テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事27~国連から「日本モデル」として賞賛を受けた!?と云うのは少し違うと思います

2020年05月31日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事27~国連から「日本モデル」として賞賛を受けた!?と云うのは少し違うと思います

緊急事態宣言が全国で解除、予想以上に早い解除です、

神奈川県と北海道以外はたしかに落ち着いてきている感じ、東京はもう少し様子見したい感じ、

さらに北九州でもくすぶってたクラスター?が再燃?
(第1波の余波、第2波ではありません)

全国レベルでも、新規感染者も徐々に減っていたのが、少し増加に転じています、

独酌酔言的には“全国の新規感染者数が一ケタ”になった時、初めてホントに緊急事態が一旦終息したと判断して良いと考えています、
(4月28日コロナウイルスの事⑱で予測)

しかし、経済活動維持にも目を配らければならないのも事実、

今回の緊急事態宣言解除もやむなし、かな、もちろん再感染拡大のリスクは覚悟の上で、

これからも第1波の余波が何度か来ると思います、

一喜一憂せずに基本動作、新生活様式をしっかりと守りながら、第2波への備えを拡充する期間です、

◆安倍さんから「日本モデル」なる言葉が!!

安倍さんは5月25日の緊急事態解除の会見で、

『グテレス国連事務総長から賞賛を受けた』、

『(人口当たりの)死亡者数を低く抑え込んだ』、

『日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた。まさに日本モデルの力を示した』

と発言されています、

何を以って『日本モデル』と称するのか?よく分かりませんが、

称賛を受けたのは、政府の手腕ではなく、国民の我慢強い自粛対応であると感じますし、

「人口当たり死亡者数」に対する評価は正確ではない、と考えています、

強制力のない自粛で予想以上の効果を上げた日本人の規律ある行動は評価に値しますが、

それ以外はいわば“社交辞令”でしょう、、

◆死亡者数の件、実は日本の感染者死亡率は高い

人口100万人当たり死者数(2020.05.26.現在)

日々、数字を更新してくれている「コロナウイルス ワールドメーター」から拾ってみました、


【人口100万人当たり死者数(人)】
米国   304
ブラジル 115
スペイン 580
英国   546
イタリア 545
フランス 437
ドイツ  101
日本    7

なるほど、欧米の大流行国に比べると、日本はたしかに格段に少ない、

しかし、これをアジアオセアニアで観てみると、

日本  7
インド 3
中国  3
シンガポール 4
インドネシア 5
オーストラリア 4
フィリピン 8
マレーシア 4
イラク 4
タイ 0.8
NZL  4
香港 0.5
ネパール 0.1
台湾 0.3
韓国 5

となり、日本はフィリピンに次いで2番目に高い(人口当たり)死亡者数となります、

◆なぜか、アジアでは低い感染拡大のピーク

もう、何度も書いていますが、、、

理由は未だ明らかではありませんが、なぜかアジアでは感染拡大のピークは欧米とは比較にならないほど低いのです、
(コロナウイルスの事24など参照)

独酌酔言的には以下のような“日本の特殊事情”に何か潜んでいるのではと考えています、

日本の特殊事情(最新追加まとめ)
① 初期の“クラスター潰し”戦略が功を奏した(初期の押さえ込みに貢献)
② 日本の高い衛生習慣(手洗い・マスク着用などの習慣)
③ 日本の距離のある社会習慣(握手・ハグはほとんどしない+靴を脱いで家に上る)
④ BCG接種のラッキーパンチ(未だエビデンスなし)
※23で追記 ⇒ 山中教授も未だ注目
⑤ 外出自粛3密回避・都市間移動制限などの効果(絶対的効果も、実情は心もとない)
※23で追記 ⇒ 自粛なのに日本人はよく頑張りました、一部解除以降は緩んでいますが
⑥アジア人はコロナウイルス(SARS-Cov-2)に対するなんらかの免疫があるかもしれない

 

◆実は、日本の感染死亡割合(死亡者数/感染者総数)は高い

つまり、アジアの中で観ると、日本は必ずしも死亡者数を最小限に抑え込んだとは言い切れないのです、

内容が重複するので、詳しくコロナウイルスの事24を読んで欲しいのですが、

日本の感染者に占める死亡者の割合は、残念ながら高いのです、

(コロナウイルスの事24から再掲:5月17日現在)
 感染者総数 死亡者数 感染死亡割合
日本 16,285 744 4.6%
韓国 11,050 262    2.3%
中国 82,947  4634   5.6%

台湾   440  7    1.2%
香港  1,053  4    0.4%
シンガポール  27,356 21    0.1%
タイ  3,025 56     1.9%
マレーシア 6,872  112  1.6%

豪州  7,019 98  1.4%
NZL  1,498  21  1.4%

マカオ     45   0
ベトナム   318  0
カンボジア  122  0

最新の数字でも、、、(5月30日現在)
    死亡者 発症者数 感染死亡割合
全国  886  16804 5.3%
東京都 304   5231     5.8%

これらの数字にいろんな不確定要素を含んでいるのは承知の上です、

・統計上の問題
(ホントにこの発表数字が正しいのか?という根源的な疑問)
・日本の高齢化率
(イタリアと並んで、重症化しやすい人が多い高齢化社会の日本)
・PCR検査数の少なさ
(検査数が少ないから発症者数が少ないのだ、という批判)
とかの要因も考えられますが、

しかし、日本の感染者死亡割合が高い一番の原因は、

残念ながら日本の医療体制が有機的に連携できず、効率的な医療体制が構築されていなかったからだと考えています、
(誤解なきように、医療現場の方々はホントに不屈の精神で闘われています、ここで書いているのは政府の対応イメージの欠如により、対応が後手後手に回った事です)

政府の準備不足、効果的な施策の不足、スピード感の無い対応などで、

医療対応の効率が上がらず、日本本来の高度な医療体制のパフォーマンスが発揮しきれていない、のではないかという推論です、

予想よりもかなり少ない発症者数であったのにも拘わらず、

現場の戦力・装備が逼迫、結果的に日本の現状医療体制が脆弱であることを露呈した形です、

とても「日本モデル」などと持ち上げるような現実ではなかったのです、

繰り返すと、日本の感染拡大が止まったのは、

・国民の我慢強い自粛対応、3密回避
・医療現場最前線にいる方々の献身的な頑張り
・そして、不明のままの何らかの要因、もしくは単なるラッキー

ということかと思います、

◆現実の『日本モデル』は、老舗温泉旅館の増築建て増し方式

では、現実の『日本モデル』なるものがあるとしたら、どんなモデルでしょうか?

それは“老舗温泉旅館の増築建て増し方式”とでも云うべき場当たり的なものでした、

老舗温泉旅館の例え話、

昨今の温泉ブームで若者も海外からも多くのお客さんが来るようになった、嬉しい悲鳴、
(コロナ以前の話)

そこで新館を作り、別館を作り、露天風呂も作り、それでも客が来るのでアネックスも作る、

気が付いたら、全体の統一感はない、個々の設備能力のレベルが違う、つぎはぎだらけで館内は迷路のようになり、いったい誰がどこを管轄しているのか?指揮命令系統もぐちゃぐちゃになりました、

というのがこの数か月の『日本モデル』です、

もう少し具体的に書くと、

・当初の“クラスター潰し戦略”の認識の低さ
(ワタシはこの戦略を評価していますが、説明が無かった、もしくは下手だったので国民の理解が得られませんでした)

・クラスターが追えなくなってからのPCR検査数増加への無策
(4月上旬に安倍さんが1日@2万件まで増やすと発言するも増え始めたのはGW明け)

・アベノマスクの配布
(場当たり的施策の典型、コロナ対応の全体イメージが見えてなかったので、こういう枝葉末節から入ってしまう)

・保健所現場が崩壊しているのに支援が行き届かず、発症者を掬いきれなかった可能性がある
(目詰まりが起こっているのが分かっているのに、厚労省は掛け声をあげるだけで有効な支援策を実行できなかった)

・医療器具、装備の不足への対応の遅さ
(ほとんどが民間レベルの努力・誠意で賄われたような感じがしています、詳細未確認です、スイマセン)

・病床確保やコロナ治療対応病院設定などの、国全体での医療体制の全体像が示せなかった
(縦割り官僚、国と自治体、民間と自治体など、複雑な関係の中での調整に時間が掛かり過ぎた)

・なによりも、国のリーダーが明確なコロナ対応のコンセプトと、具体的な対応の指針を最後まで示せなかった、国民に勇気を与えるメッセージを発信できなかった

現状の『日本モデル』とはだいたいこんな感じかなと思います、

上記の『(現状の)日本モデル』を有機的に統合再編し、解決するには(コロナウイルス対策の)基本コンセプトが必要です、

それは、おそらく専門家有識者が作るのでしょう、

政府や官僚への忖度は要らないと思います、ズバッと斬り込んで、新しい『日本モデル』を作って欲しいと切望します、

これも何度も書いていますが、対策全般を統合的に指揮する『日本版CDC(疾病対策センター)』設立も有効だと思います、

◆次の新型ウイルスは5年~10年以内に来る!?

もう一つ、安倍さんは25日の会見で『100年に一度の危機を乗り越える 』と云うニュアンスの発言をされていました、
(いつも勇ましい言葉が飛び出しますな)

たしかにスペインかぜからはちょうど100年くらい、

でも、これからは100年に一度ではない、早ければ5年~10年以内に次の新型ウイルスが出現することを前提に、国の基盤を作り直さないといけないと考えます、

そして、未知のウイルスとの闘いは今までの様式・発想では乗り切れないような気がします、

根本的な発想の転換と、それに対応できる国の基盤作りが今後求められると考えます、

今、盛んに云われている“生活の新様式”、まさしく、これが必要な時代に入った訳です、

“世界経済活動が完全に回復するのに5年かかる”という記事もあります、

“7割経済のすすめ”という提案もあります、

経済の回復には“リーマンショック”の時よりも長い時間が必要、

その間、生活様式や経営体質を変えて対応していく必要があるという考え方です、

おそらく、その通りの苦しい時代が来ると思います、

まさしく、今までの常識、経済性、効率性が適用されなくなる、ニューノーマル(新常態)という発想が必要な時代です、

民主党政権と安倍政権の間に日本の様々な(実は非常時に大切だった)基礎体力が失われたようです、

国連から褒められたという『日本モデル』などという派手な看板に惑わされず、

本当に必要な社会資本の充実にも目を向けていく必要があります、

◆次の数か月は第2波への準備期間です

宣言解除後は第2波に備える期間であるのは間違いありません、
(コロナウイルスの事26で書いたように、今起こっている事象は第2波ではありません)

とくに、ピークが低かったのに崩壊の可能性もあった医療体制の建て直し、

発症している人を十分に拾いきれなかった検査体制の拡充、

ワクチンの開発スピードも大切です、国の支援強化は必須でしょう、
(やはり、実用化には最低でも1年半以上は掛かりそうです)
(地球規模で考えると、ワクチンの自国開発はとても重要な課題になって来ています)

宣言発布までほとんど考慮されなかった飲食業・個人経営店への補償支援策、

ほとんど壊滅的になっているライブ演劇などの芸術活動の復興策、

医療従事者の支援、非正規雇用者の今後、母子家庭などへの支援、学校教育のIT化、在宅勤務他の新しい働き方への挑戦などなど、

中期的に考えるとCDC(疾病対策センター)の設立など、政府の組織力の強化、とくに感染症対策のコンセプト作りと有機的な統括能力の保有は重要です、

他にも今は顕在化していない難しい問題がたくさんあると思います、

米国や中国という大国の組織に倣う、

台湾や韓国の優等生の良いところ取り入れる、

ドイツやNZLの国家のリーダーの思考を学習する、

これらを日本なりに取り入れて、日本流に丁寧に精密に構築していく、

それが出来て初めて、ホントの『日本モデル』と云える体制が出来るのではないかと考えます、

◆“ヒト”の生き方、活動の在り方自体も見直すのが良いかも

もっと長期的に、グローバルに、根源的に考えると、、、

21世紀に入って未知のウイルスとの遭遇の頻度が高まっています、
(コロナウイルスの事25参照)

これは医学の進歩により顕在化しやすくなってきた、(いままで風土病などのレベルで理解されていた状態が顕在化しやすくなってきた)という面もあります、

しかし、やはりグローバル化によりヒトの活動範囲が広がり、環境破壊が進み、新たなウイルスの遭遇確率が高まってきていると考えます、

ヒトの活動自体をどう制限していくかを考える必要があるかもしれません、

ロックダウンで、インドからヒマラヤがみえるようになった、

自粛開始1週間でクリーンな日本になったような気がします、

新型コロナウイルスの流行を機に、従来から言われている“持続可能な社会作り”のための指針をもう一度考え直してみるのも良さそうです、

ヒトの活動や暮らしぶりから変えていく、持続可能な社会を実現する、

地球を守るだけでなく、これからのウイルス対策にも有効なような気がします、



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1 コメント

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