blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

業界の仕組みを知れば

2021-03-28 19:01:38 | 日記
しばらく現場から離れている私が言うのも何だが、CVSの店員には高校生など「かなり若い」層も多い。
直前までいた店舗には高校生はいなかったが、大学生はひとりいて、その彼も世の中の緩和に伴って県外の学校に帰っていった。
年にすれば二回り以上も下の層は、やはり私のようなスレたオッサンと違って純粋だ。
シフトで「すれ違う」だけの彼らから、短い間に何か変化があったか読み取れる能力はとても私にはないが、恐らくは我が国で最も客層が悪い業態であるCVSで働いていると、ややもするとその純粋さが傷つけられる場面もあることは想像に難くない。
悪質なお客は誰にとっても悪質であって、マナー違反や威圧、恫喝のような行為に、年を取ったところで抑制が利くようになるかと言えばそれは違うし、若い彼らにしてみればショックを感じる場面も多いだろう。

さて、今日はかなり久しぶりに外に出て買い物などをこなした。
完調ではなくても少しは外に出て、すぐに疲れてしまわないかなど回復に当たっては自分なりにチェックする必要がある。
調子が底にある時は、ものの一時間で自宅に帰りたくなってくるが、今日はそれよりはやや長く外にいられたので少しずつでも良くなってきているのだと思う。

なまじ時間があるのをいいことに、CVSに籍がある者としてその仕組みをよく勉強していなかったので、この機会に調べることにした。
もちろん直接的には、人柄的には快活で前向きで明るい人たちばかりのオーナー家族が、こと仕事に関してなぜ、例えばまだ若葉マークが取れたばかりの私に急いで店舗やシフト管理を任せようという発想になったのかなど、一定の思考力があればいくら何でもそれは無理筋だと思えることを平気で考えてきたことに対しての疑問がある。
しかし、オーナーレベルのその先、なぜオーナーサイドが経験の浅いスタッフにまで寄りかからなければいけなくなるのか、この疑問から出発していくと、語るにも恐ろしいシステムが隠されていることが分かってきた。

本欄でそれを詳しく言うことは避けたい。
「コンビニ会計」あたりの言葉で検索すれば、私がアレコレ書くより正確で説得力もある記事が読める。
あえて簡単に言うなら、CVSチェーンは本部が儲かればそれでよく、オーナーのリスクは一切負わない、という冷酷な事実である。
大いなる希望を持って参入したオーナーは、世の会計原則すら当てはまらない収益構造に愕然とし、しかし一定年数は辞められないし、辞める費用も高額だ。
田舎では少ないが、儲かっている調子のいいオーナー店舗があったら、直営の強力なライバル店を近隣に出現(ドミナント出店というらしい)させてオーナーの利益を抑制しようとまでしてくるのがCVSチェーンのやり口なのだ。

これでは、血のにじむような努力をオーナー側がしたところで、思ったほどはお金が残らない状況は変わらない。
お金がないから、私のように週に50時間以上の拘束時間でやってきたスタッフにも社会保険がかけられない。
噂レベルの話にはなるが、店頭にある募金箱のお金のうち、募金として計上するのは10円貨以下にして50円貨以上は店の勘定に入れている店舗があるとも聞いた。
もちろん、事実なら分かりやすい横領であり詐欺であるが、それほどCVSは「儲からない」と考えると、オーナー側もある意味では被害者であると言えないか。

システム的にどう見ても狂っているとしか言い様のない所に両足ずっぽり突っ込んで身動きが取れない状況が続けば、どんな聖人君子でも人間性すら崩壊してしまうのではないか。
一を聞いて十言い返す人間には多く会ってきたが、今のオーナーサイドからは残念ながら一を聞く前に十返されるという経験をしたのがその証だ。
私が最近体験した、オーナーサイドからのいわゆる「過大な要求」も、元をたどれば業界の構造や体質に行き着くということではないか。

何度でも書く。
風船は割れるまで膨らませてはダメで、割れる前に止めなければいけない。
人生の中で縁のあった人々が日に日に壊れていくのを見るのはあまりに忍びないのである。

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