in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2016.06.12 DIR EN GREY“TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of VULGAR]”at 仙台PIT

2016-07-17 09:50:00 | ライブレポート




チケット激戦だったVULGARツアー。仙台2日目公演だけなんとか行けました。

初めて行った仙台PIT。仙台駅から5分ほど電車に揺られ、長町駅下車。徒歩10分ほど。駅前には小さなショッピングモールがあり(カフェも入ってる)、ちょっと歩くとマクドナルドやIKEAもあるので暇つぶしに困ることはなかったです。

関東に帰ってから知ったのですが、すぐ近くには仮設住宅地域もあるそう。



会場内は豊洲PITと同じく2階席なしで、大きなプレハブ小屋っぽい感じ。キャパ1200人で2階がないとなんだか不思議な感覚ですね。

ステージは、トラスが組んである以外はいたってシンプル。上手にいたのでDieさんのところしかわからないのですが、キャビはステージになくてすっきりしてました。Shinyaさんのドラムセットは、金具はゴールドでオールクリスタル。う、美しい…。

定刻18時を5分ほど過ぎたころに暗転。
LEDのバックヴィジョンに、3Dで描かれた機械チックなショートフィルムが映し出される。ライブが進むにつれて気がついたのですが、各曲の演出で使われている映像をコラージュしたようなシーンもあり。

そしてメンバー登場。

Shinyaさんは胸元にフリルがあしらわれた王子様風の白いシャツ。ブローチみたいなものもついてました、たぶん。

Dieさんはパラシュートシャツ、エンジニアブーツ。アッシュ系の金髪。

Toshiyaさんは、ノースリーブのトップスで筋肉強調! プリーツスカートにハイソックス。アー写のように額は黒く塗っていなかったけれど、目の周りを黒く縁取った濃いメイク。近くで見たら櫻井敦司さんに似ていた。

薫さんは口元を縫ったようなメイク。左サイドの髪に燻し加工っぽいゴールドのパーツ。照明が当たるとキラッと光る。

京さんは、チーター柄?ヒョウ柄?のロングジャケット。ひとつひとつの模様が小さめで、あまりヒョウ!って感じではなかったです。髪は金髪で、額を出すように立ててセットしていて、サイヤ人みたいな感じ。

ロングジャケットは、今発売されている『CD&DLでーた』でも着ているもの。



個人的には『VALGUR』というか、『Withering to death.』収録の「鼓動」のPVで着用しているヒョウ柄ジャケットの大人版みたいな印象でした。
あと、お立ち台は黒くて目玉がゴロゴロついてました。グラフィックのプリントじゃなくて、立体的な造形で目玉が埋め込まれている感じ。



1曲めから「THE IIID ENPIRE」でブチ上がる会場。京さんが「跳べ!」と叫ぶ。上手に移動して中指も立ててました。片方の手を内側の肘おいて、勢いよくF■CK!!って。Toshiyaさんも上手に移動し煽る。
Shinyaさんのドラムはバスドラムまでクリスタル仕様なので、どんなリズムで踏んでいるか分かりやすくていい! 新鮮。高い位置のふたつのシンバルは片方だけ穴開き。京さんを目で追っていたせいで、Toshiyaさんのマイクスタンド投げをうっかり見逃した。

「INCREASE BLUE」は言わずもがなブルーの照明。“Ladies and gentlemen,It’s a show time. ”と京さんが高らかに叫んだときに、さらにテンション上がりました。

「腐海」のギターは薫さんメイン。京さんは歌メロ、歌詩ともに変えて歌う。でも、サビは聴いたことのあるメロディでした。おそらく過去にも歌っていたメロ。「あーい(愛)して~いまぁああす~」みたいな感じの。

いつものSEを挟んで、「砂上の唄」。バックには、きれいなブルーの海に沈んでいく人の映像。女性に見えたけれど男性だったかもしれない。

てか! わたしの中で、これまでこの曲のイメージは砂漠だった。単に「砂上」という言葉に引っぱられていたんだけども。だから映像を観て衝撃を受けたんですよね。海底の砂のことを砂上と呼んでいるのかなあ、と。そもそも「砂上」という言葉は、「実現不可能な物事、長続きしない物事のたとえ」という意味もあるらしい。知らなかった。

今ツアーではテンポが速いと噂で聞いていたのですが、聴いたかぎりわりと通常のテンポでした。
Dieさんのソロがすごく良かった。少しアレンジしていて、当時のオリジナル音源を踏襲しつつ、今のDieさんのスキルが加わって、泣けるメロディだった。

「AMBER」も、京さんの歌詩が現代のDIRにも妙にマッチしている気がしてシビれた。「Un doex」はオーディエンスに歌わせる箇所あり。

「audience KILLER LooP」は京さんが手を絡ませるパフォーマンスをしていて、オリエンタルな雰囲気があった。サビ前の“オーディエンスキラーループ!”は観客が叫ぶ。
ヴィジョンには、監禁されているのか、椅子に縛りつけられ、目隠し、猿ぐつわをかまされた女性がもがく映像。監視カメラ越しのような演出がなされている。

「お前らの声聞かせてくれ!」からの「蝕紅」。イントロ部分で京さんが、片手を上に伸ばして、レゲエアーティストとかラッパーみたいに上下に動かしていた。
サビの“籠女籠の中”は、京さん→オーディエンスの順で歌う。アカペラになる部分では、京さんにのみ白いピンスポット。昔みたいに心が痛くなるギリギリな感じではなくて、どっしりとしていた。ある意味ひとまわり大人になった印象。

「かすみ」はラストの“畳の下”という歌詩のところで、お立ち台の上に立った京さんがそのまま真っ直ぐ下を指差したのがカッコよかった。

「輪郭」はサビで黄金色の照明。客席も明るくなる。Dieさんのカッティングガン見。“MINERVA”のところで、客席に背を向け、背中で声を受ける京さん、
最後に“鬼を捕まえ私と変わ…”で、前に伸ばした手を握りこぶしに。それと同時に暗転。映像は水?光?の粒みたいなきれいなもの。

INWARD SCREAMのときは赤い照明とスモークが焚かれる。GARBAGEという単語を繰り返し叫んでいるように聴こえた。指先の第一関節の動きまで神経が研ぎ澄まされてる。

「禍夜想」は、序盤京さんのピッチが迷子になっていた。前のツアーで使われていた極彩色の花の映像はなしで、照明だけの演出だったと思う。

「明日無き幸福、呼笑亡き明日」から本編ラストの「CHILD PREY」までは、演奏がなにやってるんだかわからない現象がところどころ発生してました。でも、そんなパンクな感じもきらいじゃない。

「明日無き幸福、呼笑亡き明日」では、“HUMAN GATE”のコーラスの際、センターと上手の間くらいにいた薫さんのところへ京さんが颯爽とやってきて、肩に手をまわしてマイクを向ける! しかし、ん~!と口を真一文字に結んで上を向き、歌わへんよ!と逃れようとする薫さん。なんやぁ~とあきらめて下手へ離れる京さん。京さんが離れたところで、横向いてめっちゃ照れ笑いする薫さん。ホント笑った。

演奏時間2分もない「Я TO THE CORE」は、京さんがしばらくDieさん前あたりの上手に来ていて、しゃがみながら“どうせ聞こえない左耳の様に バカにしてるんだろう”という歌詞をオーディエンスに歌わせつつ、自分の耳を指差していた。歌詩はその皮肉にドキッさせられるものだけど、表情もパンクでカッコ良かった。

「NEW AGE CULTURE」のパフォーマンスもブッとんでいて、ダンスしていたと思ったら、またもセンターと上手の間あたりで、目を見開いて(どちらかというとホラー笑)ぶっちゅぶっちゅと投げキッス連発する京さん。客席も、いつもはヴォー!となるのに、このときばかりはキャー!!?という悲鳴があがっていました(笑)。

「CHILD PREY」では、Dieさんがペットボトルの水を撒く。
“Child is Burning~”の部分のあとにブレイクがあるんですが、そこからまたサビに突入するタイミングで、京さんが客席に背を向けるかたちでドラムのほうへ大ジャンプ! そしてその勢いのままゴロゴロとドラム前へ転がる! これも過去に観たことがあるパフォーマンスだったので、2016年にまた観られるとは!って感じでした。



アンコールは「OBSCURE」から。オリジナルバージョンではなく再構築バージョンでしたね。薫さんが白いロングカーディガンを羽織っていた。京さんはフレンチスリーブっぽい黒いロングTシャツ。
そして新曲の「詩踏み」。リズムパターンが不規則で速い! 歌詩もはっきりと聴きとれず、つかみどころがないまま終わってしまった(笑)。

「まだイケんだろ、せんだぁあああああい!」

と煽り、「Revelation of mankind」。そして、「俺らとひとつになれるか!」「Last song…」(なぜかここだけ英語)という言葉から、「SUSTAIN THE UNTRUTH」。合唱しつつ盛り上がり終演。

去り際に京さんはお立ち台で目ビーム(2本指を目に当てて客席に向ける)をしていたのですが、「ぶばばばばば」というような感じで口パクしていた(笑)。楽器陣は水やらピックやらスティック撒き。
メンバーが去ったあと、まわりの方がピックを探して足元を見ていたので、わたしも見てみたらなんとToshiyaさんのピックが!

10年間いろんなバンドを観てきて、銀テープ以外で戦利品をゲットしたのが初めてという。ダイレクトキャッチではないけどうれしいー。



ロゴがDIR EN GREYではなくDir en grey表記だ!


2014年のGAUZEツアーはヴィジュアル系色の強さだったりツタツタドラムがあったりで、Shinyaさんのターン!というように感じたのですが、VALGURはパンク、ハードコア路線で京さんのルーツ的な部分に触れた気がしました。


【SET LIST】
01.THE ⅢD EMPIRE
02.INCREASE BLUE
03.腐海

04.砂上の唄
05.AMBER
06.Un duex

07.audience KILLER LooP
08.蝕紅
09.かすみ
10.輪郭

-INWARD SCREAM-

11.禍夜想
12.明日無き幸福、呼笑亡き明日
13.Я TO THE CORE
14.NEW AGE CULTURE
15.CHILD PREY

―EN—
16.OBSCURE
17.詩踏み
18.Revelation of mankind
19.SUSTAIN THE UNTRUTH




2016.06.05 DEZERT“ONEMAN LIVE TOUR 2016 【楽しい食卓ツアー】FINAL” at Zepp Tokyo

2016-07-11 04:30:00 | ライブレポート





記憶が飛び飛びなので、覚えていることを箇条書き。

・開演前BGMは、THE BEATLESの「yesterday」エンドレスリピート。ステージは白い紗幕に覆われていた。

・開演予定時刻をやや過ぎた18時14分、暗転。期待と緊張感に包まれたフロアから、どこからともなく拍手と歓声が起こる。

・シンフォニックなサウンドとピアノが絡むSE。ダンダン!というSORAさんのドラムを合図に楽器陣の音が重なる。そのたびに眩いストロボが焚かれ、紗幕にシルエットが浮かび上がる。SaZさんがヘドバンしていて目立っていた。

「あー。」。幕の向こう側からMiyakoさんの歪んだギターが聴こえてくる。4小節目で紗幕が振り落とされ、ステージ上部でパン!と特殊効果の火花が散る。

・そして登場する千秋さん。赤エクステ混じりのツインテール。白シャツに黒いジャケット、スカート?にハイソックス。ちなみにワイヤレスマイクで、腰の後ろに無線機器を着けてました(客席乱入しやすいように、というのも理由のひとつだったのかもしれない)。

ちなみに楽器事情。

・SORAさんは真っ黒なフルセット。スタンドまで黒い。パスドラのヘッドはオリジナルプリント。シンメトリーに見える配置で美しい。

・MiyakoさんはESP E-IIとシェクター7弦といつものテレキャスを使い分け。

・SaZさんはいつものYAMAHAと、あともう1本白いボディのベース。



「君の子宮を触る」「始めようか〜〜」と千秋さんが叫ぶ。ステージ前方上部にLEDヴィジョンがあり、そこに波形などの映像が映し出される。このときのMiyakoさんのギターはたぶんシェクターだった。こっちがメインギターになるのかな。



「肋骨少女」→SaZさんのスラップで沸くフロア。「あー。」〜「君の子宮を触る」はアルバム収録順の流れだったので、どことなく緊張感が漂っていたが、この曲でそれが解かれた感じがした。

・千秋さんがステージの上手・下手端まで移動。フリとか関係なしに、千秋さんが来たら客席で手が上がっていて、その光景がなんかいいなーと思った。

・SORAさんがシンバルを叩いてパシッと止めていたのがカッコよかった。

「遺書。」「きみたちの歌を歌おう!」。ラストの歌詞は“明日を諦めました”“明日に追いつくために”と変えて歌っていた。

「大塚ヘッドロック」→この日最初のモッシュ曲。大箱で横モッシュ。たぶんこの曲だったと思うのですが、千秋さんが「ねっ!ねっ!」と言っていたのがかわいかった。

「殺意」→千秋さんが客席の柵に足をかけて前のめりになりながら「愛すべきみなさま! 愛すべきスタッフ! 愛すべき関係者!のために、ラブソングを歌います。本気のラブソングを」を高らかに宣言してから演奏が始まる。

・途中観客を真ん中で二手に割り、センター2柵で歌う千秋さん。中心に向かってヘドバンする観客。



「追落」→ステージ後方ヴィジョンにオレンジ色のガーベラが映し出されていた。

・「追落」演奏後にシュウウウ…という音とともに、映像のガーベラが枯れ、ノイズが鳴り始める。ちなみに、調べてみたらガーベラの花言葉には希望とか前向きな意味がある模様。

「おはよう」→ノイズの合間から、“Let’s sing a song”と子供の声による歌が途切れ途切れに聴こえてくる。やがて音の輪郭がはっきりし、バンドイン。曲中、黒バックに白い文字で歌詞が大写しになる。

・子供の声の“GO!”のあと、客席では探り探りヘドバン。でもその後は手をあげるでもなく、それぞれが好きなように聴くというパターン。

“前だけを見て走り抜けることが 僕は正しいと思えない”という歌詞のところで、赤い照明に照らされた千秋さんが、客席の柵に足をかけながらバッと指を差していたのが恐ろしくカッコよかった。人波に逆らっていくようで。

・音源が先行公開されたときは、これまでとは違った雰囲気の楽曲だし、タイトル「おはよう」だし、むしろライブ演奏の序盤までちょっとおもしろがっていたところもあったんですが、途中から引き込まれてしまった。



「宗教」“黄緑の声が”“きみたちの声が”に変えて歌っていた。たしか映像は能面(女面)。

「包丁の正しい使い方〜思想編〜」→千秋さんとSaZさんはフロアに降りたり、ステージに戻ったり、今どこにいるのかもうわからず(笑)。

・フロア中央下手端の柵に登った千秋さん。突如「ドラムソロ! ドラムソロ!」と煽り出し、それに便乗してコールするオーディエンス。が、SORAさんはイヤモニしているのもあってか、なにを言っているのかわかっていなくて、???と怪訝な顔。

・その後SaZさんがステージに戻り、SORAさんに耳打ちで伝えて無事ドラムソロ。

・SaZさんのベースを借りた千秋さんが、リズムに合わせて「1、2、3、4、5、6、7、8!!!」と言って、観客にリピートさせる。途中、「イル、イー、サム、サー…!! 韓国語で!」とも。

「あー長くなっちゃったな〜」と言いながらも、上手端にいたMiyakoさんからギターを奪い、逆ダイパートをループさせ続ける千秋さん。みーちゃん、ステージ前方で観客を煽る。

「セイオン」→「ぼくたちの正しい音だ!」みたいなことを言っていた。

「包丁の正しいと使い方〜終息編〜」→この曲も千秋さんがやりたい放題で、「ニセモノばかっりでさ〜。真ん中にホンモノがあると思うんだ! このへんに!」と言い、WODのために二手に分かれた観客の間に降り立つ。

「秘密」→観客が座って土下座ヘドバンするところで、みんな右に倣えなんだよなーといったニュアンスのことを千秋さんが言っていた。しかし、立ったままの男性客が1人いて絡む。

「擬死」→ステージ後のトーチに火が灯る。10本くらいあった。SORAさんの真後ろにもあったので暑そう。DEZERTは銀テープ飛ばさないよなーと思っていたので、なるほど火という手があったか〜と思った。

・演奏終了後、残響音の中、千秋さんさんがお立ち台に手をついてずっと頭を振っていて狂気。


―アンコール―

「遭難」→久々に聴けた。真面目にしっかり聴かせる。

・ここでタオルを頭にパサっと乗せて目元を隠した千秋さんが、「どうも」と挨拶し、ボソボソとMCをし始める。

きみたち空気を読んで、みたいなこと言ったときに、自由人Miyakoさんがジャラーン!とギターを鳴らす。「アンコール、演るのイヤなんです。自分がライブに行ったときもアンコール観ないで帰るんで。いまも帰った人いるでしょ」といった話もしてました。

以下ニュアンス。

千秋:最近、まわりの人が優しいんです。きみたちやないで? きみたちの視線はいつも僕の心を傷つける……(一同笑)。まわりの人は優しいんです。

でも、なんでバンドをやってんの?ってよく聞かれるんです。存在証明とも違うし、音楽でだれかを救いたいというのも違うし……。っていうか、(前のめりになりながら大きな声で)なんで! おれたちの! 作った曲で! きみたちを! 救わなきゃいけないの!

……メンバーにも聞いたんです。Miyakoくんは「バンドやりたいから!」って言って話にならないしさ! (SORAのほうを見ながら)「なに? バンドやめんの? やりたくないの?」とか言うし! (SaZのほうを見ながら)「ヒゲ生やしていい?」とか聞いてくるし!!

客席:かわいいー!

SaZ:かわいくはないでしょ(苦笑)

千秋:1ヶ月くらいずっと考えてて……。で、気づいたんです。全部「無意味」だって。バンドをやってることも無意味。親も無意味。子供も無意味。すべてを照らす太陽も無意味! そう考えると幸せになれます。……この言葉の意味が、3年後くらいにわかるようなバンドになりたいと思います……(←話の出口がわからなくなって無理やりいいこと言った感)

……この音も無意味! きみたちの声も無意味! (ワンマンツアーの)名古屋でも言ったんだけどさ、きみたちはただの民なの! 民!

ブスなやつの脳みそも、整形でかわいいやつも、豊胸してるやつの脳みそも無意味! (Miyakoを見ながら)ちょっとイケてる顔の脳みそも、(SaZを見ながら)ヒゲの脳みそも、(SORAを見ながら)ヤンキーの脳みそも無意味です! きみたちの声も無意味だ!

でも、もう少し無意味なことを続けていこうと思うんです! クスリなしでね! クスリなしでねっ! 「脳みそくん。」!!!


「脳みそくん。」「MONSTER」と続け、「勝負しようぜーー!」と、だんだんと高速テンポになっていく「doze.」を畳みかける。

「切断」「女の人ー? 女いるの? 男ー! 男ー! ち■こついてんのかー! 最後にひとつだけ聞かせてくれ! 生きてんのかーーー!」と叫ぶ。

「ピクトグラムさん」「生きたくなくて死ねない音でいいじゃん!!!」と千秋さんが吐き捨てるように叫んで曲が始まる。イントロ中「生きてればいい! 生きてればいい!」とも。同期ありできれいな演奏。

“ピクトをあげるから”“グラムをあげるから”の部分を、“傷跡をあげるから”と言い換えて歌っていてグッときた。ラストの“意味のない朝なんて何度でも迎えるから”も、“意味のない夜なんて何度でも作るから”と。この「夜」は、ライブのことを言っているように感じた。

・いつものように長居せずステージ袖へ去っていくメンバー。最後まで残ったSORAさんが下手のマイクで「また会おう」と言い残し終演。




アルバムを引っさげたツアーのファイナルでありながら、アルバム曲は6曲しか演奏しなかったんですね。今思えば、現時点でのDEZERTベストっぽいライブだったようにも思います。演出も豪華で、今の力量でできることは全部やった!って感じでよかった。

アンコールの千秋さんのMCをちょっと考察。
「無意味」という言葉には、どこか「虚無」や「絶望感」といったマイナスなイメージがあるじゃないですか。でも、千秋さんは無意味と説きながらも、絶望だとかあきらめはしていなかったと思うんです。

ライブ後日、「無意味」について調べていたんですけど、千秋さんの言う「無意味」は、ニーチェの能動的ニヒリズムに近いかもしれないなーと思いました。能動的ニヒリズムとは、自分でその価値を見つける、だからこそ日々を・瞬間を全力で生きる、といった考えらしくて。お釈迦様の「色即是空 空即是色」もちょっと近いのかな? 宗教・・・というか哲学・・・†

もっと単純に考えると、バンドをやっている意味や、歌う意味や、いろんなしがらみをいちいち気にしていたらキリがない。バンドをやりたいからやるし、歌いたいから歌う、ともとれるような気がしました。すべてを無意味だと思えば自由になれると。

この日、メンバーみんないい表情をしていたんですけど、笑顔がどこかあどけなくて、あー20代バンドだ~って思って。そのあどけなさや、ちょっと反抗期みたいなところもひっくるめて、素直でおもしろいバンドだなと感じたんですよね。たとえ悪いオトナたちがやってきても、ひょうひょうとかわしていけそうだなとも思いましたし。

あと、「ピクトグラムさん」で言い放った「生きたくなくて死ねない音でいいじゃん!!!」という言葉なんですが、ウレぴあのライブレポートでは、「音」じゃなくて「こと」になっているんですよ。でも、わたしは「音」と言ったように聴こえて。

新曲「おはよう」の歌詞に、“生きたくないのに死ねないこの鼓動は”というフレーズがあるんですが、そこにかぶせてるのか!と、ライブ中に思ったので。“鼓動”=“音”=“生命”。「おはよう」の歌詞はバンドのことで、覚醒のような意味合いなのかなと。

深読み大好き人間なので、つい意味を考えてしまう。こんなことを思ったというメモ程度に書き留めておきます。



【SET LIST】
01.(SE)
02.「あー。」
03.「君の子宮を触る」
04. 肋骨少女

05.「遺書。」
06. 大塚ヘッドロック
07.「殺意」

08.「追落」
09.「おはよう」
10.「宗教」

11. 包丁の正しい使い方~思想編~
12.「教育」
13.「不透明人間」
14.「セイオン」

15. 包丁の正しい使い方~終息編~
16.「秘密」
17.「擬死」


ーENー
18.「遭難」

19. 脳みそくん。
20. MONSTER
21. doze.
22.「切断」
23.「ピクトグラムさん」