ロシア産木材の輸入がストップすれば国内の木材の価値が見直されます。
最近、大網白里や茂原界隈でも原木(丸太)を積んだトラックをよく見かけます。
私が家業の材木屋の仕事をするようになって30年以上材木の値段は変わらなかったのです。
いや、むしろ節のない檜の柱材なんて価値を失って暴落するばかりだった。
木材価格の低迷は日本の林業を直撃していたのです。
伐採された原木を製材して木材にするよりもバイオマス発電用の燃料として売る林業家も増えてしまった。
バブル崩壊後の失われた30年の中で木材業界も低迷するばかりでした。
以前は北海道産エゾ松のタルキが主流だったのにやがてロシア産赤松タルキが主流になり
インドネシア産ラワンべニアがロシア産針葉樹合板にシェアを奪われた。
これほど木材資源豊富な日本がどうして輸入木材を使うのでしょうか?
それは貿易不均衡の是正で自動車を買ってもらう代わりに木材を買わされるからでしょう。
北方領土の価値も似たようなもので周辺海域で捕れたカニを日本に売りつけて
その金で日本の中古自動車を買うらしい。
これまでが木材価格が安すぎただけで30年分の物価の上昇率を一気に取り戻しただけなんです。
安くて広い家に住みたいなら田舎に家を建てましょうね。
都内の分譲住宅の価格の7割は土地代金なのです。
マイホーム「予算増か部屋数減か」木材高騰で建築ピンチ…合板は7割高・夏に在庫切れも
ロシア軍によるウクライナ侵攻で、国内の木材価格が上昇している。経済制裁の応酬で、ロシア産木材の供給が停滞しているためだ。住宅や家具の購入など市民生活にも影響が出ており、政府は緊急対策に乗り出した。(虎走亮介)
間取り変更
東京都小平市に一戸建て住宅を建てる予定の会社員男性(36)は5月上旬、住宅建築会社の担当者からこう告げられた。
「ウクライナ情勢のあおりで木材価格が上がっている。予算を増やすか、部屋の数を減らしてもらうしかない」
マイホーム建設は長年の夢だった。長男(6)の小学校入学の時期を考えるとキャンセルはできない。迷いに迷ったが、妻(32)と相談して当初の契約金額5000万円のまま、5LDKから4LDKに間取りを変更することを決めた。男性は「世界情勢が生活にのしかかってくるとは想像していなかった」と肩を落とした。
家具の価格も上がっている。「日本家具産業振興会」(東京)によると、家具大手数社がロシア産タモ材などを使うテーブルや食器棚を10〜20%値上げした。高橋清司専務理事は「原材料の価格や物流費の上昇が要因だ」と話した。
輸入82%が露産
木材価格は、世界的な住宅需要の回復やコンテナ物流の混乱による「ウッドショック」でもともと高騰していた。そこにウクライナ侵攻が拍車をかけた。ロシアは西側諸国からの経済制裁への報復措置として、日本などにチップや薄い板「単板」の輸出を禁止した。
単板は、住宅の屋根や壁に使われる合板の素材となり、昨年、総輸入量(29・4万立方メートル)のうち82%をロシア産が占めた。農林水産省の最新の統計では、針葉樹合板の全国平均価格は3月、1枚2070円で前年同月比で約7割高くなっている。
合板を扱う東京都江東区の木材販売会社「大一木材」では、ロシア産のカラマツを使った住宅用合板の在庫が減った。営業部担当課長の両角直樹さん(56)は「ここまで品薄になるのは災害時を除けば初めて。住宅だけでなく、ビルやマンションの建設にも影響しかねない」と気をもむ。
「ロシアの木材は『紛争木材』とみなす」。国際機関「森林認証制度相互承認プログラム(PEFC)理事会」は3月上旬、そう発表した。PEFCは適切に管理された森林資源の活用を推奨。国内事業を担う「緑の循環認証会議」(東京)の梶谷辰哉事務局長(70)は「ロシア材は国際的に締め出されている。侵攻が続けば業界への影響も大きくなる」とみている。
政府が緊急対策
今後もロシア材の供給が逼迫し、夏以降は業者の在庫が尽きる恐れがある。
政府も国産材への転換支援を進める。物価高騰対策の「総合緊急対策」のうち、林野庁は木材加工業者らを対象に、国産木材の運搬費や調達費を支えるため約40億円を充てる。住宅建築会社や工務店にも、工法変更に必要な費用を支援する。
林野庁木材産業課の斎藤健一課長は「中長期的な対策としても国産材の利用を進め、海外市場の影響を受けにくい需給構造の実現につなげたい」と話した。