テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事59~1月10日までの1週間の陽性率は8.6%、直近の数日は数値が跳ね上がっています、これは蔓延期を示す状況です。

2021年01月12日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事59~

1月10日までの1週間の陽性率は8.6%、

直近の数日は数値がさらに跳ね上がっています、これは蔓延期を示す状況です。

これまでなるべく客観的に、楽観的にコロナウイルス感染拡大の状況を観察してきましたが、

流石にこの1週間の状況を楽観的に観ることは出来ません、

ほぼ、『日本国内全域で感染蔓延期に入っている』と考えて良いと思います、

1月10日までの1週間の陽性率は8.6%に跳ね上がりました、

その前の週は正月休みのため検査数が激減、正確な数値とは思えなかったので、

その判断を先延ばしにしましたが、

先週の状況はそのまま、深刻に受け止めるべき数値です、

(各日までの1週間の平均陽性率)
      陽性率     検査数  陽性者数
6月21日 0.5%  73911  435人
6月28日 1.3%  39103  526人
7月5日   2.6%  43392   1132人
7月12日 3.4%  57911 1980人
7月19日 3.8%  81922 3140人
7月26日 5.9%  80286 4742人
8月2日   6.0% 121121   7304人
8月9日   6.1% 164877  10094人
8月16日 4.5% 176032    7931人
8月23日 4.9%  143766    7033人
8月30日 4.4% 124531    5517人
9月  6日 3.0% 140951 4155人
9月13日 3.1% 121494 3799人
9月20日 2.8% 124451 3439人
9月27日 2.9% 108743 3033人
10月4日 1.7% 214882 3649人 ※ただし、検査数に異常値参入有、実質横ばい
10月11日  2.7% 132914 3573人
10月18日  2.8% 134620 3744人
10月25日  2.8% 139830 3878人
11月 1日   3.1% 147810 4612人
11月 8日   4.2% 140243 5940人
11月15日  5.5% 173776 9591人
11月22日  6.2% 217199 13502人
11月29日  6.1%  236143 14474人
12月6日 6.1%  251480 15445人
12月13日  5.9%  292670 17189人
12月20日  5.6% 330070 18593人
12月27日  6.1% 348965 21432人
 1月 3日 10.8% 218184 23642人  ※年末年始で検査数が減少
 1月10日    8.6% 460951    39821人

※厚労省発表日報から集計

◆先週の状況

PCR検査数は年末(~12月27日までの1週間)の132%に増加、

陽性者数は186%(39821人)に増加しました、

検査数増加率よりも陽性者数増加率の方が相当上回っています、

これは明らかにこの2ヶ月くらいとは違う『感染拡大のスピードと量』です、

残念ながら、

『感染蔓延期に入っている』=『感染爆発前夜と云っても間違いではないと考えます、

◆先週1週間の日毎の陽性率の変化を観てみる

2021年1月
  4日 13.7% ※正月休みの影響で検査数が少ない
  5日   3.8%
  6日   5.5%
  7日   7.9%
  8日   9.0%
  9日 12.1%
10日 19.5% ※日曜日は検査数が少ない場合が多いが・・・

検査実行日と陽性判明日にはタイムラグがあると思われるので、

日毎の陽性率はあまり意味が無いと考えていますが、

にしても、週後半に明らかに急激な上昇を示している陽性率、
(検査数もこれまでで最大なのに、陽性者が増えている)

これは最悪の状況です、

◆PCR検査態勢も破綻しつつあります

これまで充分と考えてきたPCR検査態勢も、

発症者・陽性者の急増で追いつかなくなってきているようです、

これも感染爆発の前兆です、

濃厚接触者を追いきれなくなる⇒

市中に感染者が溢れる⇒

さらなる感染拡大に繋がる

という図式、負の連鎖の始まりです、

PCR検査体制の破綻を示すニュースがあります、

【神奈川県】「感染蔓延で経路調査に意味なし」 
感染経路や濃厚接触者の調査を原則やめると発表 全国初
(東京新聞)

市中に感染者が溢れる状態になったため、

もはや、感染経路の特定や濃厚接触者追跡の意味が無くなった、

そして、濃厚接触者を追跡していた保健所の体制が追いつかなくなった、

この2つの理由で疫学的調査(感染経路調査と濃厚接触者追跡)を止める、

医療施設、高齢者施設などでのクラスター発生時には簡略化して調査追跡する、

と云うことだそうです、

あきらかにCOVID-19の感染拡大のスピード・量に人智が追いつかなくなってきています、

ある意味、感染拡大防止はもう諦める、と云う敗北宣言です、

◆療養体制もギリギリ

日本国内のCOVID-19感染者受け入れ体制が脆弱なのは「コロナウイルスのこと57」で書きました、

なぜ、こんなに脆弱なのか?その理由は未だに確信はありませんが、

とにかく重症者受け入れ病床も限界に来ているようです、

同じく神奈川県の状況 ⇒

さらに重症者ではない感染者の入院や療養(隔離)の調整機能も限界に近づいているようで、

陽性反応が出ても入院や療養施設への入所の手続きが出来ずに、

待機中(調整中)の感染者が相当数発生しています、

ここでも人智はコロナのスピードと量に追いつかなくなっています、

菅さんは『最大限』とか『ありとあらゆる手段』というような抽象的な言葉で、

感染拡大防止に取り組むと発言されていますが、

もはや、感染拡大を防ぐのは難しい段階に入ったのかもしれません、

COVID-19対策は、

感染拡大防止一点張りから、

感染者への対応重視の2本柱へと、立ち位置を移行すべき段階かもしれません、

◆結果論ですが

陽性率の遷移を見る限り節目は2020年12月初旬だったと考えます、

再拡大が始まって3~4週目、

これで一旦収まるのではないかという独酌酔言的予測をしていましたが、
(ワタシも甘かった)

高止まりのまま年末年始を迎え、一気に感染が拡大したカタチです、

結果論ですが、

2020年12月10日頃に緊急事態宣言を出せば感染拡大を防げたかもしれません、

これは現政権への批判ではありません、

あの頃には分からなかった事がたくさんあります、致し方なし、

しかし、GOTO施策はどうだったのか?

経済との両立はどうすれば出来たのか?

感染拡大傾向の分析はどうだったのか?

しっかりと見極める必要があります、

これからも何度も来るであろう、

未知の感染症に対して有効な施策を的確に打てるようになるためにも、

過去の失政に蓋をせず、しっかりと分析・反省すべきだと思います、

◆日本は東アジアで最悪の感染拡大国になるのか?

1月11日の東アジア近隣国の新規発症者数、

台湾6人、韓国450人、中国0人、香港41人、ベトナム1人、

フィリピン2046人、インドネシア8692人、マレーシア2232人、

日本5977人
(COVID-19トラッカーより)

インドネシアに次いで2番目の感染者数です、

変異ウイルスの発生などで「水際対策の強化」も叫ばれていますが、

もはや逆です、

近隣諸国が日本からの入国を厳しく規制する、という状態です、

もう、状況は一変してしまいました、

日本国内が安全であるという誤った確信を捨てて、

政府・行政・国民が一致団結して感染拡大に歯止めを掛ける

感染者への医療・療養体制を今一度見直し、立て直す、

指導者の強くて正しいメッセージが必要な時期です、