孫の入院騒ぎでしばらく大阪を離れていたこともあって映画館に足を運べていなかった。
天気もよさそうなので久しぶりに早朝より出かける。
TOHOシネマズでやっている「キャロル」の上映時間が9:30なので通勤時間帯にぶつかった。
改札口を出ると流れる人並みは通勤客で、遊び人の私とは歩くスピードが違い随分と足早である。
もともと歩く速度が速いと言われる大阪人だが、通勤時間とあってそのスピードは加速されていた。
私は早めに出たこともあって、散歩気分でのんびりと映画館に向かう。
上映スクリーンは別館で、別館で見るのは久しぶりの事だった。
作品は極上の恋愛映画だった。
しかも女性同士の心の交流を描いていて、昨今ワイドショーをにぎわしているゲス達の色恋沙汰とは月とスッポンほどの差があるもので心打たれた。
ケイト・ブランシェットは貫禄あるわあ~。
最後の微笑にはしびれました。
とびきりの美人でもないし、ナイスボディでもないけれど、体を張っての演技にも魅了される。
吉永さんをはじめとする日本の大女優にはできない演技だと感じた。
早朝上映だったので時間がありもう1本ということで「サウルの息子」を見ることにした。
こちらはスゴイとしか言いようのない作品。
スゴイのはナチス強制捕虜収容所の描き方で、僕はこんなの初めて見た。
ホロコースト作品はたくさんあるけれど、ユダヤ人の処刑をユダヤ人が生き延びるために行っているすさまじい内容だった。
ほとんどがその極限状態での作業場面で、それでもなんとか人間らしさを持ち続けようとする姿に感動した。
内容からすればガラ空きになってもいいような作品だが、そこそこの観客がいて良心的な映画ファンがいることを嬉しく思った。
私が良心的かどうかは、はなはだ疑問である。
どちらも秀作!
(映画の詳細はこちらでフィルムセンター)