「ギター上達のための全知識」養父貴著、を読了した。電子書籍であった。
ギター教則本のお供、といった形式で、そう、冒頭でも著者が、本棚に眠っている、教則本、DVD、フレーズ・ブック、理論書、音楽雑誌との消化剤と成るべく、併用を勧めている。
中身はおしゃべり口調で、かなりくだけていて、とても面白く読める。しかし、途中の五線紙の音階等の説明などは、私はついて行くのがやっとだった。少しピアノの知識も要るのかな、などとも思った。或いは楽典?
とにかく、あっという間に読み進めていけるが、段々と、実践編というのか、ゲネプロ、リハーサル、ライブ本番、と、この本は、バンド結成者向けに初めから書いているんだと思わされた。元はと言えば、バンドマンが書いた本の御蔭も濃厚である。
私が買った、ギターのマンガ本でも言える事だが、皆、共通するのは、バンドを組んで、そこから、最終的にはコンサート・ライブ本番で終結する、という形態を取っている事だ。
最後の目的は皆、そこにあるんだ、音楽を志した者にとっては、との、何か、音楽という芸術に関して、畏れのような偉大さをも、これら書物群には感じざるを得ない。
私が、今年当初まで、目指していた、「ピアノ」、私のそれも、電子ピアノでは、「街中ビアノ」的な、その身そのままで、その場に行けば楽器を弾ける気軽さ気楽さがあった。
しかし、フォーク・アコースティックギター、エレキギターのそれらとの相違点は、自前の楽器を持って、仲間を作り、スタジオで練習を重ねたり、リハーサル、最終的にはライブ、それから時には、対バンでの各種別バンド・ファンとの交流など、そういった手間暇が面白い、という、ライブ性がピアノの一人自己完結型とは完全に異なっている。
ピアノはしかし、キーボード・鍵盤楽器として、バンド内でも演奏の存在感を増す事も出来得る万能楽器でもある。
いわば、ピアノが楽器の王様であるならば、ギターは楽器の神様、くらいの位置にあるとみても良い。
王者のピアノに対して、神の地位のギターには、その音楽性の自由度も或る程度、余裕があり、担保されていると私は思う。
私は、ギターの魅力に取りつかれた者であるが、この本は、正に、バンドを組むまでの一通りの作法が、それだけじゃなく、個人練習者にも有益な情報が盛り沢山であり、ほとんど話し言葉で話され、最後には妙な格言で締めていて、著者のさりげない初心者からその上の方々への友情も感じ取れる、洒落のきいた、とても面白く読めた音楽本の一冊であった。
以上。よしなに。wainai