in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2013.06.30 DISH vs 燭台(怪)“相反する、密接。-2MAN-『ショクディッシュ』” at 池袋手刀

2013-07-11 03:11:00 | ライブレポート


出演順は当日にじゃんけんで決定します、と告知されていた本イベント。スタート時間の18:00に両バンドのメンバーがステージに登場(きくらげさんは鏡を片手にメイクしながら)。

「男は一発勝負だろ」とシビィさん、じゃんけんの音頭をとる。DISH根本さん vs 燭台(怪)蜻蛉さんが対戦し…見事、蜻蛉さん勝利! と思いきや、シビィさんが「3回勝ったらね」と自らの発言をくつがえしました(!)。
というわけで、2回戦は根本さん vs ホーデンさんで根本さんwin。3回戦は根本さん vs Lyuichiさんでまたも根本さんwin。運命の3回戦は根本さん vs デスさんで…根本さんwin!! 蜻蛉さん、となりでガックリと肩を落とす(笑)。

「勝ったほうが先攻か後攻か選べるんだよ」とシビィさんに言われ(根本さんに後攻!と言わせて蜻蛉さんをさらに落ち込ませるためのドS発言だと思われる…)、悩む根本さん。そして…。

根本「…先攻で」
シビィ「えっ」
会場「やさしーい!」
シビィ「…根本の好感度がすげぇ上がって、蜻蛉がすごいかわいそうな人になって、俺の株がすげぇ下がったよね!」

とは言いつつ、「どっちでもいいけどね。DISHはいつも通りロックするだけです」とさらっと言うシビィさんなのでした。


■■■DISH

というわけで、先攻のDISH。

かき鳴らされる歪んだ荒いギターとともに、「ドレスフラワー」。シビィさんがシャウトした瞬間、リストカットをした直後の、人を刺してしまった直後の、傷つける言葉を吐いてしまった直後の、そんな「一瞬」の後悔のような空気感が立ち込めた気がしました。

それはそれは本当に自然に、救われない青春映画のようなライブをするなあと、「49」のアウトロとともにステージに下りていくスクリーンを見ながら思いました。希望をちらりと見せておきながらもバッドエンドに繋がっていく。でも小気味いい後味の悪さ。

長髪と横顔、逆光とスモークで途切れ途切れにしか見えない表情。声と音だけが直接的に強く強く訴えかける。
シビィさんがマイクだけに向かって、ドラムと根本さんのベースだけになる場面もあったのですが、そのシンプルさが潔くてカッコ良かった。根本さんも歌詞を口ずさんでいたりして。

もっと聴きたいのに!と思ってしまうライブでした。
MCでは「俺は自分のためにバンドをやってるんですけど、こう長くやっていると応援してくれているみんなの夢も叶えたくなるし、蜻蛉とか後輩の夢も叶えたくなる。それで今回のイベントを実現させました」といったお話もされていました。

【SET LIST】
SE_LOST(THE CURE)
01_ドレスフラワー
02_ワールドセオリー
03_SNOW EMOTION
04_ハニィドンクライ
05_恋の闇
06_LIVINGDEAD GIRLFRIEND
07_ナミダレイン
08_49





■■■燭台(怪)

転換中に9GOATS BLACK OUTが流れていました。ファンと公言している蜻蛉さんチョイスなのでしょうか(笑)? そんな転換中に前説と題し、日■アプラ■アンス株式会社でやっているという「ガンバロー三唱」を、蜻蛉さんがお客さんに叫ばせる。

…たぶん3年前ぐらいに無善寺で1回燭台(怪)を観ているんですけれども、そのときはほかの出演者もマニアックだったので、メンバーもお客さんもジャンプしていた、ということくらしか記憶がないんです。それなので初見に近い状態で観たわけですが、そのときのイメージと近しくかなりはちゃめちゃですね(笑)。

とりあえずセットリスト2~4の「会社に行きたくなーい!」と叫んでいる数曲が長い1曲かと思っていたので、あとあと驚いた!

途中、「せんたくん」と「せんたくんダッシュ(ドラム式)」の人形劇がありました。人形といっても紙に描いたイラストをダンボールに貼って棒をつけたものでしたが。せんたくんはCV.シビィさん、せんたくんダッシュはCV.デスさん。
蜻蛉さんの洗濯に関する質問にせんたくんとせんたくんダッシュが答えていくのですが、新型であるせんたくんダッシュの機能がすごい!という流れに。それで、せんたくんがせんたくんダッシュに逆ギレ。

人形を投げ捨たシビィさんが、「こっちこいや!」とデスさんをステージ袖へひっぱっていきました。裏からドンガラガッシャーン!というボコボコにされる音が響いてきます。

と、ここで東京秘密ラジオさん(通称どりいむさん)が登場!
ステージを乗っ取るという体(てい)で、どりいむさんのオンステージがスタート。しかし、2曲目の途中で燭台(怪)メンバーが包帯、血のり、松葉杖姿で戻ってきました。Lyuichiさんの血のりが大量すぎて、顔から肩へとダラダラしたたっていまして、そのホラー的風貌にキャー!と会場から悲鳴が。

まぁそんなこんなで、再度燭台(怪)のステージ。ホーデンさんが蜻蛉さんに何度もキスする場面もあり…。若いバンドマンたちのパフォーマンスだと盛り上がるけれど、燭台(怪)の場合は“おおぅ…”とシュールでビミョーな空気になりますね(笑)。
ラストはホームの神楽坂EXPLOSIONでしか演奏したことがないという「神楽坂EXPLOSION」(←すごい曲名である)をプレイ。

ついていけないところもあるんですが、まぁ最終的には笑ってしまう。
メンバーの「お客さんを楽しませたい!」という想いは感じ取ることができました。ある意味、DISHとは正反対のところにいるんですよね、きっと。


【SET LIST】
01_inst
02_MondayMorning
03_SundayEvening
04_SuicideMorning
05_メンタルヘルス撲滅運動
06_家電業界大戦争
07_一世風靡日立

人形劇:せんたくんとせんたくんダッシュ
08_海に映る花火(東京秘密ラジオ)
09_ナゾの転校生~途中まで~(東京秘密ラジオ)

10_衣類乾燥機の曲(新曲?)
11_世界樹
12_ジェノサイドのクリエア
13_冷蔵庫の中で…
14_神楽坂EXPLOSION



最後には「インダストリアルハニィ」のセッションがあったそうなのですが、すでに終演したものだと思ってさっさと退散してしまいました。無念!

2013.05.16 DIR EN GREY“TOUR2013 TABULA RASA” at 新木場STUDIO COAST

2013-07-11 03:01:00 | ライブレポート


「CONCEIVED SORROW」~INWORD SCREAM~「かすみ」の流れにもっていかれた。

「CONCEIVED SORROW」のアウトロで、京さんが「聞こえない、聞こえない、聞こえない………あぁ…」と嗚咽混じりに呟きながらうずくまり、「かすみ」のイントロのギターが聴こえてきたのですが、そのとたんぶわっと涙腺がゆるんだ。

DIR EN GREYのライブからは彼らの生き様を感じるのだけど、その生き様の中に死に様も見た。でも、それからまた生まれ変わって覚醒してという輪廻のような場面だった。


【SET LIST】
SE_狂骨の鳴り
01_業
02_DIFFERENT SENSE
03_Unknown.Despair.Lost

04_輪郭
05_「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
06_Bottom of the death valley
~INWORD SCREAM~
07_THE BLOSSOMING BEELZEBUB
08_蜜と唾
09_CONCEIVED SORROW
~INWORD SCREAM~
10_かすみ
11_霧と繭
12_Unraveling
13_OBSCURE
14_冷血なりせば

-EN-
15_DECAYED CROW
16_羅刹国
17_激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
18_THE FINAL

2013.04.29 amber gris ワンマンツアーファイナル 『creative believer』 at 恵比寿LIQUIDROOM

2013-07-10 04:10:00 | ライブレポート

不謹慎だがある種のドラマ。
彼らが失ったものは大きい。しかし、それ以上に得たものも多いのではないか。そう思わせられるライブだった。

4月24日。バンド側から機材盗難被害に遭った旨がweb上で発表された。当日予定されていたシークレットでのイベント出演はキャンセルされたものの、「リキッドルームワンマン公演は予定通り行ないます」とのアナウンス。
それからわずか5日後の4月29日。演奏が始まるまではどうなるものかまったく予想がつかなかった。しかし、いざ幕が上がるとそんな不安は杞憂に終わった。「Fragile」の演奏とともに逆光に照らされた5人の姿は、これまでにないくらいに力強く、美しかった。同時に安堵にも似た感情が駆けめぐる。


「とても素敵な夜にしましょう」

「とても」という言葉が添えられた常套句。手鞠はまるで自分にも言い聞かせるようにそっと語りかけた。
仲間たちから借りた機材を手にし、白を基調にした昨年の衣装をまとった彼ら。音の面でも「これまで通り」とは決して言い切れない状態だ。しかし、不思議と身をゆだねられる安心感があった。そう感じたのは、メンバーそれぞれが「今できること」を精一杯表現していたからだろう。これまでの「最高のライブ」をリアルタイムで塗り替えていくような頼もしさがあった。
数日前に「自分の音とは、技術で鳴らすものだと僕は教わってきました」と綴っていたwayneは、ステージングもいつもより大胆で、両手を挙げて客席を煽り、ギターを何度も天へ掲げている。



「ここ(ステージ)僕たちがいて、(目の前に)君たちがいることに感謝を」

「不測の事態があったわけだけれど、最大の財産である大切なメンバーや曲は奪われなかった。あ、忘れてた。君たちもね」

「逆境に立ち向かえる心得があるので」

親は子の前で弱さを見せないものだ。手鞠はいつも以上にフロントマンとしての包容力と強さを見せた。何度も何度も「こどもたちよ!」とファンを煽動し、微塵の動揺も見せない。kanameもダイナミックなギタープレイで会場の空気を味方につけていた。



「大切な人の笑顔を見たい」

「守るべきものがたくさんあるんだ」

「こどもたちをどこかへ連れ去りたいわけじゃない。日常へ戻ったときにも寄り添えるような、そんな音楽を作っていきたい」

そんな手鞠の言葉とともに、最後に紡ぎ出されたのは「wishstar and sunlight and darkness」。ギターを掻き鳴らすkanameの姿が青いライトに照らされ、wayneの伸びのびとしたクリーントーンとともに、ステージが黄金色に染まる。まるで流れ星が駆け抜けていくように。


存在証明のような光景だった。
「ステージで演奏できる」という喜び、「迎えてくれる人がいる」という喜び。逆境に真っ向から立ち向かった彼らは、そんなささやかな幸せをあらためて噛みしめていたのかもしれない。ラミと殊はとめどなくあふれる涙を押さえることができないようだった。

5人の背中を押し出すような温かい拍手は、いつまでも鳴り止むことがなかった。だが、これは決して感動のラストシーンなどではない。amber grisのドラマは、まだ始まったばかりなのである。



【SET LIST】
01_Fragile
02_bright or blind
03_amazing world
04_摂理と贄

05_sweet blood pool
06_ロジィ
07_MARCH in the SNOW
08_グリニッジの針の上で

09_-sequel-
10_hermit.
11_海風と雨と最後の手紙
12_feel me

13_不浄の樹の下で
14_a marchant a red flower
15_over flow girl's sick
16_hazy moon luv gaze

17_美醜
18_H u m m i n g b a r d' s
19_グランギニョル
20_awake or asleep

21_amaryllis
22_そこにあるもの
23_for crying out loud

-EN-
24_銀色のコフィン
25_Love in the first
26_understanding myself

-EN2-
27_wishstar and sunlight and darkness