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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その237)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<苞:ホウ、つつ(む)、つつ(み)、つと、みやげもの、ねもと>*漢検2「みやげもの」訓はナシ。
・つつ(む):苞挙=つつみあげる、(漢字源)すべてを一つにまとめ支配する、苞裹(ホウカ)=苞括=つつむ、(漢字源)多くのものを一つにまとめて支配する、苞羅(ホウラ)=残らずつつみこむ、苞殖=つつみふやす、苞天=天をつつむ=度量の大きいことのたとえ
・つつ(み)、つと、みやげもの:
苞苴(ホウショ)=①つつみとしきもの、あらまき、わらづと ②賄賂、贈答品
<苞苴(あらまき)><苞苴(つと)> *「苞」はわらにつつむこと 「苴」はわらを下に敷くこと。
・ねもと:桑苞(ソウホウ)=桑の根、転じて根本の固いこと。=苞桑=草木の根もと 四字熟語「竹苞松茂」
・その他:(「苞」に、“むらがる、しげる、あぶらがや(むしろぐさ)”などの意あり)苞棘(ホウキョク)=しげったいばら、苞蒙(ホウモウ)=族生する、苞茘(ホウリ)=あぶらがやとおおにら(大漢和。「茘(リ)」音。)、苞荀(ホウジュン)=冬出る筍=冬荀
<茆:ボウ、ぬなわ、じゅんさい、かや>
・ぬなわ、じゅんさい:芹茆(キンボウ)=せりとぬなわ(じゅんさい)
・かや:茆屋=茅屋=かやぶきの家、茆簷=茅簷=かやぶきの軒、茆舎、茆廬、茆茨=茅茨
(参考)説文に「鳧葵(フキ)なり」とある・・・「鳧葵」はじゅんさいのこと・・・中古・近世では「鳧葵」で「あさざ、あささ」の読みに当てている(大字源)。
<苙:リュウ、よろいぐさ> *漢検2:意味①よろいぐさ、セリ科の多年草。意味②おり。家畜を飼育するかこい。
・よろいぐさ:白苙(ハクリュウ)。 *“苙”:薬草の名。やまうど。
*「おり」=豕の類を飼育するかこい(方言)=畜欄。「放豚を追い、既に、その苙(リュウ)に入る」(孟子)
<苺:バイ、マイ、いちご、こけ> *バイ(漢音)・マイ(呉音) *漢検2「こけ」訓ナシ。
・いちご:山苺(サンバイ)=きいちご、木苺、寒苺(カンバイ)=くさいちご、馬苺=いちご *説文に「いちご・・・馬苺なり」とある(字通)
・こけ:苺苔(バイタイ)=こけ=苔苺(タイバイ)
・その他:苺苺(バイバイ・マイマイ)=①草がさかんにしげるさま ②田の美しいさま *字通は「マイマイ」読みのみ(=毎毎。草木のしげるさま)
<茵:イン、しとね、しきもの>
・しとね、しきもの:
茵褥、茵蓐、
茵席=茵蓆、茵溷=しきものと便所、茵毯(インタン)=毛氈のしとね
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