産から販売に至るまで、生産者の気質から作物の仕上がり、年間収入から家族関係まで知らぬことがないほど精通していたし、買い出しの商人の財産・気質まで見抜いていたが、物静かで、口数は少なく、腰が低く丁重で、誰からも好かれていたし、尊敬されても居た。地方卸売市場が創立されるとその実力を買われ、要職に着き、私共の会社と合併した時には専務であった。

 定年で退職された後も、出荷の多い時期にはよく応援にきて呉れていた。私はその後中野担当になったので暫くは音信も途絶えたが、役員会などでは貴重な発言をされていたし、重く受け止められていたと思う。或る時、整骨院で会ったことがある。足が不自由で参ったと言っていた。その後、足の手術をしたと聞いたが、格別、病気の話は聞いて居なかったので、突然の死には驚いた。もう一つあの尊敬すべき専務が私と同年だったことだ。87歳!どうか安らかにお眠り下さい!