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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その240)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<荵:ジン、ニン、しのぶ、しのぶぐさ>
・しのぶ、しのぶぐさ:(邦語)=忍草
・その他:荵冬(ニンドウ・すいかずら)=忍冬=薬草の名。隠荵(インニン)=草の名(大漢和)。そばな・蕎麦菜・・・漬物にして、また、ゆでて食べる(大字源)
<莠:ユウ、はぐさ、えのころぐさ、わるいもの、みにく(い)> *漢検2には「わるいもの」訓読み掲載ナシ。
・はぐさ、えのころぐさ:莠草(ユウソウ)、莨莠=(字通によれば)たばことはぐさ
・わるいもの:
莠言、莠民=悪事を働く民 *莠言⇔好言
・みにく(い):
莠言=醜悪の言
・その他:莠命=教命をけがし乱す、讒莠
<莨:ロウ、ちからぐさ、まぐさ、たばこ> *漢検2は「まぐさ」訓読み掲載ナシ。
・ちからぐさ、まぐさ:莨尾=ちからぐさ(字通)、莨尾艸(ロウビソウ)=
<狼尾草(ちからしば)>、莨蔵(ロウゾウ)=牛馬の飼料・ちからしば(漢字源)、蔵莨 *“ちからぐさ”=牛馬の食料なる一種の草
・たばこ:(邦語とも)莨莠(ロウユウ)=(字通)たばことはぐさ(字通)、(大字源)莨宕(ロウトウ・ひよす)と莠、ともに悪草なので善に似て実は悪いもののたとえ。・・・*“ひよす”=「菲沃斯(ヒヨス)=ナス科の一年草・・・・有毒植物」(広辞苑)
・その他:「莨宕(ロウトウ)」=毒草の名。 *各辞典によって、“はしりどころ”とも“おめきぐさ”とも・・・。「薯莨(ショロウ・ショリョウ)」=植物名。染料となる。(大字源)
<菫:キン、すみれ、とりかぶと>
・すみれ:
菫花色(キンカショク)、<菫菜(つぼすみれ)>、菫菫菜(キンキンサイ)=草の名。つぼすみれ。*漢検2では当て字で<菫菜(つぼすみれ)>だが、「菫菜(キンサイ)」で野芹(のぜり)とも野芹の異称とも説明あり(大漢和・大字源・字通)、漢字源は「セロリ」だって。
・とりかぶと:菫荼(キント)=とりかぶと(=うず(烏頭))とにがな、菫草(キンソウ)=毒草の名、烏頭という。(大漢和)
・その他:菫喙(キンカイ)=毒草の名、転じて、悪人の喩え。
<萃:スイ、くさむら、あつ(まる)、あつ(める)、やつ(れる)> *漢検2「くさむら」訓読み掲載ナシ。
・くさむら:叢萃、抜萃・・・大漢和・字通ともに、「萃」は“草や草花のあつまるさま”とあり、“くさむら”そのものの意味なナシ。
・あつ(まる)、あつ(める):萃集、萃聚、
抜萃、萃如=あつまるさま、萃美=よいものあつめる、萃類=同類のものがあつまる、萃萃=積集のさま、屯萃(トンスイ)=たむろし集まる(大漢和)=屯聚 *漢検2では“あつまる、あつめる”の意味のところに「抜萃」がある。
・やつ(れる):萃悪=やつれる、蕉萃(ショウスイ)=憔悴、萃辱(スイジョク)=やつれていたましい
*その他:萃蔡(スイサイ)=衣服のすれ合う音の形容(漢字源) *他に、字通などで「成萃、雲萃、英萃、遠萃、咸萃、群萃、神萃、大萃、文萃、鱗萃・・・」等の熟語あり・・・意味の説明記載なし・・・
<参考>
①抜萃:「萃(スイ)より抜く」=①群聚の中から抜け出る ②えらびとる ③書中の要所をぬきとる
②(屯萃とは関係ないが、「屯」で・・・)「屯屯(トントン)」=集まっているさま、信実なさま 「屯屯(チュンチュン)」=苦しむさま 「殷殷屯屯(インインチュンチュン)」
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