なんとスーパーライブシアターにミラーボールがついたということで見に行ってまいりました。冗談よ。あ、でもミラーボールがついたのは本当よ。あれ言われなきゃわからないわよねーなじみすぎて!
そんな本日は、amber grisさんの3月24日に発売となるセカンドシングル「少女のクオレ」を記念したイベントでした。対盤さんがあら豪華!
◇オトガデッド◇
おおっとー1曲目からさっそくミラーボールが回りましたオトガデッドさん。2曲目に演奏された曲で、IVさんのスラップに乗せてZenさんがラップ!スラップラップ!(なんか言いたくなっただけ)
“以前から殊と知り合いで、主催ライブに呼んでいただきました。ありがとうございます。楽しみにしていたイベントなので、みなさんも楽しんでください”とMC。
暗黒界隈系のバンドっぽいのですが、そのなかにオサレ要素が入っている感じ。バンドの見た目は黒くて硬派っぽいのに、ファンの方は咲いていたりするしね。カテゴライズするわけじゃないけれど、どうしたいのか曖昧に感じるかなあと。あと、ロアさんのところのVirgilみたいなにおいがするね!Zenさんが俳優さんだからだと思うけれど、しゃべり方が演劇風で“それはちょっとクサいよおにーさん!”みたいな。慣れれば平気なはず!たぶん!
言いたい放題言ってしまいましたが、この日は上手ギターの伶希さんが4月18日の公演をもって脱退するという発表もありました。理由は頸椎をいためたためと、音楽性の相違だそうです。ですが、バンド自体はこれからも走りつづけていくそう。
“道は違えど、空はつながっているから……。伶希がつくった曲です、「sora no tobikata」”
そんなZenさんの曲紹介で披露されたのは伶希さんのリフからはじまる疾走チューン。空を仰ぎ、全力でシャウトする伶希さん。せつない。
◇L'eprica◇
ベースレスの3ピースバンド。ヴォーカルのRayaさんの立ち位置がセンターから下手になったんですね。あれ、きょう手鞠さんコス?(以前想さんコスで登場したというお話をうかがったもので) ちょっと雰囲気が似ていらっしゃる気が。
楽器陣が丸みのある音でして、ヴォーカルを際立たせているのかなあと思いました。しかし!ハード・ロック的なアプローチになる曲も何曲かございまして、ちょっと彼らがよくわからない。Rayaさんは声も纏う雰囲気も穢れのない綺麗なイメージなんですよ。だから、そういうガツガツした魅せ方をしてもあまり伝わってこないんですよね。お客さんも体をゆらす止まり。
4曲目(「Via Dolo Rosa」だったかなあ?)からの流れはすごくよかった!やはりL'epricaらしさっていうのは退廃美と儚い雰囲気だと思います。華やかな「florence」から一転して、ダークな曲で会場を落とし込んで終わるのもよかったですし。それなので、魅せ方次第ですごく化けるんじゃないかなあ。でも、メンバーさんのやりたいことはどういったものなのかしら。あ、4月4日にミニ・アルバムが発売されるそうなのでそこでわかるかな。あら、宣伝!
◇Administrator◇
【SET LIST】
SE.
01.SELFISH CLOVER
02.朧
03.Ace
04.Heart is...
05.手招く太陽
ライブだと音源の倍アグレッシブ!でも「SELFISH CLOVER」を終えての第一声が、
“アドミニストレーターです!あーひゃっひゃ!”
いや、ほんとにそう聴こえたんですって!芥さんの自然体っぷりは尊敬に値するのではないでしょうか。
本日のセットリストは「朧」以外シングル曲だったので、初めて観る方にも印象を残せたんじゃないかなあなんて思いました。アドミニさんの楽曲のメロディーセンスは秀逸です。
ロングMCでは“芥くんからムチャ振りされまして……”とめずらしくドラムの龍さんを中心とした楽器陣が担当。5月12日にサードシングル「喚情(かんじょう)レイテンシー」をリリースするとのことで、お客さんに“喚情レイテンC!(腕をつかってCの字をつくる)”という動きを強要するベースの卓也さん。ちょっとグダグダだったのでヒヤヒヤしちゃったわ。
「Ace」ではミラーボールが星屑のようにチラチラと輝く。“ヘイ!”のコーラスで一斉にジャンプするお客さん。“ヘイ!”とかさ、最初は“ダ●くない!?”って思ったけれど、みんな笑顔で“ヘイ!”しているからかわいいんです、ヘイ!ラストのサビの“腐りきってく~”で公佑さんと卓也さんが華麗にターン。
いまは同期だけれど、「Heart is...」のサビでヴォーカルに被さる“my heart is slave of smell”のコーラスも、このお二人が生声でやったらぜったいカッコいいと思うんだけどな。
ライブだと適当になる公佑さんのギターソロ(失礼)も、だいぶしっかりしてきたもよう。ラストの「手招く太陽」では、センターのお立ち台の上で弾いていました。この曲は龍さんのドラムが歌っていて素敵ね。そして歌詞を変えて“退屈な世界から……おまえらと一緒に抜け出そうぜ!”と叫ぶ芥さん。
力づくで会場をねじ伏せるというよりも、お客さんを巻きこんで高みを目指していくバンドさんなのかなあと思います。来月からは新衣装お披露目とのことで(SHOXXさんに新アー写が公開されているそう)、ニューシングルとともに今後のご活躍にも期待です。
◇DISH◇
池袋は音処手刀を拠点に活動しているギター&ヴォーカルとベースのユニット。ライブではサポートドラムの方がいらっしゃいました。
なんだろう、彼らは不良だ。ヴィジュアル系にありがちな女々しさはひとかけらもない。それはまるで、感情に身をまかせてがむしゃらに壁を殴ったり、やり場のない怒りにまかせてナイフを地面に突き立てたりする思春期の少年のよう。
人は傷つけない。矛先はいつもモノか自分。そんな内にこもったひねくれている部分が自分自身とリンクすると、彼らの提示する世界にはすっと入っていけるのかもね、と思いました。でも、だれにでもあると思うんだよねー、自分しか知らない黒くて醜い部分。
ぐちゃっと歪むベース、ジャムセッションで歌っているかのようにラフなヴォーカル。でも、その目はギラギラと鋭くて。
音に体をゆだねている人もいれば、ポカンとただただステージを見つめるだけの人もいる。ちょっぴりアウェーな空間。だけど、シビィさんは不敵な笑みを浮かべていた。
降り注ぐ雨の音から始まったラストの「ナミダレイン」が終わると会場はしんと静まりかえった。ふと思い出されたように数秒遅れて拍手。
アコギで作曲されていそうな曲たちだったなあ。なんとなく。日常の感情の起伏をそのまま切り取ったような……とにかくカッコよかった!手刀とか近いところで拝見したら鼻血でちゃうかもね。
近々音源ほしいなあ。それまでMySpaceでガマンいたします。シビィさんが物販運営をしているにもかかわらず、隅っこで根本さんが体育座りして縮こまっていました(しかもご自分のスペースではなくレプさんのコーナーで)。ちょっとキュンとした。
◇花少年バディーズ◇
不良は不良でも、こちらは不良品種。 Let's Go to the 絶対的 Happiness!!をテーマに掲げるバディーズさんです。ミネさんがブログで大人気になってから、登場されるたびに“うわあモノホンだ!”と思ってしまいます。
“amber grisさんが僕らの主催ライブに出ていただいたときは、ほかの出演者が僕たちみたいなふざけたバンドばっかりだったのですが、今回のamber grisさん主催は僕ら以外世界観のあるバンドさんばっかりで……!”
“(外国人のお客さんが前方にいらしたのを見て)I wanna S●X!!”
“でもね、これが僕らの世界観だから!”
……きょうもミネムラ、すべったね!笑
6月9日にBloomされるミニ・アルバム『Balloon』の中の「NBL」も演奏されていました。イントロでお客さんを巻き込んだハンドクラップのあるノリノリのアッパー・チューン。曲中でなんとツブクさんがラップを披露する箇所があったのですけれども(ラップ流行ってるのかしら)、そこのセクションに差しかかると彼はベースをおいて前に出てくるんですね。そのときにベースを下げるローディー的な役割を、なぜかジュリィーの勇治郎さんが務めていらっしゃいました。なぜー!“目立つローディーだなあ”と思ったらまさかの!クリビツ!!!
◇amber gris◇
【SET LIST】
01.OP
02.snoozy and roll.
03.sunny day's seeker.
04.Love in the first.
05.lizard skin.
06.茨の花は罪に咲く
07.銀色のコフィン
“素敵な夜にしましょう”
そう言ったのは本日の主催者amber grisさん。
“オオカミが赤ずきんの少女に恋をしました”――「Love in the first.」
“背筋を這う感触……”――「lizard skin.」
“いつか……いつか、きっと君が笑える世界に連れていくと約束するよ”――「銀色のコフィン」
それぞれの曲にひとこと添えてから演奏が始まるので、想像力がかきたてられました。また、MCではこんなお話も。
“「クオレ」という意味なんだけど、これは「心臓」のことを表しています。人間は不思議なもので、物理学的にも医学的にも生物学的にもまだまだ解明できていないものがいっぱいあるそうです。頭で考えることもたくさんあるけれど、痛みや想いはココ(左胸を指して)で感じるんじゃないかなって思います。だから、僕たちのクオレから君たちのクオレに、痛みや想いを伝えられればいいな”
と。あー彼らの音楽は心で聴くんだなあと思いました。むしろ心で「感じる」のかもね。
2009年10月17日の始動ライブで、“anber grisは自由なバンドです。だからみんなも自由に楽しんでください。それが音楽の在り方だと思うし……僕らがそれをあらためて提唱していきます”というお話をされていましたが、それは頭で考えたり分析したりしないで、純粋に心で音楽を楽しんでくれってことだったのかもしれません。……ライブの流れとしては3月3日のほうが降りてきていたけれど。なんで主催のほうが曲数少ないんだー!
でも、彼らの核はゆるがないんだなあと思いました。わたしの彼らに対するイメージも、最初に観たときと変わらず、いまだに旅する楽団・吟遊詩人・キャラバンだったりしますし。
“それじゃあ、また”
彼らはつぎの街へと出発していきました。少女に会うために。「クオレ」に秘めた想いを、彼女の「クオレ」に伝えるために。