こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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在宅を支えるもの・・?

2010-03-03 23:29:41 | 訪問看護、緩和ケア
「在宅療養を支える。」

私たちはよく言いますが、本当にそれが支えなのかどうかは、支えられる側に人にしかわからないんじゃないかと思います。

だから、自分たちで支えたつもりりでいても、本人たちにとっては、何ということもなかったり、返ってお節介だたりすることもあるんじゃないかと思うのです。

支えたかどうか、あるいは支えるかどうかは、意外と些細なことだったりもするんだなと、最近よく思います。

たとえば、
何だかケアマネや主治医に勧められて、あんまり嬉しくもなかった訪問看護。
お風呂にだって十分私が入れられたのに、危ないからって看護師が入れる事になった・・
身体の事やら、いろんなことに口を出して正直うっとうしいかも。
そんな雰囲気を醸し出していた奥様ですが、ある夜夫が便秘で苦しみだしてしまった。
出たくても出ない便。苦しむ夫。便秘で救急車はいいのかしら??
そんな時、
思い出した訪問看護の緊急電話にかけたら、夜だと言うのに飛んできて、浣腸かけてお尻に指まで入れて便を出してくれた。
とたんに、お父さんすっきりニコニコ。
その日から、訪問看護師はうっとうしい訪問者から、助けてくれる人に格上げされてしまいました。

そうかと思えば、一生懸命ひどい糜爛のストマを交換し、あれこれ工夫して何度も緊急出動して時間をかけても、「お金がかかってしょうがない」サービスになってしまったりします。
挙句、やっと御自分でもできるケアを工夫して指導して、皮膚がきれいになったとたん、これなら来てもらわなくてもできるから終了にしてください。とかいわれてしまったり・・
一生懸命工夫して頑張った割に、支えにはなれなかったのかと、がっかりしてしまったり。
(考えようで、自分でできるようにしたんだから、支えになったと言えるのかもしれないけど、じゃあおしまいね。はちょっとさみしい・・)

いろんなことが毎日あります。

その都度喜んだりがっかりしたり・・

認知が進んで、もの取られ妄想全開のおばあさん。
独居だし障害があるし、何とか支えてあげたいと東奔西走している担当看護師件ケアマネに向かって、「あのヘルパーは泥棒だ!信用できない!いったい何をやってるの!」
そんなことの繰り返し・・・
家の中は、誰にも触らせないゴミの山。何が埋もれているのやら・・
思い込みと勘違いともの忘れで、しょっちゅうケアマネを呼び出しけんか腰。
家族ですら、及び腰で今以上の面倒は無理と・・・
結局施設を探すしかない状態に・・・
支えたい気持ちが、届かない悔しさにがっくりの担当者。

じゃあゴミをどんどんかたずけて、相手の間違いを全部指摘して、盗まれたはずの腐ったお惣菜を並べたら・・それは、何の解決にもならないですよね。

独居でCOPDで、苦しくて苦しくて何度意識消失しても、絶対家で過ごしたい患者さん。
労作が酸素濃度をますます下げるから、1階で寝ましょうと言っても、絶対に2階で休む。
同じ病気で亡くなったお母さんの部屋には、どうしても寝たくないらしい。
(それはやっぱり、死への恐怖なのだろうか?)
何度もヘルパーさん増やそうと言っても、看護師さんの回数増やそうと言っても絶対ノ―。
お風呂も絶対一人で入るって言ってた人が、やっと今日「本当はお風呂、入れてもらいたいけど、苦しくて入れないんだよ。」と、担当看護師にぽつりと言ったとか…
それでも、入院は絶対しないと宣言。
支えたいと思ってるんだけれど、支えさせてもらえるのだろうか・・?
思いがかみ合えば、それが支えになるんだけれど。


それでも、やっぱり「支えたい思い」は、伝えていかないとだめなんです。
私たちは、あなたの力になりたいんだと。