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僕が子供の頃にはセミと言えば、アブラゼミかニイニイゼミでクマゼミは大木の上の方で鳴いていて、捕まえるのが大変だったセミである。
最近ではアブラゼミやニイニイゼミを見かけなくなって、鳴き叫んでいるのはクマゼミばかりである。
我が家の近くに小さな公園があるので、早朝よりうるさいことである。
目覚まし時計などいらないくらい、シャンシャンシャンと鳴いている。
散歩に出かけた公園の木にはクマゼミが鈴なりであった。
今どきの蝉は手づかみでいくらでも捕獲できる。
思い出せば昆虫採集は夏休みの定番だったが、昨今では昆虫の命を大切にするためか、昆虫採集をしている子を見かけない。
それ用のキットも文具店などで売られていたが、最近では見たこともない。
注射器でアルコールを注入して虫を殺すことで、そうすることの残酷さを身をもって感じていたような気がする。
木登りをしている子も見かけなくなった。
そんな危ない遊びをしてはいけないのだろう。
肥後守というナイフは皆持っていたし、それで柳の枝などを削っていたものだ。
もっとも、柳の木も見かけなくなった。
夏になると長かった夏休みのせいもあって思い出すことばかりである。