翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

「係る」にご注意

2007年05月25日 | 英語・翻訳
日本人が大好きな「~に係る」という言葉。

翻訳(英日)では注意が必要で、安易に使うのは慎むべきでしょう。

例をあげます。
◎ 「合併に係る会社」 
 合併する側?
 合併される側?
 あるいは、両方?

「Xに係る財産」 
 Xが所有しているの?
 Xは担保にとっているだけ?
 あるいは、保証人?

このように不明瞭な使い方を安易にすべきではなく、
英語が受動態になっているのか、能動態か、どのような動詞が使われているのか等、原文に沿って明確に訳さなければ商品とは言えません。

"自信がなくて(=こわくて)"逃げの姿勢になっているのか、
あるいは「アバウト」?で訳すクセがついてるのか・・・???

継続的な仕事受注を確保するためには、やはり丁寧な仕事を心がけることが大事だと思うのです(^_^)


(注:前回の授業でも質問が出たのですが、「係る」という言葉をいかなる場合においても使ってはいけない、という意味ではありません、もちろん。) 

Comment (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする