菅官房長官は28日のフジテレビ番組で、2014年4月に予定されている消費税率の8%への引き上げについて、4~6月期国内総生産(GDP)改定値(2次速報)が9月9日に公表されるのを踏まえ、「改定値が発表されて以降、秋の臨時国会までに判断する」と述べた。
菅氏は消費増税について、「デフレ脱却は一大事業だ。ありとあらゆる指標、可能性を国民に示した方がいい。そういう中で、財政健全化や市場の動向などを考え、首相自身が判断する」と強調した。8月上旬に策定する中期財政計画にしばられず、慎重に判断する考えを示したものだ。
また、1997年度に消費税率が5%に引き上げられ、翌年度から税収が落ち込んだことに触れ、「その時の反省の上に立って、今、勉強している。なぜそうなったのか、何の対策があればそうならなかったのか、検証している」と語った。
(2013年7月28日20時24分 読売新聞)
【感想】
選挙戦ではあまり争点化されなかった消費増税ですが、庶民や中小零細企業にとっては非常に重要な問題です。
予定通り来年4月に消費税が8%になると、政府が目指しているデフレ脱却と財政健全化は遠のくのではないかという観測も流れ、増税幅を毎年1%ずつ小刻みに引き上げていく案などについても検討され始めているそうです。(2013年7月28日ロイター通信など)
最近、アベノミクスは決して一枚岩ではない、という印象を強く感じます。選挙に勝つまでは強固な一枚岩にしておく必要があったけれど、選挙が終わって現実路線に引き戻されると、TPP交渉にしてもそうですが、なかなか自民党が思い描いた通りには行かないのが現実の様です。
消費税の3%アップ分が、円安の影響でただでも上がって来ている小売価格に転嫁されると、当然のことながら消費は冷え込みます。
仮に増税分を小売価格に転嫁せず据え置いたとしても、生産者の売上げには必ず消費税が課せられるので、結果的に中小零細企業の経営を圧迫してしまい、景気の回復には繋がりません。
新聞記事にもあるように、1997年度に消費税率が5%に引き上げられ、翌年度から税収が落ち込みましたが、この時には、北海道拓殖銀行や山一証券の破綻なども重なって、日本経済、特に北海道経済はガタガタになりました。
私は当時まだ建設コンサルタントとして、国や道、市町村などの公共事業の調査・計画・設計に携わっていましたが、1997年度をピークに、翌98年度から右肩下がりで公共事業の予算が減り続け、建設コンサルタント業界は今も厳しい状況が続いてます。
1997年に北海道拓殖銀行が破綻した時の直接的な原因は、信用不安によって資金調達が出来なかったことですが、それまでに増え続けた膨大な不良債権の処理が上手くできなかったことが大きな原因だったと記憶しています。
今、国と地方を合わせると一千兆円近い借金(発行済み国債などの長期借入金)を抱えており、消費増税で逆に景気が悪化してしまうと、信用不安により大量の国債などが売りに出されて、景気悪化に拍車をかけてしまうという観測も流れています。
日本で最も販売部数が多い読売新聞が記事に取り上げているくらいですから、実情はかなり深刻なのではないかと推測できます。
日銀の異次元緩和で市中に出回るお金の量を2倍にしても、円安差益で利潤を手にした企業がその分を内部保留に回しているのが実態ですから、消費増税分を税収アップや借入金の返済に上手く環流するような施策を考えないと、1997年度と同じ轍を踏むことになります。
菅官房長官は「その時の反省の上に立って、今、勉強している。なぜそうなったのか、何の対策があればそうならなかったのか、検証している」と述べましたが、ぜひ十分な検証をおこなって有効な対策を打ち出して戴きたいと思います。
個人的には、今の市場優先の資本主義経済では結局は同じ事の繰り返しになってしまう、と思ってるんですが、それじゃ、それに代わる経済システムは何なのかとなると、非常に難しい話になってしまいます。
20世紀末に旧ソ連や東ヨーロッパなどの社会主義システムが崩壊してから、資本主義経済の1人勝ちが続いていますが、資本主義経済という自動車にはブレーキが付いてません。
常に対前年比を上回ることを義務付けられている企業にとって、目指すは成長しかありません。
ですから、ブレーキをかけて成長を止めることは資本主義経済に反する行為とみなされます。
そして、成長し続けるとしだいに暴走し始めてだんだん手に負えなくなってしまいます。
その代表例が、1990年前後に起きた日本のバブル経済発生と崩壊です。
資本主義経済を健全に運営するためには、内部にブレーキを付けなければなりません。
ブレーキ無き自動車などあり得ないのと同様に、本来はブレーキ無き資本主義経済など成り立たない
はずです。
これからの人類の進むべき道として、資本主義経済にブレーキを付ける方法を考えてみましょう!!
菅氏は消費増税について、「デフレ脱却は一大事業だ。ありとあらゆる指標、可能性を国民に示した方がいい。そういう中で、財政健全化や市場の動向などを考え、首相自身が判断する」と強調した。8月上旬に策定する中期財政計画にしばられず、慎重に判断する考えを示したものだ。
また、1997年度に消費税率が5%に引き上げられ、翌年度から税収が落ち込んだことに触れ、「その時の反省の上に立って、今、勉強している。なぜそうなったのか、何の対策があればそうならなかったのか、検証している」と語った。
(2013年7月28日20時24分 読売新聞)
【感想】
選挙戦ではあまり争点化されなかった消費増税ですが、庶民や中小零細企業にとっては非常に重要な問題です。
予定通り来年4月に消費税が8%になると、政府が目指しているデフレ脱却と財政健全化は遠のくのではないかという観測も流れ、増税幅を毎年1%ずつ小刻みに引き上げていく案などについても検討され始めているそうです。(2013年7月28日ロイター通信など)
最近、アベノミクスは決して一枚岩ではない、という印象を強く感じます。選挙に勝つまでは強固な一枚岩にしておく必要があったけれど、選挙が終わって現実路線に引き戻されると、TPP交渉にしてもそうですが、なかなか自民党が思い描いた通りには行かないのが現実の様です。
消費税の3%アップ分が、円安の影響でただでも上がって来ている小売価格に転嫁されると、当然のことながら消費は冷え込みます。
仮に増税分を小売価格に転嫁せず据え置いたとしても、生産者の売上げには必ず消費税が課せられるので、結果的に中小零細企業の経営を圧迫してしまい、景気の回復には繋がりません。
新聞記事にもあるように、1997年度に消費税率が5%に引き上げられ、翌年度から税収が落ち込みましたが、この時には、北海道拓殖銀行や山一証券の破綻なども重なって、日本経済、特に北海道経済はガタガタになりました。
私は当時まだ建設コンサルタントとして、国や道、市町村などの公共事業の調査・計画・設計に携わっていましたが、1997年度をピークに、翌98年度から右肩下がりで公共事業の予算が減り続け、建設コンサルタント業界は今も厳しい状況が続いてます。
1997年に北海道拓殖銀行が破綻した時の直接的な原因は、信用不安によって資金調達が出来なかったことですが、それまでに増え続けた膨大な不良債権の処理が上手くできなかったことが大きな原因だったと記憶しています。
今、国と地方を合わせると一千兆円近い借金(発行済み国債などの長期借入金)を抱えており、消費増税で逆に景気が悪化してしまうと、信用不安により大量の国債などが売りに出されて、景気悪化に拍車をかけてしまうという観測も流れています。
日本で最も販売部数が多い読売新聞が記事に取り上げているくらいですから、実情はかなり深刻なのではないかと推測できます。
日銀の異次元緩和で市中に出回るお金の量を2倍にしても、円安差益で利潤を手にした企業がその分を内部保留に回しているのが実態ですから、消費増税分を税収アップや借入金の返済に上手く環流するような施策を考えないと、1997年度と同じ轍を踏むことになります。
菅官房長官は「その時の反省の上に立って、今、勉強している。なぜそうなったのか、何の対策があればそうならなかったのか、検証している」と述べましたが、ぜひ十分な検証をおこなって有効な対策を打ち出して戴きたいと思います。
個人的には、今の市場優先の資本主義経済では結局は同じ事の繰り返しになってしまう、と思ってるんですが、それじゃ、それに代わる経済システムは何なのかとなると、非常に難しい話になってしまいます。
20世紀末に旧ソ連や東ヨーロッパなどの社会主義システムが崩壊してから、資本主義経済の1人勝ちが続いていますが、資本主義経済という自動車にはブレーキが付いてません。
常に対前年比を上回ることを義務付けられている企業にとって、目指すは成長しかありません。
ですから、ブレーキをかけて成長を止めることは資本主義経済に反する行為とみなされます。
そして、成長し続けるとしだいに暴走し始めてだんだん手に負えなくなってしまいます。
その代表例が、1990年前後に起きた日本のバブル経済発生と崩壊です。
資本主義経済を健全に運営するためには、内部にブレーキを付けなければなりません。
ブレーキ無き自動車などあり得ないのと同様に、本来はブレーキ無き資本主義経済など成り立たない
はずです。
これからの人類の進むべき道として、資本主義経済にブレーキを付ける方法を考えてみましょう!!