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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その229)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<腴:ユ、こ(える)、あぶら、ゆた(か)>
・こ(える):
肥腴、腴産=肥えた田土=腴壌、腴膏・膏腴=肥える・脂気があること、また、田地の肥えたこと・・・転じて、富裕なこと。 *膏腴=肥えてつやつやしい(字通)
・あぶら:脂腴、濃腴、鮮腴=肥えてあぶらぎった肉
・ゆた(か):腴潤=肥えうるおう、美しいこと。ゆたかにうるおう(字通)、腴沃=沃土
<膊:ハク、ほじし、うで>
・ほじし:膊乾(ハクカン)=肉をほす、まら、ほし肉。膊脯(ハクホ)=ほじし
・うで :
上膊、下膊、前膊、
臂膊=うで(漢字源)
・その他:膊膊(ハクハク)=①鶏、鶏の声 ②物の割れ裂ける音
厚膊=厚く切った切り肉 *「膊」は“切り肉”の意。
肩膊=肩のほね=かいがらぼね・肩甲骨(漢字源) *「膊」は“肩のほね”の意。
膊魚=魚を切開する・切り開いた魚。乾魚(字通) *「膊」は“切り開く、ひらく、あばく”意。
<膂:リョ、ロ、せぼね、ちから> *リョ(漢音)、ロ(呉音) *以下はすべて「リョ」音読み。
・せぼね:膂力(リョリョク)=
背骨のちから・筋肉の力・体力(漢検2)、せぼねの力(大漢和)、体力(漢字源)、力・肩の力・腕力(字通)、脊膂、背膂=背骨、・・・「股肱心膂」:股肱心膂の臣、股肱心膂と作(な)す・・・
・ちから:膂任(リョニン)=になう力、膂然=たのみ(力)となるさま
<膩:ジ、ニ、あぶら、あか、あぶらあか、なめ(らか)> *ジ(漢音)、ニ(呉音) *訓対応熟語は厳密には対応していない。
・あぶら:
脂膩(シジ)=膩脂(ジシ)、膩滑(ジカツ)=あぶらけがあって滑らかなこと、油膩(ユニ・ユジ)=あぶらっぽい・ねっとりしたさま(漢字源)
・あか :
垢膩(コウジ)=膩垢(ジコウ)=あか、膩流(ジリュウ)=あぶらやあかの流れ
・あぶらあか:膩光(ジコウ)=水面のきら、きら、あか
・なめ(らか):細膩(サイジ)=きめこまかくねっとりしている、(瑣砕細膩)、膩細(ジサイ)=なめらかでこまやか、膩体(ジタイ)=あぶらぎってなめらかな体、膩粉(ジフン)=なめらかなおしろい、
膩理(ジリ)=なめらかできめ細かい
・その他
「膩葉(ジヨウ)」=分厚い葉・多肉質の葉(漢字源)・・・「膩葉蟠花、曲門を照らす」
「烏瑟膩沙(ウシツニシャ)」=肉髻(ニクケイ)=仏の頭頂にある、髻のように突起した肉塊。
<膰:ハン、ひもろぎ> *膰は、火熟の祭肉。 *「燔:ハン、ボン、や(く)、あぶ(る)、ひもろぎ」と同じ。
・ひもろぎ:
膰肉、膰俎=俎に載せた膰肉=燔肉
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