テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事36~東京型・埼玉型に変異!?ヒトには交差免疫がある!?

2020年07月27日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事36~東京型・埼玉型に変異!?ヒトには交差免疫がある!?

感染拡大は収まりそうにありません、

政府の方針としては、これくらいの感染拡大ならこのままじっと我慢しながら経済活動を維持したい、というところですね、

これは東京都も大阪府も同じ、

失業率が上がると自殺死が増える、という確固たるデータもあるそうです、

コロナでの死者と経済逼迫での死者、

ヒトの命を天秤に掛ける訳にはいかないので、ホントに難しい問題です、

市民は、「自分の身は自分で守る」精神で3密を回避するしかないようです、

うむ、、、なんか釈然としませんが、これしかないのか、、、

夜の接客を伴う店へのピンポイント施策にも前向きではないようだしね、

◆すでに東京型・埼玉型がある!?

さて、先々週に気になったワードが東京型・埼玉型!
(時間が経ってしまいました、恐縮)

東京の感染者が2日連続で記録更新した7月17日に、東京大学先端科学技術研究センターの児玉氏からコロナウイルスは『ゲノム配列の報告を見ると、東京型・埼玉型になってきている』との発言がありました、

記事はこちらから ⇒

コロナウイルスは他のウイルス同様(インフルエンザウイルスの様に)頻繁に変異を繰り返すことは間違いないです、一説では細かく分類するとすでに5000程のタイプがあるとの話もあります、

したがって、東京型が発生しても不思議ではないのです、

他に“エピセンター”という言葉も出てきました、

エピセンターについては、こちらで確認してください ⇒

◆これまでのCOVID-19は大きく3タイプ

これまでのコロナの型は大きく3つありました、

呼び方はいろいろありますが、ここでは3月頃に書かれていた分かりやすい分類に従います、
(コロナウイルスの事⑮4月19日参照)

A型=COVID-19のプロトタイプ、コウモリ宿主の中国雲南省起源
B型=中国武漢で感染爆発を起こしたタイプ、LAへはこのタイプが渡った
C型=武漢から欧州に渡り変異、西洋人に対しての激しい感染力を持っている、NYへもこれが渡った

日本へはまず2月に武漢からB型が、3月に欧州からC型が上陸、感染拡大したと云われています、

そして、7月に入って感染拡大しているのは、新しい型=東京型・埼玉型ではないか?というのが児玉さんの示唆であります、

でも、いろいろ調べても東京型・埼玉型(この2つは違うらしいです)については詳しいことはまだよく分からない、

東京型はどんな特徴があるのか?埼玉型はどんな変異をしたのか?、、、とても知りたい!!けど、、、分からない、

ので、ここを追いかけるのは先延ばしにします、情報が入ればまた書きます、

◆7月の流行は第2波なのか?

今の流行が第何波なのか?

その呼び方自体は重要ではないのですが、ある側面では意味を持つので少し書きます、

私感としては、6~7月の流行は第1波の余波である、と考えています、第2波ではないと考えています、

理由は以下の3つ、

1つ目の理由は、春の第1波は完全に終息していなかった、感染者数を観る限り少数ながら燻っていた、と考えているからです、

2つ目の理由は、過去の例(スペイン風邪)でいうと、第2波というのは半年以上経ってから大きな再流行が起こる事を指す、と定義したほうが分かりやすい、秋に再流行が起こった場合に第2波と呼ぶのが良いと考えていました、

3つ目の理由は、ウイルスが変異を起こしていないなら同じ波と考えるべき、秋に再流行した時には変異している可能性が高いと考えていたからです、

この3つ目の理由が崩れているかもしれない、というのが児玉氏の指摘です、

もし、本当に東京型が現在猛威を振るっているとしたら、、、

これは第2波と呼んでも良いかもしれないと考えるようになりました、

スペイン風邪が流行した100年前と比べると、ヒトの活動スピードが飛躍的に高まっている21世紀、

COVID-19の変異スピードが予想より早くてもなんの不思議もありません、

◆7月の流行の特徴、若い年代、無症状、夜の接待、分かりやすい、でも、、、

この7月の流行の特徴、「若い年代が中心」、「無症状者が多い」、「夜の接待を伴う店での感染」、

この3つはなんとなく一貫性があって分かりやすいのですね、ね、

『若い人が夜の街で感染⇒でも重症化しにくい・無症状の人も多い⇒感染拡大』

ウン、一貫性はあるし、分かりやすいですね、

でも、実はそれだけではないような気がしています、、、なにかある、、、

不思議の1つは、、、

感染ルート不明者率が多い割に(東京都で57.8%:7月26日移動平均)は、年代間の感染が拡がっていないようにみえる、ということです、
(直近では家庭内感染とかはたしかに拡がって来ていますが)

ここからは独酌酔言的な妄想です、

◆やはりある!やはりあった!!東アジアで流行ピークが低い理由

交差免疫、また新しい単語の登場です、

6月から登場していたようですが、ワタシは最近になって認識しました、

このBlogを書くことにした発端の1つ=なぜ東アジアでの流行ピークは低いのか?

これに対する、1つの明確なエビデンス付きの説明です、

なんども繰り返し書いてきましたが、またまた再掲、

日本での感染ピークが低い理由(候補)、

日本の特殊事情(最新追加まとめ)
① 初期の“クラスター潰し”戦略が功を奏した(初期の押さえ込みに貢献)
② 日本の高い衛生習慣(手洗い・マスク着用などの習慣)
③ 日本の距離のある社会習慣(握手・ハグはほとんどしない+靴を脱いで家に上る)
※36で追記 ⇒ トイレが清潔
④ BCG接種のラッキーパンチ(未だエビデンスなし)
※23で追記 ⇒ 山中教授も未だ注目
⑤ 外出自粛3密回避・都市間移動制限などの効果(絶対的効果も、実情は心もとない)
※23で追記 ⇒ 自粛なのに日本人はよく頑張りました、一部解除以降は緩んでいますが
⑥アジア人はコロナウイルス(SARS-Cov-2)に対するなんらかの免疫があるかもしれない

今読んでも、それぞれが何らかの関与をしているように思えます^^)

で、最近になって研究が進んだのが⑥です、

◆やはり東アジアの人にはコロナの記憶があった

ここで出てくるのが“交差免疫”、詳しくはこちら ⇒

さて、ちょっと難しいので、上手に簡単に書けるかどうか、ガンバって書きます、

交差免疫とは:
過去のコロナウイルスの仲間に罹った記憶を持っている細胞が体内にあり、今回のコロナウイルス(SARS-Cov-2)に対して抗体反応を起こすことによって感染を防いでいる

という理屈です、

米国で研究結果が発表されており、エビデンスもあります(論文読めてないですが)、

もうちょっと噛み砕くと、、、(砕けているのか?^^)

・コロナウイルスの仲間に風邪の原因となるウイルスが4つあるそうです!(知らなかった)
・そのうちの3つに対する交差反応がヒトで確認されました、つまり“コロナファミリー全体”を塊としてヒトの細胞が記憶している可能性が高い、ということらしいです
・4つの風邪コロナウイルスに繰り返し感染してきたことで、その記憶を持つ細胞=「広域交叉反応性メモリーT細胞」を獲得した可能性が高い
・この「広域交叉反応性メモリーT細胞」は世界中の人にあると考えられていますが、地域・国によって過去に流行したコロナウイルスの種類・程度が違うと考えられ、獲得している「広域交叉反応性メモリーT細胞」の性能も違う!
・この「広域交叉反応性メモリーT細胞」の性能が東アジア人は高いのではないか!!
(ここはまだ研究途中)

つまりですね、

コロナウイルスの仲間(ファミリー)は昔からヒトの傍にいて、ヒトに感染して風邪とかを引き起こしていました、

ヒトの細胞の中にはその記憶があり、コロナウイルスをファミリーとしてとらえて、今回のCOVID-19の侵入に対しても、ある程度抵抗する「広域交叉反応性メモリーT細胞」が存在する(可能性がある)、

さらに、他地域に比べて、東アジアでは昔からコロナファミリーとの付き合いが濃厚なので、「広域交叉反応性メモリーT細胞」の性能も高いかも、、、ということです、

とても魅力的で嬉しい研究結果です、

より、詳細の分析研究に期待します、

◆東京型・埼玉型と「広域交叉反応性メモリーT細胞」

で、ここからが今回の独酌酔言的妄想の核心です、

・コロナウイルスは変異しているかもしれない(東京型・埼玉型)
・東京型・埼玉型の特徴は未だ確認できず
・7月の流行は若者中心、夜の街から、無症状者も多い、分かりやすい状況
・でも、感染ルート不明者が多い(=市中感染が広がっている)のに、年代的広がりが思ったより遅い
・ヒトには(とくに東アジア人には)「広域交叉反応性メモリーT細胞」がある可能性が高い

この状況から出てくる妄想は、、、

◆(独酌酔言的妄想)東京型・埼玉型は若者に感染しやすく変異したのかもしれない

風邪などの過去のコロナファミリー罹患経験が糧になる「広域交叉反応性メモリーT細胞」、

この「広域交叉反応性メモリーT細胞」の性能は経験豊富な60歳代以上では凄く良いのではないか?

もちろん、発症してしまえば重症化しやすい高齢者です、

でも、感染の水際での防御力はある程度持っているのではないか?
(もちろん濃厚接触すれば感染します)

コロナファミリーとの付き合いが浅い、若者の方が感染しやすいのではないか?

COVID-19もそのことを知っていて、「広域交叉反応性メモリーT細胞」の性能がまだ低い若者にターゲットを絞って変異したのではないか?

C型(欧州型)もそれまでの東洋人ではなく、新しく出会った西洋人に感染しやすいように変異した、という説があります、

東京型・埼玉型も若者にターゲットを絞っても不思議ではありません、

ま、これはあくまでも現状での妄想ですが、、、

◆ピークは低く、若者中心の流行かもしれない、、、さて、どう対応するか・

ここで冒頭の課題に戻ります、

感染拡大防止と経済活動維持、この二律背反する課題をどう捉えてどんな戦略で臨むか?

とても難しい問題で、簡単に答えは出せませんが、

もし「広域交叉反応性メモリーT細胞」が強く機能していれば、流行ピークはやはり低いかもしれません、

経済停滞のマイナス効果と、コロナ感染拡大のマイナス効果をどう捉えて、どんな戦略を選択して、どんな政策を実行するのか?

やはり、政治の微妙で絶妙な舵取りがとても重要です、

そして、経済停滞と感染拡大のマイナス効果よりももっと重要なのは、

最も避けなければならない医療現場の崩壊、これが起きると救える命が救えなくなります、

医療体制の拡充と、(経営が難しくなっている)医療企業への支援救済、

この政策は矛盾なく正しい事なので、明晰な政策が打てるはずです、

まずはここからかな、安倍さんの仕事は、、、


なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事35~間違いなく感染拡大真最中です、今こそ政府の舵取りの巧みさが問われる時期です。

2020年07月22日 | コロナウイルス2020

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事35~間違いなく感染拡大真最中です、今こそ政府の舵取りの巧みさが問われる時期です。

◆今頃、ワクチン買付交渉開始!?

2020年7月20日、公明党が加藤厚生労働大臣に提言、日本のワクチン確保対策の遅れを指摘しました、

これを受けて加藤氏は「新たに作ったチームで交渉に当たっている」と返答、、、

って、今頃、なにをやっているのでしょうか?

政府の対応が遅い!!としか云いようがないです、、、

怒!!プンプン、、、一段落、深呼吸^^)

NHKニュース 7月21日 ⇒

◆6月14日の首相の発言

2020年6月14日のインターネット番組で安倍首相はこんな風に述べています、

「すごく早ければ、年末ぐらいには接種できるようになるかもしれない」と期待感を示した。首相はワクチンの国内製造を視野にモデルナに加え、英アストラゼネカと交渉していることも明らかにした・・・

首相は2社が手がけるワクチンについて「完成した暁にはしっかりと日本も確保できるよう交渉している」とし、「日本でも製造することになると思う」と語った。
(6月15日毎日新聞記事)

抜粋なので意図的語弊があるかも、、、記事全文はこちらでお読みください ⇒

この時もこの「独酌酔言」で書きましたが、この首相の発言は虚言、嘘に近い発言で、直後に厚労省も“年内接種”を打ち消しています、

なぜ、こんな発言をしたのか?ワクチン争奪周辺の状況は?

こちら、「コロナの事 号外32の前に」(6月18日付)を読んでください、⇒

1か月前にすでに首相が(虚言とはいえ)ここまで言及しているのに、

7月20日になって“新たに作ったチームで対応”って、、、遅すぎます、

というか、首相はバルーンを上げただけで、実務的には何も進んでいなかったのか?

コロナウイルスのワクチンは今や世界最大のビジネスの一つです、

各国が熾烈な開発競争を繰り広げ、鵜の目鷹の目でその利権を狙っています、

そんなビジネス市場にまだ本格参入していないのか?日本は?

◆感染拡大防止と経済再興とは二律背反

感染拡大防止と経済再興とは相容れないものです、
(そのことは今の感染状況が証明しているので、詳しく書きません)

しかし、一度やってみて分かった、経済封鎖(日本の場合は自粛要請)の影響の大きさ、

経済は壊滅的な被害を受け、その補償に多大な税金を突っ込まざるを得なくなった、

これ以上、経済を疲弊させたくない、これ以上税金を投入したくない、というのが今の政府の基本方針です、

この方針は、ある意味正解であり真実であります、

いつまでも自粛している訳にはいかない、

かといって、感染拡大は効率的に制御しなければならない、

これが今の現状、これを上手く乗り越えられるかどうか?は、まさに今、政府の舵取りにかかっているのです、

◆政治的問題はなるべく避けてきましたが

このBlogはコロナ発生以降、ワタシ個人の疫学的興味、統計学的興味で記事を書いてきました、

なるべく政治学的問題とは距離を置きたい、との考えで書き進めてきたのですが、、、

残念ながら、現状のコロナ対応は“政治の問題”の真っただ中です、

つまり、二律背反、矛盾する2つの事象=経済再興と感染拡大防止をどのような形で推し進めていくのか?

これは学者さんの仕事ではなく、学者さんの意見を踏まえた上での政治家の仕事、という段階に入ってきました、

したがって、ここは政治への不満も書かざるを得ない気持ちになっています、

◆スピード感がない、イマジネーションが貧困、センスが感じられない日本の政策

冒頭に書いたワクチン市場への国の対応、

まさしく、スピード感がありません(国際競争に乗り遅れ)、

ワクチンの話題が出た段階で、国内での開発推進、海外との共同開発、ワクチンの買い付け戦略など、イマジネーションのある政治家ならば、ざっといくつかの課題をみつけて、その対応を実務方に指示するのが政治家の仕事、

それが出来ない日本の政府、後追い、場当たり的対応、戦略性の無さ、一貫性の無さ、

検査体制、医療体制、保険所体制、オリンピック対応、休業補償対応、専門家委員会のあり方、医療機関への支援、GOTOキャンペーン、

全部、後手後手な感じ、そしてワクチン入手も後手に回っている感じです、

各国のワクチン争奪戦の状況はこちら ⇒

◆経済を優先しても経済は再興しない!?スウェーデンの例

経済を取るか?感染拡大防止を取るか?

日本をはじめ、世界各国はある程度の被害を前提に“経済優先”に舵を切っています、

しかし、米国では感染拡大が続き、再び自粛方向に向かうかどうかで世論が2分、大統領選挙も絡んで、完全な政治対立の道具と化しています、

コロナをちょっとした風邪と公言しているブラジルの大統領は自ら感染しながらも、引き続き規制緩和の方向へ、

フランスも規制緩和と再規制の間で揺れ動いています、

でも、経済を優先しても結局経済は再興しない!?という例があります、

スウェーデンです、

スウェーデンは感染発生当初からほとんど感染拡大防止策を実施せず、集団免疫を目指すという独自路線を歩んで来ました、

もちろん、経済を停滞させないためです、

で、今、どうなっているかというと、、、

経済は停滞し(2020年GDP▲4.5%予想)、5500人以上の死者を出し、結局『なにも得られなかった』という状態に、

スウェーデンの現状について、詳しくはこちら(7月14日付Yahoo!ニュース) ⇒

米国もブラジルも、経済活動を無理やり維持することで得られるものがなにか?

それはまだ誰にも分からない、、、

◆難しいバランスをどう取るのか?今はきわめて政治の役割が重要です

比較的厳しく対応してきたドイツや、酷い流行を経験した英国は一定の方向性を見つけているように感じます、ロックダウンと緩和を繰り返しながら進む感じ、

強いリーダーシップを発揮し早期に流行が終息した台湾やニュージーランドは今後どうなるのか?注目継続です、

各国のやり方で、微妙な舵取りで、経済とコロナのバランスを取りながら進まざるを得ない現状、

こんな時だからこそ、日本の政治家も頑張ってほしい、

縦割りの対応には限界があると思うので、強く正しいリーダーシップを発揮してほしいです、

これからも、GOTOイートとかGOTOイベントとか云うキャンペーンが控えているそうです、、、あちゃ!

スピード、イマジネーション、センス、これがキーワードです、ガンバってください!!

◆今、気になる疫学的問題と次回へのテーマ

政治の問題より、、、今、気になっているのは、、、

・本当に東京埼玉タイプというウイルス変異が起こっているのか?
 変異したとしたら、どういう方向に変異したのか?

・なぜ、若者の感染が多いのか?(夜の街以外の理由があるのでは?)
 なぜ、無症状者・軽症状者が春より多いのか?なにか起こっているのか?

・そして、ずっと課題の、東アジアでの感染ピークは本当に低いのか?
 ならば、経済優先策も有り得るのか?

こういうテーマが本当に興味のあるところです、

次回はこの辺りについて書ければ良いと考えています^^)


なるべく分かりやすく、コロナウイルスの事34~東京都で2日連続200人超の感染者!!これをどう観たらよいのか?

2020年07月11日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく、コロナウイルスの事34~東京都で2日連続200人超の感染者!!これをどう観たらよいのか?

◆第1波がぶり返しています

2020年7月9日(木)の東京都の1日の感染者は224人、過去最高の1日当たり感染者数となりました、

続く10日(金)も243人と初の2日連続200人超え、

全国の9日の感染者は355人、10日は430人(いずれもNHK報道)とこちらも続伸、

これはちょっとショックな数字ですよね、

1カ月ほど前は、そろそろ第1波は終息するのではないかと期待していただけに、ここに来ての過去最高数更新はたしかにインパクトがあります、

ワタシも正直、ここまでの数字がこの時期に出るとは予想していませんでした、手強いな、COVID-19、

◆再び全国に感染が広がる予兆

とくに全国の10日の数字は危険です、地方での感染者が増えました、

首都圏中心から再び地方へ感染が広がっているように感じます、

行き来が自由なだけに感染はあっという間に広がるかもしれません、

◆東京都の状況

もう少し詳しく東京都の状況を書くと、

9日、224人のうち、20代の109人、30代60人(この2つの年代で全体の75%)、
これは10日もほぼ同じ傾向(77%=186人/243人中)、

感染経路不明者=9日、224人のうち104人、
10日、243人のうち101人、これも同じような傾向、高留まり傾向

これは少し危ない、クラスター周辺を追っているはずなのに、感染経路不明者が多い=市中感染?

9日224人のうち74人はホストクラブ・キャバクラ店・ガールズバーなど接待を伴う飲食店の従業員や客(このうち新宿エリア52人、池袋エリアが4人)、
10日の夜接待関係は110人、

夜の接待クラスターは確実に多発している、

夜の接待をするお店を中心に感染が広がっているようですが、

その他にも、家庭内の感染20人、友人との飲み会を通じての感染が14人、そして保育園でも同じ保育園の園児5人(いずれも9日)が感染しています、

ある程度の市中感染が広がり始めている状態と考えます、

◆小池さんも云っちゃったよ『検査数を増やしたので、感染者も増えたという面もある』

ま、云い訳が欲しかったのでしょう、

小池さんも『検査数を増やしたので、感染者も増えたという面もある』、と会見冒頭?で云っちゃいました、

うむ~、ま、何度も書いていますが、“検査数を増やすと感染者数も増える”というのは間違いです、

ま、どうしても「検査が少ないから日本の感染者は少ない」と思い込みたい方がいらっしゃるので、

百歩譲って書くと、

『検査数を増やしたので、感染者も増えた』という表現は“正確ではありません”

感染者が増えているから、濃厚接触者や周辺を検査する、結果、感染者が多く見つかっている、というのが実態です、

でも、都知事がこう云うと、やはりそうなんだ!と思う人が多いでしょうね、、、残念、、、

◆市中感染が広がりつつあるという認識で良いと思います

9日10日の数字は『検査数を増やしたから感染者が増えた』というだけでは説明できない感染拡大です、

家庭内感染も確認、職場の同僚との呑み会、保育園でもクラスターが発生しています、

夜の接待をコアに感染者が増え始め、そして、それが市中感染でジワジワと拡がっている、

というのが実態かと考えます、

また、10日は首都圏以外の感染者数が増え始めた、この方が危ない、、、

移動の自由がある現在、このままの状態を続ければ、さらに感染者が増え続けるという可能性が高い、

◆しかし、経済再興へ向かうしかないという国策

しかし、現在の国や自治体の基本路線は“二律背反する経済再興と感染防止をなんとか見合いながら凌ぎ切りたい”、これは世界のトレンドでもあります、

「GO TO キャンペーン」(旅行促進施策、宿泊費の割引など)も7月23日から予定通り実施するとか、、、いやはや、、、これはちょっと違和感あるけど、、、

一度、やってみて分かった緊急事態宣言の絶大な経済的マイナス効果、

国も自治体もすでに財政的には限界、自粛要請を出すのはなるべく避けたい、というのが本音でしょう、

でも、市中感染は防ぎたい、感染爆発は起こしてはならない、

たしかに3月4月頃と違い、ある程度医療体制、検査体制は整っているので今はまだパニックにならずに済みますが、今後は分からない、、、

感染爆発が起こるのか?

それとも、、、やはり東アジアでの感染ピークはなぜか?(理由は分からないけども)低く押さえられるのか?

◆全国の検査数と陽性率(厚労省日報)

PCR検査による陽性率は、ある程度感染拡大の様子を反映すると考えています、

この1カ月の全国の陽性率(陽性者数/検査総数)を観ると、

各日までの1週間の陽性率(厚労省日報より)

6月
7日 1.2% 23747件
14日 1.2% 24575件
21日 0.5% 73911件
28日 1.3% 39103件
7月
5日 2.6% 43392件

そして、直近今週の6日(月)~9日(木)の4日間も2.6% 32382件

これでも分かるように、7月に入って陽性率が上昇しています、

検査結果の中身が濃くなっている訳です、つまり濃厚接触者周辺で感染者がたくさん存在しているのです、

そして、かたや感染経路不明者も高留まり、、、

これは、再び市中感染が起こっていることを示唆しています、

単純に『検査数を増やしたから感染者も増えて』いる訳ではなく、中身が濃くなっている、

さらに感染経路不明=市中感染も拡大している、というふうに観るのが正確な見方と考えます、

でも、この陽性率はまだ低いです、

十分な数の検査を行ってこの陽性率なら、まだ感染爆発とは云えない、というのも正しい、

ちなみに4月上旬~中旬の陽性率は10%を超えていました、検査数が少なかったせいもあります、

が、4月よりはまだ今の方がマシな状況、とも観ることができます、

ただ、局地的には20%超えの陽性率が出たクラスターもあるようです(7月千葉)、

こうなると、さらに周辺に対象を広げて徹底した検査を行う必要が出てきます、

◆東京都の陽性率

東京都のPC検査数と陽性率、発表数字は毎日の7日間の平均移動値で発表されています、まあ、ざっくり云うと直近7日間の平均値です、

これを観てみると、、、(東京都コロナウイルス対策サイトより抜粋)

 東京都    陽性率   検査人数
7月  9日 5.8% 2445.6人
7月  1日 3.9% 1973.0人
6月20日 2.1% 1666.3人
6月10日 1.6% 1594.9人
5月31日 1.8%  925.9人
5月20日 0.8% 1058.4人

説明不要ですよね、6月末から明らかに陽性率が上昇、それも指数関数的に増えています

たしかに検査数も増えていますが、陽性率の増加が感染者数の増加をより説明しています、

検査数が増えたから感染者が増えたのではなく、検査結果濃度が濃くなっているのです、たくさんの感染者がそこにいた訳です、

経済再興と感染拡大防止、二律背反状況のまま、どこまで進むことが出来るのか?

明日以降、感染者数の伸びがどれくらいになるのか?引き続き要観察です、とても気になります、

感染者数が比較的低い(これも情けないけど)月曜日、どうなるか?

◆それでも、7月10日からイベント開催条件の緩和、GO TO キャンペーンも強行

昨日、7月10日(金)からイベント収容人数が5000人まで拡大、

10日には久しぶりに有観客で試合が行われました、これはこれで嬉しいし、感染リスクは比較的低いと考えます、

旅行促進のための「GO TO キャンペーン」も7月23日から予定通りに実施、

これは少し違和感がありますが、やはり対応がしっかりしていれば感染リスクは少ないかも、

それよりは都市部でのリモートワークの再度の推進夜の接待営業店での対策強化(場合により自粛・補助支援再開)などの、濃度の高いポイントでの対応の方が急ぐような気がしています、

大きな打撃を受けたスポーツ、エンタメ、飲食、旅行、その他の業界は、それぞれが知恵を絞ってこの難局を乗り切ろうとしています、

少しいろんな事が上向いたり、先がちょっと見えてきた段階、そこで(この段階で)再度の緊急事態宣言を出すには、相当の覚悟がいるでしょう、

かといって、感染爆発が起こってからでは遅きに失する、

大変難しい舵取りです、

政府の専門家会議も解散したり?リニューアル?したりとやや迷走中、

政治的判断で過ちを起こさないように、専門家の意見を慎重に吟味すべき時期です、

政治家の技量と度量が試されます、

◆これからどうなっていくのか?

現状では、政府も自治体も“個人レベルの3密回避努力、移動などの行動自粛に頼っている”というのが実情です、

たしかに、ここはずっと覚悟を持って実行しなければいけない、ワクチンが出来るまでは(ひょっとすると出来た後も)ウイズコロナの時代です、

しかし、この時間を稼いでいる間に政府が出来ることはたくさんあると思います、

先に書いた、濃度の高いエリア、ポイントでの施策、これは必要になるかもしれません、

●必要ならピンポイントでの再度の規制発令
 状況により、クラスター発生源となりやすい業種のみへの規制発令も必要

そして、秋の第2波襲来(こちらの方が大きい可能性が高い)に備えて準備をする時間でもあります、

現状はあくまで第1波のぶり返し、という立場です、

第2波への備えをあれこれまとめて、ざっと書くと、

クラスター対策の能力UP
これ基本、できなくなった時は感染爆発!
東京都がCDCを作るらしいですが、国としても現状の縦割り行政、専門家会議のあり方などをもっと改革してほしいです

検査体制の拡充
検査数の拡大、ニーズに素早く対応できる組織力、検査方法の開発、3月の轍を繰り返さない!

医療体制の拡充
病院数、ベッド数、医師数、看護師数、医療機器数、医療備品数など、まだまだ課題は多いはず、コロナ患者受け入れ医療施設、医療従事者への差別言動抑制のコミュニケーション施策も重要

空港などでの防疫体制強化
すでに少なくとも4か国と往来を開始しています、欧州スペインやイタリアでも入国制限を解除しています、
これからは空港での検疫がとても重要なのに、戦力はまだまだ脆弱なようです、今のうちに増強して欲しいです

重症化しやすい高齢者・持病のある方の庇護策

これもまだ弱い、病院や介護施設での感染対策の徹底を

体調不安時はすぐに医師保健所に連絡できる空気感

とにかく、不安な時は遠慮せずに医師保健所に相談できる風潮、PCR検査までスムーズに進めることが出来る安心感の醸成、そんな空気感が必要です、

ずっと続くかもしれない新生活様式、個人が出来ること、

新生活様式の励行
あと数年は続くと覚悟して、手洗い、マスク、3密回避は続けなければならない

クラスター発生濃厚エリアの回避
接待を伴うお店で楽しむのは慎重に、店側の努力対応にもばらつきがあります、接待を伴う店にはいかない!我慢我慢!行くなら対応が信用できるお店へ行きましょう

正直、ある程度慣れてきた、という面もあります、

そんなに長く自粛生活も出来ない、

仕事もある、学校へも行きたい、

収入が無いと生活できない、収入を得たい、

現代の生活様式はコロナ対策とは相容れないものです、

でも、ウイズコロナの時代は続くかもしれない、、、

そういう意味では、これも考えていかなければなりません、

ウイズコロナ時代の新しい生活様式の開発

科学者も社会学者も知識人も、今一所懸命に考えておられる、

そして、一人ひとりが考えることが出来る課題、でもあります、