北のパラダイス

思いつくままにいろいろな事を発信していきたいと思います。

サッカー日韓戦に想う

2013年07月30日 | スポーツ
社説:日韓戦の横断幕 観客もフェアプレーで
【毎日新聞 2013年07月30日 02時32分】

 ソウルで開催されたサッカーの東アジア・カップ最終日(28日)、男子の日本対韓国戦で両国の難しい関係をさらに悪化させるような出来事があった。試合開始から間もなく、歴史問題にからむ巨大な横断幕が韓国側の観客席に掲げられたのだ。前半終了後に撤去されたが、競技場での政治的メッセージを伝える応援を禁止した国際サッカー連盟(FIFA)の規定に違反する疑いがある。

 横断幕は縦数メートル、横30〜40メートルで、「歴史を忘れた民族に未来はない」とハングルで書かれていた。また、試合開始直前には、初代韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺し、韓国で英雄視されている安重根(アン・ジュングン)の肖像とみられる幕も登場し、スタンドのほとんどを埋めた韓国人の観客から大きな歓声が上がった。

 一方、日本側の応援席では、韓国においては戦前の日本による植民地支配の象徴とされがちな「旭日旗(きょくじつき)」が掲げられる場面があった。

 今大会では、女子の韓国対北朝鮮戦で「祖国は一つ」と書かれたプラカードや、南北が国際大会で統一チームを構成した際に使用される「統一旗」を掲げた観客もいて、主催者側に制止されている。

 昨年のロンドン五輪では、男子の日韓戦後、韓国の選手が観客から手渡された竹島(韓国名・独島)の領有権を主張するメッセージを掲げたことが問題となり、FIFAから出場停止などの処分を受けた。

 スポーツの中でも、とりわけサッカーは見る側のナショナリズムを刺激しやすい。本来はグッドゲームをともに作り上げる相手を「敵」とみなしがちで、負けると相手への憎しみを感じたりする場合もある。

 だからこそ「12番目の選手」とも言われる見る側は悪循環を断ち切るためにも、過度な感情移入は慎み、抑制的でありたい。

 選手レベルでの両国の交流は日韓共催だった2002年ワールドカップ大会を契機に加速している。先月就任した韓国の洪明甫(ホンミョンボ)監督はJリーグの柏などでプレーした経験を持ち、東アジア・カップ日本戦の先発メンバー11人の中には2人のJリーガーがいた。女子も同様だ。27日の日本戦で2ゴールを決めて勝利に貢献した韓国の池笑然(チ・ソヨン)選手は普段、日本のINAC神戸でプレーしている。

 ピッチ上で問われるのはサッカーの技術や相手をパートナーとして尊重する態度であり、国籍、人種、民族、宗教などは決して持ち込まないことは世界共通の了解事項だ。その意味で、スポーツの場で政治的なメッセージを主張することは明白なルール違反であり、フェアプレーに努める選手たちの気持ちに背く行為になることを指摘したい。


大韓サッカー協会「特に対応しない」=韓日戦横断幕
【朝鮮日報 2013/07/29 15:43】

 大韓サッカー協会は29日、ソウルで28日に行われたサッカー東アジア・カップ男子の韓日戦で、韓国の応援団が観客席に「歴史を忘れた民族に未来はない」とハングルで書かれた横断幕を掲げたことについて、特に対応する計画はないと明らかにした。

 共同通信や産経新聞、読売新聞など日本の主要メディアが、この横断幕を写真付きで報じた。共同通信は主催者側によって試合中に撤去された巨大横断幕について、歴史問題で日本を非難するものだとした上で、「応援時の政治的な主張を禁じる国際サッカー連盟(FIFA)の規定に違反する可能性がある」と伝えた。

 日本サッカー協会の大仁邦弥会長は29日、横断幕が掲げられたことに対し、主催者の東アジア連盟に抗議文を提出した。

 また、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「極めて遺憾だ」と発言。事実関係を確認しており、「明らかになった段階で適切に対応したい」とした。

 一方、同じ試合で日本側の応援団の一部が日本の帝国主義を象徴する旭日旗を掲げたため、主催者側が制止した。大韓サッカー協会は日本側応援団の行為に関し、「東アジア連盟と議論中だ」と述べた。


【感想】

サッカーは大好きなスポーツの1つで、高校時代はサッカー部に所属しウィングのポジション(現在のサイドバック的フォワード)でプレーしてました。

家庭を持ってからも、息子がまだヨチヨチ歩きだった頃に小さなサッカーボールを蹴らせて以来、小・中・高と息子が所属するチームを応援し続けました。

そんな体験から、サッカーは、特に子供達の健全な発育にとって非常に重要なものであることを身を持って経験しました。

サッカーは応援している人達を興奮させるスポーツであることは言うまでもありませんが、一番興奮しているのはプレーしている選手自身です。

私にも経験がありますが、自分が蹴ったボールが得点に繋がった時や自分のミスで得点を入れられた時の興奮は(喜びも悔しさも)、プレーしている本人にしか分かりません。

もちろん観客からの声援は大きな励みになるし、それに応えようと努力もしますが、それ以上に自分達の役割をきちんと果たし、チームの勝利に貢献することに意識と体を集中させるものです。

そんな時に、試合と関係のない政治的な横断幕を掲げられたら、もし自分がピッチに立っている選手の立場だったら「オイオイそんなことやめてくれよ」という気持ちになり、その観客がどんなに応援してくれても決して励みにはなりません。当たり前ですが。

なので、昔の敵国・支配国に勝利するために全力を尽くせ、と鼓舞する韓国応援団の姿は到底理解できないし、スポーツの世界でそれをやっちゃいけない。

ただ、日本の応援席からも「旭日旗(きょくじつき)」が掲げられたというので、火に油を注ぐような行為でやっちゃいけないですね。

昔の敵国・支配国の関係を云々言うなら、ヨーロッパ諸国、中近東諸国、アフリカ諸国、南アメリカ諸国等々、古今東西、数え切れないほどの理不尽な関係が繰り返されて来た訳だから、それをいちいちワールドカップやオリンピックで持ち出されたらどんなことになるのか、言うまでもありません。

スポーツの世界に政治や国際問題を持ち出さないのは世界共通のルールですから、それを守れないというのは何処かが違うんでしょう。

でも、日本はその挑発とも言える行為に乗っかってしまってはなりません。
過去に犯した行為がスポーツの場で蒸し返されるというのは、相手にもそれなりの理由があるかもしれないし、両国の溝を埋めて行けるのもある意味サッカーかもしれません。

しかし、政治が絡むので非常に難しい問題です。
しかも、中国や北朝鮮との関係にも影響するナイーブな問題でもあります。

とどのつまりは、韓国と北朝鮮が和解し南北統一を果たし、日本と中国と南北朝鮮統一国の三ヵ国で平和な東アジア連邦のような関係を構築して行かなければなりません。飛躍しすぎかもしれませんが...

そうなれば、東アジアカップもヨーロッパの欧州選手権や南米のコパ・アメリカのような地域を代表するサッカー大会になれるんではないか?
1人のサッカーファンとしてそれを切に願います。