blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

落日

2021-03-26 11:41:35 | 日記
金曜日の昼である。
元気ならば、木曜夜からの勤務が終わって自宅に戻り、ちょうど今ごろは束の間の休み時間を味わう時間になっている。
残念ながら一週間ほど前に体調を崩してしまい、店舗のオーナーと話をして、とにかくしばらく休めという指示をもらい自宅で休む日が続いている。
オーナーとしては最大限の厚意を示してくれたものと感謝し、何とか4月のアタマをめどに復帰できないか、深夜の週5が無理ならどのような形にしようか、などと考えていた。

しかし、そんな考えも雲散霧消する事態が起きた。
オーナーとの話し合い以降、まったく音沙汰のなかった二代目君の方から連絡があった。
連絡というのは正確ではなく、意思表示とでも言えばいいのか。
こともあろうに、店舗のメンバーで構成されていたグループLINEから私を黙って削除するという行動に出たのだ。
彼からの最初の連絡内容によって「戻る価値があるか」見定めようと思っていたが、無言でこんな仕打ちを受けてはもはや見定める価値すらないということが分かった。

自分の事に関しては、人が足らない中、体調が原因とはいえ長い休みに入った時点でほぼほぼ縁は切れていたと思うので、今後はこのことをバネにしてまた前進するしかない。
ただ、二代目君の動きが少し変で、お店に絡む別のグループLINE、私とは関係なさそうな必ずしも抜ける必要はないと思われるグループからも軒並み抜けているのだ。

CVSの経営に相当な苦労が伴うことは、その収益構造を少し勉強すれば、単に売り上げが少しばかり大きいくらいでは安心できない要素があることは分かる。
金銭的な面もさることながら、人員の定着が課題であるが、客単価の低い業種の客層が良かろうはずはなく、私がずっとやってきた深夜帯は残念ながらゴロツキ同然か異常にクセのある人間がほとんどだったし、全国的に見ても深夜帯は極端に定着が悪いのは決して偶然ではない。
経営としては、私のような離脱者が出れば当然店長クラスを中心に穴埋めをするよりない。
私自身、店長クラスに対しては、こうなった今も申し訳ない気持ちはある。
私が入った当初、慣れるまで常に私に付いてくれていた某店長は、その時期ですら3週間休んでいないと言っていた。
最近では、勤務中にクラクラすると訴え、ベテランのスタッフが早く帰ってもらうように促したほどである。

オーナーと私の話し合いの中身を知ってか知らずか、何の探りもなく黙ってひとりの人間を排除するような行動に二代目君が出たのはなぜか。
しばらく休んでほしい、連絡を待っているよ、と言ってくれたオーナーの気持ちに彼が納得せず、わずか一週間で結論を出してきたとすれば、オーナーと彼の間のコミュニケーションがうまくいっていないか、彼自身が今の仕事に嫌気が差しているとしか思えない。
将来的には名実ともに社長(オーナー)となってもらうべく地元に呼び寄せた現オーナーの意をくみ、将来のオーナーに向けた努力をしてきたはいいものの、儲からない休めない人は離れるの三重苦、また経営者団体での活動にも多く時間を取られる中でストレスを溜め込み、彼自身がオーバーフローしてしまったように見えなくもない。
「店を回す」ことだけに気を取られ、スタッフの健康には気が回らないのだからそう言われても仕方がないだろう。

オーナーと二代目君の名誉のため書き加えておくと、仕事を離れれば両人とも明るく元気のいい好人物で、決して他人から恨みを買うような人格とは思えない。
経緯を知らないので何とも言えないが、もともと家業で堅実に店舗(業種は伏せる)を運営していたところから、なぜCVSのフランチャイジーなどというイバラの道に突っ込んでいったのか。
いみじくも、オーナー家族のひとりが「CVSを始めた当初は、何でこんなに怒られるんだろう、と思った」と言っていた。
当たり前だ。
専門性を生かして、お客も一目置いてくれる商売をずっとやってきたのに、専門性もなくわざわざ客層の悪い業態の店舗を経営することを選べばそうなることは自明であったはずだ。
イバラの道をあえて選び、現実の厳しさに本来の明るさを失ったようなオーナー家族を見ていると、立ち止まるべきは今、という思いを強くする。
風船は、割れるまで膨らませるのではなく、割れる前に止めなくてはならない。

私としても大変残念なことにはなったが、少しでも世話になった環境が、これから「芋づる式」に崩壊していかないことを願うのみである。

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