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迷い猫ボブとホームレス・ジェームズ

2012-11-15 09:06:25 | Something beautiful
'A Street Cat Named Bob'
このノン・フィクション本は、イギリスで部門第一位になったものです。
来年には日本でも翻訳が出版され、ハリウッドでは映画化も決定しつつあるとか。

このボブとジェームズの話を私が知ったのはフリーランスのジャーナリストでイギリス在住の木村正人氏のブログから。

お定まりの転落人生(両親の離婚、母親の再婚、継父との関係悪化、家出、薬物中毒)を経て
捨て猫・ボブを保護するうちに、彼の中で人生の生きる意味を見出していく話です。

この木村氏も同様に私には興味深い人物です。
彼は大阪西成区出身だそうです。
地元の校区には、な、なんと暴力団組事務所が約100もあったそうな・・・・。

同級生の友人にも組関係者の子弟がいるのは当り前。
もちろん在日の人たちも彼の友人には大勢いたという。

中学校の頃、先生たちから言われたことで忘れられないことがあると書いています:
「君たちはこの出身だ(西成区)ということでこれから差別を受けるかもしれないと思う。でもそんなことをはねのける強さを持ちなさい。」

この校区で教師をするということは、命がけなのだと思い知らされる。
それと共に、児童も教師も人を色めがねでみないということの意味を
再考させられる現場じゃないかと思う。
小さな頃から社会の縮図を身をもって体験してきた人だ。

こういってしまうと、と思いつつ自論を述べれば、
差別の根本にあるのは人間が誰も持っている自分自身の劣等感じゃないのかな?
逆説的だけど、差別される人間が簡単に差別する側に回るってのも
よくある話。
これはいじめの問題とも絡みそうだなぁ。

さて木村氏のこと。
彼は大変な頭脳をもっているようだ。
京大法学部からジャーナリズムの世界に入ったが
既存の枠にとらわれることに嫌気がさしたのだろう。
現在はイギリスから日本のニュースに関して意見を述べる立場をとっている。
自由人の強みだなぁ。

話を戻そう。
私自身も捨て猫ばかりこれまで3-4頭を保護して飼う羽目になっている。
自分は犬派だとばかり思っていたのに、とんだ番狂わせ。
しかし、捨て犬は狂犬病の蔓延の恐れで激減したから
捨て猫が保護される確率は断然多いのも当然だろう。

現在保護し、飼うことになったのは真っ黒のメス猫、くろちゃん。
かなり賢いメス猫なのだ。

保護した後で妊娠&出産をしてしまい、
大慌てで里親を探すことになってしまった。
地元新聞、地縁血縁、あたれるところは八方手を尽くして
彼女が産んだ4頭はすべてもらわれ先が決定した。

いまや避妊手術を受けて子猫返りしたくろちゃんは、
毎日ペット用ホットカーペットでぬくぬく寝ているのです。

期せずして飼うことになった猫が縁で
猫の性格と私のそれがなんと類似していることか。
いやこれはB型という血液型がそうなのかも。

木村氏の生き様と、逆境の中社会から見捨てられそうになった猫と人間のペア、
ボブとジェームズの今後がとても興味深い。