私が所属する部署は10人に満たない小さなチームである。
その小さな中で、最近若い某君が別部署に回ったため、人員が一名減となった。
それからというもの仕事の回りがやや遅くなり、一日中動き詰めという日も出てきた。
酷暑のさなか、ケアはしているつもりでも、ひとりひとりにかかる重みが変わって、ベテランぞろいのメンバーで果たしてどうなるか少し心配な感じがしている。
さてその某君だが、やや変わったところがあって、我が職場のストレス要因になっていた。
ある意味病的と表現してもいいように思うが、他人の指導や注意をマトモに受け止めることはなく、代わりにわざと相手を陥れるようなことをコソコソとやって反抗の意思を示してくるタイプであった。
被害はほぼすべてのメンバーが受けていて、私に関しては私物の保管場所を勝手に変えられていた時にはさすがに怒鳴りつけた記憶がある。
某君は複数の事柄を同時進行させることが苦手だったため、わが部署では精彩を欠いていた。
私が当地に来た当初は、毎日毎日それはひどい言われようで、休まずに会社に出てきていることが立派に思えるほどであった。
しかし単純なことはしっかりとできるし、私の担当にも積極的とは言い難いながら手伝いには来てくれてずいぶん助かっていたのも確かである。
振る舞いに難はあったが、いくばくかの戦力には間違いなくなっていた。
彼が出て行ってから、これまでただただ彼を使い倒してラクをしていた某氏が急に忙しくなり、私の担当も以前よりは負担が増えたのだから間違いない。
我が部署でも時々彼の話題は出るが、どうも彼に関して「貴重な戦力であった」ことさえ認めたがらない向きもいて悲しい気持ちになる。
そう思うような人間は、彼が自信を付けていずれ自分を抜いていくくらいになってほしいという愛情などカケラもなく接していたということであろう。
自分の能力に自信が持てない人間は、「どう見ても自分よりダメなやつ」を最低一人は必要とするからである。
彼自身は今や私とすれ違ってもあいさつもしてくれないから人としてはどうかとは思うが、よほど我が部署での時間が苦しかったのかもしれない。
もし今の場所が少しでも我が部署より合うのなら、まだまだ未来のある若い彼のためにとっては間違いなくいい。
幼稚な行いに振り回されたことは多々あったし、プライベートで顔を見たいとは到底思えないとはいえ、職業人としていずれどこかで花が咲き自信を付けて毎日を送れるようになってほしいくらいのことは、一瞬でも一緒に仕事をした者として祈ってあげてもいいように思う。
その小さな中で、最近若い某君が別部署に回ったため、人員が一名減となった。
それからというもの仕事の回りがやや遅くなり、一日中動き詰めという日も出てきた。
酷暑のさなか、ケアはしているつもりでも、ひとりひとりにかかる重みが変わって、ベテランぞろいのメンバーで果たしてどうなるか少し心配な感じがしている。
さてその某君だが、やや変わったところがあって、我が職場のストレス要因になっていた。
ある意味病的と表現してもいいように思うが、他人の指導や注意をマトモに受け止めることはなく、代わりにわざと相手を陥れるようなことをコソコソとやって反抗の意思を示してくるタイプであった。
被害はほぼすべてのメンバーが受けていて、私に関しては私物の保管場所を勝手に変えられていた時にはさすがに怒鳴りつけた記憶がある。
某君は複数の事柄を同時進行させることが苦手だったため、わが部署では精彩を欠いていた。
私が当地に来た当初は、毎日毎日それはひどい言われようで、休まずに会社に出てきていることが立派に思えるほどであった。
しかし単純なことはしっかりとできるし、私の担当にも積極的とは言い難いながら手伝いには来てくれてずいぶん助かっていたのも確かである。
振る舞いに難はあったが、いくばくかの戦力には間違いなくなっていた。
彼が出て行ってから、これまでただただ彼を使い倒してラクをしていた某氏が急に忙しくなり、私の担当も以前よりは負担が増えたのだから間違いない。
我が部署でも時々彼の話題は出るが、どうも彼に関して「貴重な戦力であった」ことさえ認めたがらない向きもいて悲しい気持ちになる。
そう思うような人間は、彼が自信を付けていずれ自分を抜いていくくらいになってほしいという愛情などカケラもなく接していたということであろう。
自分の能力に自信が持てない人間は、「どう見ても自分よりダメなやつ」を最低一人は必要とするからである。
彼自身は今や私とすれ違ってもあいさつもしてくれないから人としてはどうかとは思うが、よほど我が部署での時間が苦しかったのかもしれない。
もし今の場所が少しでも我が部署より合うのなら、まだまだ未来のある若い彼のためにとっては間違いなくいい。
幼稚な行いに振り回されたことは多々あったし、プライベートで顔を見たいとは到底思えないとはいえ、職業人としていずれどこかで花が咲き自信を付けて毎日を送れるようになってほしいくらいのことは、一瞬でも一緒に仕事をした者として祈ってあげてもいいように思う。