in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2014.03.22 L'Arc-en-Ciel LIVE 2014 at 国立競技場

2014-03-23 22:23:15 | ライブレポート


上手の端っこのほうの座席だったので、yukihiroさんはまったく見えず、フロントメンバーもステージをぐるっと歩きまわってくださっている(来てくれたときはホントにありがたやーという気持ちになるのだ)ときにしか生身の姿を見られない状況で、野外だし広いしで音も迫力はなかったんですが、それでも楽しかった!

1人ひとりに点灯制御されたLEDバンドとポンチョが配布されて、曲に合わせてカラフルに客席が彩られたり、マスゲームみたいに「L'Arc-en-Ciel」の文字が浮かび上がったり、スーパーエンターテインメントでしたね。こういうことができるんだ~と最新技術に感服。
「metropolis」からは、メインステージの反対側に設営された円形サブステージでパフォーマンスが行なわれたのですが、そのときにhydeさんが腕を振り上げて客席のライトの色を何度も変えては、はしゃいでましたし!

「未来世界」の前には国立競技場の解体について触れ、新しい(国立競技場の)デザイン見た?すごいよね?と未来に希望をもたせてプレイされました。
アコースティックな「花葬」は聴けて感無量!

kenさんのMCタイムは下ネタに走り、「女の子は机の角見るとやらしい気持ちになるんやろ!?」と(笑)。その話をするkenちゃんのうれしそうな顔といったら!

終盤に披露された「Driver's High」はhydeさんが歌詞すっとんでしまって、てへぺろ☆な状態で歌ってました。
この曲だったかな? 虹色の風船も空へ放たれました。

ホントにエンターテインメントとして楽しめたライブで、さすがラルク!とほくほくした気持ちで帰路に着きましたとさ。



【SET LIST】
01. CHASE
02. SEVENTH HEAVEN
03. REVELATION
04. GOOD LUCK MY WAY
05. BLESS
06. HONEY
07. winter fall
08. NEXUS 4
09. READY STEADY GO

10. metropolis
11. 未来世界
12. 花葬

13. MY HEART DRAWS A DREAM
14. the Fourth Avenue Café
15. X X X
16. shade of season
17. DRINK IT DOWN
18. EVERLASTING(新曲)
19. Blame

20. Caress of Venus
21. Driver's High
22. Link
23. あなた

2014.03.08 DIR EN GREY ジャケットオブジェ&楽器展示

2014-03-23 04:30:22 | ライブレポート
日本武道館の時計塔下特設展示エリアで公開されていた展示物。

まずは楽器展示。人が多かったため背伸びして、画面を見ずやや俯瞰で撮ったら案の定見切れました! これは8日に展示されていたもの。9日は見ていないのですが、ちょこちょこ追加されたものもあったんですかね?
解説プレートも添えられていたんですが、後ろに待っている人がたくさんいたので読まずに通りすぎちゃいました。





個人的に機材よりも感激したのは造形物。ジオラマとか剥製とか大好きなので、こういうのを間近で見られるのはたまりません。




右側に映っている液晶画面には、4月にリリースされるドキュメント&ライブDVD『TOUR13 GHOUL』のトレーラーが流れていました。YouTubeでも公開されている映像です。こちら↓




『DUM SPIRO SPERO』像アップ。反対側にも顔があるので、双頭ではなく三つ頭。あとお腹の中にも顔があります。Wizardly Onlineのウェブサイトに載ってますが、背面にも顔が埋め込まれてるんですよね。360度見られるようになっていたらさらによかったのになあ。




『THE UNRAVELING』ジャケットオブジェのアップ。ジャケ写はモノクロなのでわからなかったのですが、色づけされてますね。結構大きくて、直径80cmくらいありそうな感じでした。宇宙よりも深海にいそう。




「輪郭」の原画。トレーラー映像が映り込んで鮮明には撮れなかったのでモノクロ加工をしてみました。思っていたよりもやわらかいタッチで描かれていました。全体像を見ると、なんだか植物のようにも見えてきます。互いに養分を分け合っているような。






武道館公演が終わって、この2週間あまりずっと余韻に浸っていました。特に9日の公演にものすごく圧倒されてしまって、帰ってからセットリスト通りにプレイリストを組んで2週間ずっと聴くというマニアックなことをしてましたよ。でも、バンドも次に向かっていることだし、自分もそろそろ日常にもどらねば。

自分を傷つけて血まみれになりながらライブをしていた人が、「俺はひとつになれると思ってる」と口に出してファンに伝えるようになるなんて、当時は思いもしなかったから泣けて泣けてしょうがなかった。長い年月をかけて、ようやくストンと素直に昇華されたような気がしました。

2014.03.09 DIR EN GREY“DUM SPIRO SPERO” at 日本武道館 ――生と死の狭間に見た、人間の強さ

2014-03-22 04:30:00 | ライブレポート
 かつての京の言葉を借りて言うならば、この日のライブは、なにかが「降りて」きていたように思う。演者はもちろん、観客も一体となって創り出されたその空間は、とにもかくにも圧巻だった。人間の底力を見せつけられたと言ってもいい。


 2011年8月にリリースされたアルバム『DUM SUPIRO SPERO』の名が冠された、集大成ともいえる日本武道館公演2デイズの2日目。
 1日目と同じように、同アルバム収録楽曲のオルゴールバージョンが空間に溶け込むように流れている武道館内。開演時間を少し過ぎたころに、前触れもなくふっと暗転すると、高揚した声があちこちから聞こえてくる。SEの「狂骨の鳴り」が響き渡ると青いライトが激しく点滅し、一帯は徐々に禍々しい雰囲気に包まれていった。ステージ後ろの大型ヴィジョンには照明と同じく青色のスパークが走り、その火花から生み出された『DUM SPIRO SPERO』とDIR EN GREYの文字が重なり合う。メンバーが1人ずつステージへと姿を現すと、彼らの名を呼ぶ声は咆哮かのごとく、いっそう大きくなっていく。昨夜は髑髏のメイクを活かした強烈な演出でオーディエンスの度肝を抜いた京は、ジャケットにパンツ、サングラスをかけたシンプルなスタイルだった。

 それが虫の複眼のようにも見えたのは、「MACABRE」の所為。規則的かつ怪しげなShinyaのドラミングに期待の込められた歓声が上がり、Toshiyaの地を這うようなベースラインとギターが絶妙に絡み合っていく。白い布で覆われ巨大スクリーンと化した北側スタンド席にも、喰らい喰われる虫の映像が映し出された。Dieはメインギターに加え、スタンドにセッティングされたアコースティックギターを含む2本のギターもフレーズごとに使い分け、力強くも繊細に奏でていく。薫と交互にカッティングを刻む場面では、それぞれにスポットライトが当たり、10分を越す大作のドラマティックさを増進させていった。

 サングラスを外した京のまっすぐ突き抜ける歌声とともに「流転の塔」ではスモークが噴き出し、静かなる情念が広がっていく。それとは別のベクトルで激情の渦へといざなう「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」へとつなぐと、まだ序盤のセクションであるにも関わらず、会場が異様なテンションに突入していくのを感じた。

 唐突に豹変するビートが起爆剤となり、オーディエンスの狂気をも覗かせた「「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟と冷たい雨」は、プリズムを通したような玉虫色の照明で彩られる。ステージ後方のトーチからこれでもかと言わんばかりに炎が噴き上がった「獣欲」では、京の「武道館!!」という一声がさらに会場をヒートアップさせ、Shinyaの高速ドラムが炸裂する「DECAYD CROW」へとなだれ込んでいく。

 そんな全力のステージングを見せつけられると、強烈な「生」のイメージが脳裏に浮かんでくる。だが、決してキラキラしたものではなく「それでも生きたい、生きなければ」という泥臭くギリギリのところにある「生」のイメージである。昨夜の公演は、京の死神のようなメイクといい、痛みや苦しみをダイレクトに伝える楽曲をフックにしていたところを考えると、「死」や「敗北」のメッセージが強く含まれていたように思う。それも、強者が弱者を支配する構図や戦争といった「不可抗力の死」だ。2日間の公演で彼らが描こうとしているのは、『DUM SPIRO SPERO』を冠した死生観なのではないだろうか。

 そんな考えを巡らせているうちに聴こえてきたのは、ベース1本による「君が代」の旋律。日の丸の下、片手を挙げたToshiyaは、続けて「Bottom of the death valley」のイントロを紡ぎ出す。スクリーンには廃墟と化した雪降る遊園地が映し出され、京の語りかけるような慈愛に満ちた声が、空間を退廃的な雰囲気に染め上げていく。 

 暗転したステージにスモークと真っ赤な照明が焚かれ、京のうめくような声が何重にも響き渡る。やがて聴こえてきたギター陣の澄んだアルペジオは「かすみ」だ。歌詩にある“紙風船”が目の前に見えているかのように、京は手を高く掲げる。そして、意外な選曲に驚嘆の声があがったのは「砂上の唄」。Dieのダイナミックなカッティングとともに、八角形の天井には鮮やかなステンドグラスが投影される。異邦の乾いた風を感じるような開放的な場面となった。対照的に、「孤独に死す、故に孤独。」では、薫の悲哀に満ちた繊細なフレーズが、空間をピンと張りつめさせる。ホイッスルボイスを交えながら、京が負の感情を一気に解き放つと、ステージ下方から伸びるどぎついグリーンの光線が交差し、一帯を錯乱させていった。

 このあたりから、冒頭に記したように直感的に「来た」と感じた。再び場内が暗転すると、京はステージセンターに置かれた台にひざまずいて倒れ込み、時にのけぞりながら声を絞り出す。その様はまるで形なきものに憑依されているようにも思えた。

 本編終盤は、無数のハエや蛆のわいた料理などのグロテスクな映像を背負い、「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」のシンフォニックバージョンからじっとりと重々しく歩み始めた。パワフルなリフを残しつつキレよく突き進む「業」、フルMVをバックにソリッドなサウンドと伸びやかな歌声の対比で魅せた「Unraveling」と、緩急つけながらクライマックスへと道びいていく。そしてたどり着いたのは、『DUM SPIRO SPERO』の中枢とも重要なピースとも呼べるであろう「DIABOLOS」。分厚い本の1ページ1ページをゆっくりとめくるように厳かに奏でられ、徐々に本曲の極点が近づいていく。


“さあ人間を辞めろ。”


 京がそう鋭く言い放ち両手を広げた瞬間、割れんばかりの歓声が沸き起こる。その姿は悪魔にも怪物にも死神にも見えたが、堕ちていく人間の姿のようにも思えた。人間を辞めた人間が人を陥れ傷つける、人間を辞めた人間が自分という人間を負で支配する、人間を辞めた人間が人を殺し心を踏みにじる。つまり、人間こそが悪の化身になりうる存在なのではないだろうかと――。
 すべてを出し切りステージを去りゆくメンバーには、歓声と拍手が絶えず降り注いでいた。



 アンコールに応え、再びステージに現れた5人。京がお立ち台にガリッとマイクを擦りつけて、一瞬にして観客の注目を集める。「輪郭」のしっとりとしたピアノのイントロが流れ、ヴィジョンにはドローイングアニメーションのMVが映し出された。本編でのシャウトやグロウルとは対照的に、京の伸びやかな歌声が心地よく響き渡る。ラストのサビ前の“MINERVA”というつぶやきは、命を吹き込むかのごとくマイクレスで泣き叫ぶように発していたのが印象的だった。

 どことなくしんみりとした会場に投下されたのは、リズミカルなドラムとキャッチーなフレーズが爆発する「umbrella」。ライブでは久しく演奏されておらず、昨夜の「蒼い月」と同じようにある種のレア曲だ。一気に会場は沸点に到達し、笑顔の花が咲く。楽器陣と一緒になってコーラスするオーディエンスに、京が「聴こえへんで!」と喝を入れる。追撃するように「羅刹国」をぶちかますと、ヴィジョンは5分割され、メンバーの表情がアップで映し出された。言うまでもなく、全員がいい表情だ。



 このままラストまで突っ走っていくのだろう……ふとそんなことを考えて、この2日間の公演ももうすぐ終わってしまうのか、と少々感傷に浸っていたときだ。突如、京がめずらしく口を開いた。

「…きょうは、俺からおまえらにひとつお願いがあんねん。俺、いつも『ひとつになれるかー!』って言うてるけど、そんなんなれるわけない、無理やんとかよく言われるねん。でも…俺はそんなことないって思ってるから。バカみたいに繰り返して言うけど、俺の夢をかなえてくれ。ひとつになれるか! 全員でかかってこい!!」



――息あるかぎり、希望を捨てず

 『DUM SPIRO SPERO』とは、ラテン語でそんな意味が込められた言葉だという。DIR EN GREYにとっての「希望」とはなんなのか。その答えが、この京の言葉の中に集約されているように思えた。1人の力ではなく、手を取り合って不可能を可能にするような、否定されても押さえつけられても、光を信じて抗って喰らいついてような――そんな「人間の強さ」をかいま見たのである。


 「SUSTAIN THE UNTRUTH」は、ステージへ届けと言わんばかりに、観客各々が目一杯歌う。薫はうなずきながら微笑み、Toshiyaはいたずらを仕掛けた少年のようにニヤリと口角を上げ、Shinyaはポーカーフェイスをくずさず、Dieはギターに徹しながらも白い歯をこぼす。京にいたっては、全身で声を受け止めているかのように、ぎゅと目をつむり、泣いているのか笑っているのかわからないほど、くしゃくしゃの表情だ。

 こんなラストを誰が予想しただろうか。これが、DIR EN GREYなのだ。


 
 大喝采の中、ステージを降りたメンバーの背を追う映像と、スタッフロールがヴィジョンに映し出される。やがて、ドキュメント風ムービーに歌詩が添えられ、「THE FINAL」の音源が流れ始めた。誰からともなくその言葉を噛み締めるように歌い出し、いつのまにか大合唱に発展する。
 そして、7月にこの武道館2days公演の模様を収録したDVD、11月に約2年ぶりとなるニューアルバムのリリースが発表され、大歓声が沸き起こる。



 が、しばらくしてそれがどよめきに変わった。なぜならば、ファンなら一度は耳にしたことがあるであろう「あの」金属音が聴こえてきたからだ。DIR EN GREYのファーストアルバム『GAUZE』の1曲目に収録されているSE「GAUZE -mode of adam-」のMVである。なにが起こっているのかわからない我々の目に飛び込んできたのは“TOUR14 PSYCHONNECT -mode of "GAUZE"?- THIS SUMMER”の文字。のちにウェブサイトや終演後に配られたフライヤーでわかることになるのだが、本ツアーのスケジュールには「mode:25」からの数字がナンバリングされている。つまり、1999年7~9月にかけて24公演行なわれた同名ツアーの続きを示唆しているのだ。


 再び画面は暗くなり、「DIR EN GREY」の白い文字だけが浮かび上がる。止まない“DIR EN GREY”コールが起こり、その声に導かれるようにメンバーがステージへ姿を見せた。「おまえら元気やなあ」と含み笑いの京。「ラストー!!」と張り上げた声を合図に演奏されたのは「朔-saku-」。ただステージを明るく照らすだけのシンプルな照明で会場はライブハウスと化す。その光景は、これまでよりもより強くファンと結びついたDIR EN GREYが、新たなスタートを切った瞬間でもあった。


 もう涙であまり前が見えなくなっていたのだが、最後に京が目に焼きつけるように会場全体を見渡し、手を挙げながら「バイバイ!」と晴れやかな表情で去っていったことだけは、しかと書きとめておく。




【SET LIST】
SE.狂骨の鳴り
01.MACABRE
02.流転の塔
03.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇

04.「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟と冷たい雨
05.獣欲
06.DECAYD CROW
07.Bottom of the death valley

INWARD SCREAM

08.かすみ
09.砂上の唄
10.孤独に死す、故に孤独。

INWARD SCREAM

11.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
12.業
13.Unraveling
14.DIABOLOS

- EN -
15.輪郭
16.umbrella
17.羅刹国
18.SUSTAIN THE UNTRUTH

THE FINAL(movie)

- EN2 -
19.朔-saku-

2014.03.08 DIR EN GREY“DUM SPIRO SPERO” at 日本武道館

2014-03-10 04:35:00 | ライブレポート
武道館1日目。2日目を観る前に書いたものです。


開演前の会場内に流れていたのは『DUM SPIRO SPERO』(以下DSS)収録曲のオルゴールver.でした。
開演時刻を5分ほど過ぎたころに、ふっとそのオルゴールが止み暗転。スクリーンにはこれまでのDSSツアーの日程と会場が映し出されました。そしてドキュメンタリー風なメンバーのインタビュー映像。Toshiyaさんの言葉だったか、「ライブとは…」という発言が耳に残りました。ライブとはなんなのか、という肝心なところが記憶から抜け落ちましたけどね…。たしか発散できる場所、とかそういったニュアンスでした。メンバー1人ずつの紹介映像も流れましたね。若手バンドのワンマンよろしくメンバー名まで出ていて、ある意味新鮮な感じ。

そして、「狂骨の鳴り」とともに、スクリーンにはビリビリと青いスパークが走ります。やがて宇宙的な映像に変わり、2本のスパークからDSSの文字が生まれて、DIR EN GREYの文字と交わりました。ステージにメンバーが1人ずつ登場。最後に現れた京さんはストールを被り、サルエルパンツ?でした。客席のほうに背を向け、ホリ側に備えられたマイクスタンドへ近づいていきます。

スクリーンには、マイクのヘッド部分と京さんの手が映し出されました。一方の手には、アーティスト写真でも使われていた血の色のようなレザーグローブ。最初はあらかじめ撮ってある映像を使っているのかと思ったのですが、リアルタイムの映像でしたね。つまり「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」は京さんのみ後ろ向きで、スクリーンに顔がアップで映し出される、という演出で進行していきました。

その顔というのが、またインパクトがすごい。髑髏のメイクが首まで施され、両目に白いコンタクト、頭からすっぽりと布を被っているものだから、まるでおぞましい死神のようでした。眼球の動きまでハッキリわかるので、表情が見られてある意味レアなのですが、夢に出てきそうなくらいホラーでしたね。

「DIFFERENT SENSE」ではステージ後方のトーチ(10本以上あったかも)からボッと火柱が上がりました。この日の席は2階席後方スタンドだったのですが、こんなに離れていても熱さを感じたのでアリーナはすごかったんじゃないかなと。北西、北、北東スタンドには白い布が被せられてつぶされていたんですが、それもスクリーン代わりになっていました。蛸の足が天上近くまで伸びていきます。

続く「OBSCURE」でオーディエンスをヒートアップさせたかと思いきや、「LOTUS」でしっとりと聴かせる。こちらはPVにも出てくる女性の映像が上空を泳ぐように、前述の北側スタンドを漂っていきました。「AMON」では天上近くの日の丸に蛇の鱗のような柄も投影されていました。

INWARD SCREAMに挟まれたセクションは重々しい雰囲気。「蜜と唾」は、歌詞が後方スクリーンに浮かび上がりました。この詩がコンクリ詰め事件を彷彿させるので観ていて少しつらい。でも、いつも見逃してしまっていたShinyaさんの「死姦」の歌詩ときのショットをじっくり拝見。両手のスティックをクラッシュに振りおろし、体を後ろへ反らせるんですね。

「dead tree」のイントロが爪弾かれると、オーディエンスから「おお~」というざわめきが。戦争の記録映像と原子爆弾が落ちていくCGが使われていました。ラストのサビでは白い光が何本もステージ下方から天上へまっすぐに伸びていき、日の丸を照らしているかのようでした。この演出は以前の武道館公演でも観ましたが、やはりグッときます。

「鴉」はCGのグレーのピラミッド状のものに蛇のような細長い物体が貫通していく映像。こうやって書くと生殖器を象徴している気もしてきました(苦笑)。コーラスのためだと思うのですが、Toshiyaさんが白いマイクスタンドをセルフで持ってきたり、片づけたりを何度もやっているので目がいってしまいました。

意外な選曲だったのは「VINUSHKA」。DSSではなく、その前のアルバム『UROBOROS』の象徴のような楽曲なので。最初の薫さんのアルペジオが若干よれて心もとない感じがしましが、曲が進むにつれ壮大に聴かせます。「武道館!」と京さんが煽り、会場内のテンションも一気に昇りつめていきました。「此処が真実だ」と告げるセクションは、わかっているのにライブで聴くと鳥肌モノ。
アコギ1本になるところで、京さんは自分の譜割りで自由に歌っていたのですが、Dieさんは淡々と元のテンポ通りに弾いていて、その対比がおもしろかった。

本編を締めくくったのは「THE FINAL」。アレンジは「THE UNRAVERING」収録Ver.。スクリーンにはアリーナ席の観客が映し出されました。「もっとおまえらの声を!」という煽りで、サビはオーディエンスも歌います。感動というか、武道館全体が不思議な一体感に包まれていて、ふいに涙腺が緩む。空を切るリストカットで、余韻を残しつつ本編終了。



アンコールは「VANITAS」からスタート。スクリーンには、海外ツアーのときのものだと思われるメンバーのイメージ映像も流れていました。画に雪が降っているようなエフェクトもかけられていました。京さんの声は高音を張るところがギリギリでしたが、生々しさはダイレクトに伝わってきます。

楽器陣の構えや雰囲気で、次はどの曲がくるのかなんとなくあれかな?というのがわかるのですが、新曲の「SUSTAIN THE UNTRUTH」はイントロのフレーズが唐突に始まるのでまだ予測ができませんね。
そして、まさかの「蒼い月」。予想外すぎてすぐにタイトルが出てきませんでした。でも、わたしみたいにポカーンとなっている人よりも、すぐにおおー!と反応している人が多かったですね。ライブでは聴いたことがないので比較はできないのですが、当時の音源に近いアレンジでした。いまのDIRが演奏しているので音はぎっしりつまっていましたが、ツタツタ感もちゃんと残っていました。

驚きもそこそこに、「THE IIID EMPIRE」「C」と畳みかけられ、オーディエンスの熱気は最高潮。悲しいかなわたしは気がつかなかったのですが、「C」で「実際 愛したい 目の前の世界を」という歌詩を「目の前のおまえたちを」に代えて歌っていたようです。
京さんが「ラスト! 生きてるか武道館! ひとつになれるか?」と叫び、「残」へ。これまたなんとなくラストは「羅刹国」かな?と思っていたので予想を裏切られました。

DSS色は薄かったですが2日間あるので、あえてこうしたセットリストだったのかと思います。
終演後、京さんも水を吹きかけたり、オーディエンスのほうを向いて頭上で拍手したり、長くステージに残っていました。


そして、スクリーンにはこんな文字が。

Your path goes on
And who knows what lies ahead
DIR EN GREY


あなたの歩む道は続いていく
そして、行く先になにが待ち受けているかを知る者はいない



といったニュアンスでしょうか…? その先に待ち受けているものを誰が知るだろうか、のほうがカッコいいかな。
2日目は「DIABOROS」「流転の塔」「輪郭」あたりの1日目にやっていない楽曲がくるのかなと予測。いいテンションのまま引き継げそうです。



【SET LIST】
SE.狂骨の鳴り

01.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
02.DIFFERENT SENSE
03.OBSCURE

04.LOTUS(Synphonic Ver.)
05.Unknown.Desper.Lost
06.AMON(Synphonic Ver.)

INWARD SCREAM

07.蜜と唾
08.滴る朦朧
09.dead tree

INWARD SCREAM

10.鴉
11.VINUSHKA
12.霧と繭
13.暁
14.THE FINAL


- EN -
15.VANITAS
16.SUSTAIN THE UNTRUTH
17.蒼い月

18.THE IIID EMPIRE
19.C
20.残