(↑来場者に配布された「コートofレイン」のバックプリント。初日と2日目では色・デザインが違った)
冗談めかしてさらりと言う。
「世界一“テキトー”なバンドだと自負しておりますので」
開始早々「こんな(露出の高い)衣装だけど暑くて。水をたくさん飲むから今小便したいんだよね」と、言わなくてもいいカミングアウトをしたり、終演後に解禁予定だったツアー情報をバラしそうになったりと自由奔放な石井。それを“いつものことね”というようにすかさず取りつくろう青(その際、6/28に新宿LOFTで開催される青のバースデーイベントの話にすり替えられ、ほかのメンバーも出演するかもしれないということが匂わされた)。
「cali≠gari至上最大のヒットシングル、「ゼリー」!!!」と、これまた過大なハッタリをかます研二郎。昨夜の公演でパニック症状を起こしかけたというデリケートな問題を、あっさり石井にバラされて苦笑いする寡黙な誠。
しかし、そんなひっちゃかめっちゃかで、テキトーで、気まぐれの集まりのような4人(失礼)もひとたび集まれば、こんなにもたくさんの人々を熱狂させ、なんだかんだでまとまっているバンドになるのだから、やはり感心してしまうわけである。言ってしまえば、それがcali≠gariなのだと思う。
「このバンドは一度終わってるんですよ。それなのにまた同じメンバーで同じステージに立てるなんてね」と目を細めて語る青の姿にグッときてしまったのも正直なところだ。
2日目のライブは、初日とはまた違った新旧オンパレードのセットリストとなった。
定番の「エロトピア」からはじまり、会場が“やった”という喜びのさざめきに満ちた「せんちめんたる」、新たなアレンジを施し、きらびやかな印象も与えた「デジタブルニウニウ」、開放的な空の下で演奏される光景が詞世界と繋がった「ママが僕をすててパパが僕をおかした日」などなど。
その中には昨日も演奏された新曲2曲も組み込まれていた。「ウッ!ハー!」と合いの手が入るデジタル色の強い「娑婆乱打」、情景を思い起こさせる散文詩のような歌詞と、バックのスクリーンに映しだされたオレンジ色の夕焼けが哀愁を誘った「東京、43時00分59秒」。
「娑婆乱打」に関しては、石井が「新曲とは思えない盛り上がりですね!」というお褒めの言葉(?)を述べるほど、すぐに順応する観客の姿が目を引いた。
昨日より開演が1時間早いこともあり、アンコールの「オーバーナイト ハイキング」で、観客の持った懐中電灯の光が自然光にかき消される……という野外ならではの演出ハプニングがあったものの、ダブルアンコールではcali≠gari流キラーチューンの「失禁」や「37564」、トリプルアンコールでは、銀テープが舞った「ブルーフィルム」や2回目の「エロトピア」など、サービス精神満載かつライブ映えする楽曲群を披露。
そのころには完全に日も落ち、オフィス街のど真ん中で「S■Xは好きですかー!」「イエーイ!」と恒例のコール&レスポンスも繰り広げられ、青が客席脇の階段を駆け上って、スプリンクラーから放出される水しぶきを浴びながらギターをかき鳴らす場面も。二夜連続の真梅雨のライブは、真夏を呼び込んでしまうほど熱狂のうちに幕を閉じた。
……その後、スクリーンには事前告知されていた「全国トゥワー発表!緊急記者会見」の茶番劇ふう映像(オフィシャルサイトでは19日20:30より公開。現在は公開期間終了)が映しだされ、ニュウシングル「#」が夏にリリースされるということと、10月に行なわれる全8公演の全国トゥワーの詳細が発表された。
どうやらテキトーバンドの快進撃は下半期もまだまだ続くようだ。トベコンチヌエド・・・である。
cali≠gari
6/19【#7 10th Caliversary GIG「真梅雨の野外~再起Do?~」】at 日比谷野外大音楽堂
【SET LIST】
01.エロトピア
02.反ッ吐
03.せんちめんたる
04.マネキン
05.マッキーナ
06.スクールゾーン
07.夏の日
08.ママが僕をすててパパが僕をおかした日
09.デジタブルニウニウ
10.散影
11.娑婆乱打(新曲)
12.ゼリー
13.-踏-
14.混沌の猿
15.グッド、バイ
-EN-
16.オーバーナイトハイキング
17.続、冷たい雨
18.東京、43時00分59秒(新曲)
-EN2-
19.ハイカラ・殺伐・ハイソ・絶賛
20.失禁
21.37564
-EN3-
22.ブルーフィルム
23.エロトピア