in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

6/19 cali≠gari【#7 10th Caliversary GIG「真梅雨の野外~再起Do?~」】at 日比谷野外大音楽堂

2011-06-23 22:00:00 | ライブレポート

(↑来場者に配布された「コートofレイン」のバックプリント。初日と2日目では色・デザインが違った)


冗談めかしてさらりと言う。

「世界一“テキトー”なバンドだと自負しておりますので」

開始早々「こんな(露出の高い)衣装だけど暑くて。水をたくさん飲むから今小便したいんだよね」と、言わなくてもいいカミングアウトをしたり、終演後に解禁予定だったツアー情報をバラしそうになったりと自由奔放な石井。それを“いつものことね”というようにすかさず取りつくろう青(その際、6/28に新宿LOFTで開催される青のバースデーイベントの話にすり替えられ、ほかのメンバーも出演するかもしれないということが匂わされた)。
「cali≠gari至上最大のヒットシングル、「ゼリー」!!!」と、これまた過大なハッタリをかます研二郎。昨夜の公演でパニック症状を起こしかけたというデリケートな問題を、あっさり石井にバラされて苦笑いする寡黙な誠。

しかし、そんなひっちゃかめっちゃかで、テキトーで、気まぐれの集まりのような4人(失礼)もひとたび集まれば、こんなにもたくさんの人々を熱狂させ、なんだかんだでまとまっているバンドになるのだから、やはり感心してしまうわけである。言ってしまえば、それがcali≠gariなのだと思う。
「このバンドは一度終わってるんですよ。それなのにまた同じメンバーで同じステージに立てるなんてね」と目を細めて語る青の姿にグッときてしまったのも正直なところだ。


2日目のライブは、初日とはまた違った新旧オンパレードのセットリストとなった。
定番の「エロトピア」からはじまり、会場が“やった”という喜びのさざめきに満ちた「せんちめんたる」、新たなアレンジを施し、きらびやかな印象も与えた「デジタブルニウニウ」、開放的な空の下で演奏される光景が詞世界と繋がった「ママが僕をすててパパが僕をおかした日」などなど。

その中には昨日も演奏された新曲2曲も組み込まれていた。「ウッ!ハー!」と合いの手が入るデジタル色の強い「娑婆乱打」、情景を思い起こさせる散文詩のような歌詞と、バックのスクリーンに映しだされたオレンジ色の夕焼けが哀愁を誘った「東京、43時00分59秒」。
「娑婆乱打」に関しては、石井が「新曲とは思えない盛り上がりですね!」というお褒めの言葉(?)を述べるほど、すぐに順応する観客の姿が目を引いた。


昨日より開演が1時間早いこともあり、アンコールの「オーバーナイト ハイキング」で、観客の持った懐中電灯の光が自然光にかき消される……という野外ならではの演出ハプニングがあったものの、ダブルアンコールではcali≠gari流キラーチューンの「失禁」や「37564」、トリプルアンコールでは、銀テープが舞った「ブルーフィルム」や2回目の「エロトピア」など、サービス精神満載かつライブ映えする楽曲群を披露。

そのころには完全に日も落ち、オフィス街のど真ん中で「S■Xは好きですかー!」「イエーイ!」と恒例のコール&レスポンスも繰り広げられ、青が客席脇の階段を駆け上って、スプリンクラーから放出される水しぶきを浴びながらギターをかき鳴らす場面も。二夜連続の真梅雨のライブは、真夏を呼び込んでしまうほど熱狂のうちに幕を閉じた。

……その後、スクリーンには事前告知されていた「全国トゥワー発表!緊急記者会見」の茶番劇ふう映像(オフィシャルサイトでは19日20:30より公開。現在は公開期間終了)が映しだされ、ニュウシングル「#」が夏にリリースされるということと、10月に行なわれる全8公演の全国トゥワーの詳細が発表された。

どうやらテキトーバンドの快進撃は下半期もまだまだ続くようだ。トベコンチヌエド・・・である。

cali≠gari
6/19【#7 10th Caliversary GIG「真梅雨の野外~再起Do?~」】at 日比谷野外大音楽堂

【SET LIST】
01.エロトピア
02.反ッ吐
03.せんちめんたる

04.マネキン
05.マッキーナ

06.スクールゾーン
07.夏の日
08.ママが僕をすててパパが僕をおかした日

09.デジタブルニウニウ
10.散影
11.娑婆乱打(新曲)

12.ゼリー
13.-踏-
14.混沌の猿
15.グッド、バイ

-EN-
16.オーバーナイトハイキング
17.続、冷たい雨
18.東京、43時00分59秒(新曲)

-EN2-
19.ハイカラ・殺伐・ハイソ・絶賛
20.失禁
21.37564

-EN3-
22.ブルーフィルム
23.エロトピア

6/18 9GOATS BLACK OUT【the Retrospect 追憶と夢 day2[Howlingbird at the Hell act 3]】

2011-06-23 03:57:18 | ライブレポート
「僕にとっての“光”はメンバーであり、君たちでした」

こんなにも純度の高い「歌いたい」という気持ちをもってステージに上がるボーカリストを、わたしはほかに知らないかもしれない。

6月17日~19日の3日間にわたり開催されたワンマンライブ“the Retrospect 追憶と夢”。
それぞれの公演には、“Bright Garden”、“Howlingbird at the HELL”、そして“the Orphee”と、これまでのワンマンライブのタイトルが副題として付けられている。

中日にあたる18日の公演は、2009年9月に行なわれた“Howling bird at the hell”と、同年11~12月に行なわれた東名阪ツアー“ Howlingbird at the Hell act II”につづく再演。とはいえ、当時のセットリストをなぞるわけではなく、いまの9GOATS BLACK OUTがつくる“Howling bird at the hell”のステージである。

「ようこそ。この世は地獄だ」

冒頭にryoが告げた台詞のように、激情にまみれた黒の世界を描きつつも、「Den lille Havfrue」や「Sleeping Beauty」では包み込むようなやさしさの側面も魅せるというすばらしいライブだった。ryoの紡ぐ唄を彩るように、utaとhatiはときに激しく、ときに繊細に音を重ね、まるで1曲1曲それぞれに景色をつけていくようなライブを展開していった。

さらに特筆すべきは、ryoが公演と本公演のストーリーの種明かしを自らしたことだろう。
「鳥」をモチーフにした一編の物語。挫折や絶望、苦しみを味わいながら、それでも飛ぼうとする鳥。やがて、自分は鳥ではなく、いつまでも暗い洞窟から抜け出せない蝙蝠だったと気がつく。それでも「飛びたい」「外に出たい」と自分の殻を破ろうとする。ryoはその鳥(あるいは蝙蝠)を、自分自身に重ね合わせていたとも口にした。

その事実は観客に驚くべき衝撃を与えた……というよりは、まるで謎解きの答えを聞いたような――「やはりそうか」という安堵にも似た空気をもたらした。


――まったく、良き理解者に囲まれたバンドである。

観客一人ひとりがこれまでのライブ、またはこの日のライブを通して、バンドの提示するストーリーを噛み砕き理解する、という行為を行なったことによって、ryoの言葉が、パズルの最後のピースをはめ込むようにぴったりとバンドとファンの隙間を埋めたよう感じたのだ。
それは、コンセプチュアルに作品やライブを作りだしてきた9GOATS BLACK OUTの表現が伝わった、間違っていなかったと照明された瞬間でもあった。

ryoはutaとhati、そして、サポートメンバーのakayaとtakumiに、それぞれ感謝の言葉を述べた。メンバーは照れ臭そうにしながらも、だまってそれを聞いている。
そして、自身の父の死を重ね合わせたという「Heaven」の演奏終了後、ryoはゆっくりと一礼をしたのち、客席を見つめたまま呆然と立ち尽くしてしまった。うっすら涙ぐんでいたようにも思う。

その涙の意味を知った観客は、明日もまだ公演が控えているにも関わらず、まるでファイナル公演を見届けたあとのように3人の背中に拍手を贈り続けた。終演アナウンスが流れるまでそれが続いたことは言うまでもない。

朝から降り続いていた雨が止みはじめた、21時前の出来事である。


9GOATS BLACK OUT
6/18【the Retrospect 追憶と夢 day2 [Howlingbird at the Hell act 3]】
at 高田馬場CLUB PHASE

【SET LIST】
01.sink
02.belzebuth
03.red soes

04.raw
05.SALOME
06.Lestat

07.Den lille Havfrue
08.Sleeping Beauty
09.in the rain

10.moses~ROMEO
11.夜想 -nocturne -
12.float

13.690min
14.BABEL
15.Who's the MAD
16.headache

-EN-
17.宛名のない手紙
18.天使
19.Heaven

6/12 E.T始動&1stMAXISINGLE発売記念主催「NO GENRE LOUD FES, Vol.1」at 目黒鹿鳴館

2011-06-18 16:06:25 | ライブレポート


ひさびさロクメー!
バタンバタンうるさかったトイレのドアが改修されていておどろき!ただ空調は安定のうるささをキープ。

◇ANGRAYSE◇

Vo.Raya(L'eprica)
Gt.シビィ(DISH)
Ba.時雨(ex.uBuGoe)
Dr.奈良稔(additional dr)

どうやら90年代のロクメーにタイムスリップしてしまったみたい……。
去年から今年にかけて界隈で黒服流行ってるよね!この調子!!(なにが)

どことなくなつかしい曲が多かったので、カバーなのかな~と思ったのですが、なんとオリジナル曲だったもよう。Twitterで情報を追っていたら、2時間で4曲作ったのだとか。
シビィさんのざっくり弾くギターがいい味だしていました。

予約者20名にカセットテープを配布していたみたいです。大人の本気の遊びは最高だよ・・・†




ReivieЯ

なんだか印象が変わったー。誠さんのギターも黒いレスポールに変わったー。
人気が出そうなバンド、というイメージを持っていたのですが、残念ながら8月2日の高田馬場AREA公演をもって解散が決定しているんですよね。

似たようなバンドがたくさんいる中で飛び抜けていくのはやっぱり難しいのでしょうか。




404NOTFOUND

フォーオーフォーノットファウンドと読みます。よんまるよんのっとふぁうんどと脳内変換してしまっていたわたくしですが、よろしくどうぞ。

名古屋バンド。ですがヴィジュアル系ではなくミクスチャーのロックバンド。
meth.のボーカルを務めていたakitoさんが陽斗-akito-として2010年の秋に加入したそう。短髪、すっぴん、半ズボン!目のまわりをがっつり黒くしていた彼とは思えない変貌ぶりでした(すっぴん今田◯司さんに似ているなあ~と思ったことは秘密である)。「ひとつになろうぜ!」とかハッピーに言ってたし。ひゃー。

楽器陣が巧くて、上手ギターの方にいたっては、「いったい引き出しいくつあるの!?」というくらいバリエーションにとんでいて飽きなかったです。




Homosapiens

2010年にジュリィーの杏太さんが加入したバンド。ほかのメンバーは四国在住だそうです。
この日の出演者の中でいちばん好きなステージでした。ボーカルのヨコヤマトヲルさんオーラあったなあ。ライブ観ているときは名前すら知らなかったんだけども。
パーカーのフードを被り、フチの白いサイバーっぽいサングラスをかけたまま歌っていた。途中でサングラスとフードをとったものの、長い前髪と薄暗い照明で顔はよく見えない。

荒っぽい歌い方なんだけれど、どこか繊細さも含まれていて惹きつけられてしまいました。というか、たたずまいが「あ、ちょっとほかと違うな」っていう感じ。

杏太さんはストラト弾いていました。相変わらずカッコいいー。また観たい、と思えるバンドでした。




快進のICHIGEKI

音の厚みがごいすー!ボーカルさんの歌唱力も半端ないので埋もれることなく、むしろ厚みが増しているっていうくらいの勢いで。男気にあふれるバンドさんでした。

演奏後にアンケートをバインダーつきで「お願いします!」と配っていらっしゃった。ひさびさに見る光景。
なにをイメージして衣装を作ったのか、ライブ中にずっと気になっていたので、アンケートを渡しがてらドラムの佑一さんに聞いてみたのね。

「衣装のコンセプトってなんですか? 忍者? サムライ?」
「ん~わかんないっす☆」
「( ゜Д゜)ポカーン・・・」

自分のバンドのことを「わからない」ってどうしてー!
音がいいから変に飾り立てずにTシャツとかでもいいんじゃないかなと思いました。




E.T

本日の主催であり、記念すべき始動ライブを迎えたバンド。
ボーカルさんはex.gazelleの浩さんなんだけど、わたしgazelleを観たことがないんだな(おい)

ライブは楽器陣のみ板つきでスタート。事前にHPで公開されていたアーティスト写真と同じく、馬のマスクをつけたまま演奏していました。「まさかこのままずっとマスクマンのまま?(でもそれちょっと楽しい)」と思ったら、浩さんがステージに現れたあとに、1人ずつマスクを外していました。

上手ギターの学ぶさんと、ベースの雄大さんは短髪。下手ギターの総士さんは黒髪パーマ。ドラムの亜星さん(HPにSPの文字があるのでサポートなのかも)はストレートで筋盛りふう。テイストなんでもあり、みたいな。

ヴィジュアル系をやりたいのか、がっつりミクスチャーをやりたいのかよくわからず……きっと融合させたものをやりたいんだろうなあとは思ったのだけども、どちらも中途半端で魅力を相殺してしまっていたような気がします。


写真のインパクトが強かったので期待しすぎていた部分があったかもしれないですね。MCも(ボーカルさんだけだけど)ふつうにとっていたし、なによりボーカルのピッチが不安定でがっかりしてしまった部分があります。ミステリアスなオーラとキレたパフォーマンスがもっとほしかったかも。
場数を踏んだころにまた観る機会があれば……。

と、意外に長時間なイベントでしたー。