翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

訳文推敲のポイント

2005年10月24日 | 英語・翻訳

訳文を推敲するときのポイントです。

① まず、自分の訳文とは思わないこと。自分がつくった訳文だと思うと、目がウルウルしてマンガ目になってしまうからです。できれば、嫌いな人(爆)を想像して、その人がつくった訳文だと思って読むと効果的です(笑)。

② 数字は要注意。特に桁数が大きくなったり、また単純な数字でも頭が疲れていると思わずミスを誘発します。小数点の位置や単位もしっかり見ましょう。

③ 日英の場合、スペルチェックをかけますが、その際、普通は全部大文字の単語はチェックにかからないように設定してありますので、ここも注意が必要です。もちろん、この設定ははずすことができます。ワードの[ツール]→[オプション]→[スペルチェック]しかし、これをはずすと固有名詞などがすべてひっかかってしまうので慎重に。

④ 最終的には音読をお薦めします。声を出して読むということは、非常に効果的です。
文字だけ読んでいても気づかなかったことが自分の耳を通して聞くことで「ありゃ?」と気づくことも多いのです。ただし、その際、自分の声または発音に陶酔してはいけません(笑)。また、分量が多いときは無理かもしれませんね。声がかれてしまいますから。

⑤ そして、まさに納品するとき「念のためサラーっと」見直すと意外なミスに気づくこともあります。一度お試し下さい。(これは以前HPの日記に書いたのですが、"これで助かった"というお礼のメールが来ました(^_^))

ざっとこんなところでしょうか(^_^)(誰だったか忘れましたが、「翻訳は好きだけど見直すのは嫌い」と明言された人がいましたっけ・・・)

(本来これはHPの雑記帳に載せる予定だったのですが、アップしようとするとなぜか不具合が生じるので、こちらに載せました^_^;)

 

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チェックの注意点

2005年10月22日 | 英語・翻訳

チェック(チェッカー)の作業は、間違ったところを正しく直すものであり、

決して正しい ところを 間違い にする作業ではありません!

このためには、

① 労を惜しまず、調べ物をする!(×あて訳、過信)

② その専門分野(×総合物)の英日の基礎をつくる!英日の基礎は、英日のみならず日英の基礎にもなるのです。

この点、特に日英は勘違いしている人が多いようなのですが、これまで多くの生徒や翻訳者の訳文を見てきて、日英から入った人はいわゆる直訳が多く、日本人が読んで安心するものが圧倒的に多いのです。

急がば回れ、と申します。日英を目指す人は、英日を軽視せず、まず英日の基礎をつくることをお薦めします。

     

そして、チェックの盲点は 数字 です。

チェックするときに、文章は目を皿のようにして見るが、数字はノーチェックという人がいかに多いことか(@_@)

これでは、チェックしたことにはなりません。

数字は、言うまでもなく、非常に大事な要素です。

これが違っていたら(桁がずれていたり!)したら、大変なことになります。

金額、日付のみならず、根拠条文、住所、電話番号などもしっかり見て下さいね。

「えっ?条文?見てませーん。数字の部分は全部とばしました」なんて平然と言う人はいません・・・よね

 

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冬のダイヤモンド

2005年10月21日 | 雑記

冬にダイヤを買う話ではありません。夜空に輝くダイヤ=星の話。

おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲル、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオンの6つの一等星を結んだ美しく輝く六角形をダイヤモンドにみたて、冬のダイヤモンドというそうです。

昨夜キラキラ輝く星を見つけ、すぐ星座盤で調べたところ、ぎょしゃ座のカペラでした。何て美しい!そう、これからは冬の星座が美しく輝く天文ショーの開幕ですね(^_^)

この星座盤は、小学生のときに使っていたものです。星が好きでこれだけは捨てずに大事にもっていました^_^;

いつかは満天の星が見えるところに住みたいなぁ・・・なんて思っているのですが。

ここで現実の問題、夜、星を見ながら歩いていると危険(車、バイク、自転車)がいっぱいなので極力自重しています。。。

 

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カタカナ表記の注意点

2005年10月20日 | 英語・翻訳

英→日で、カタカナを使う場合の注意点。

てっとり早く例をあげます。"sponsored link"

これを「スポンサードリンクと書くと、「スポンサー ドリンク」(スポンサーがドリンク会社!)かと読む人もいます(真)。

ここは、「スポンサード・リンク」とか、中黒(・)を入れるか、スペースをひとつ入れて「スポンサード リンク」とした方が丁寧(お客様への配慮)。

このように、カタカナにするときは、特に今回のように本来の意味とは別の読み方ができる場合には、(意味上の)区切りを明確にする必要がありますね(^_^)(どのような媒体に文章を載せるのかにもよりますが、「自分はそうは読まない」ではなく、一般的な基準で考える必要があります)

もっとも、この例では英語にそろえてあえて「ド」をつける必要もなく、「スポンサーリンク」でも十分意味は通じると思いますけどね。

 

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ぎっくり

2005年10月19日 | 雑記

腰・・・やってしまいました(>_<)

むむっ、不覚!

昔からやっているので、慣れてはいるのですが、つい腰を不自然に曲げて物をとろうとしたのがいけなかった・・・。

無理は禁物、腰を暖めたら楽になりました。

今は、腰痛用コルセットを腰に巻いてPCにむかっています^_^;

でも、来週でなくてよかったです!来週は新学期が始まるのでヨレヨレの状態で「はじめまして~」なんて避けたいですから(^_^;)

皆さん・・・、特に座る時間が多い翻訳者の皆さん、気をつけて下さいね!

これを反省して、治ったら運動しようっと

 <追記>

お見舞いメール、ありがとうございました。

おかげさまで、今回軽く、早くも復活しています(^_^)

 

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火牛の計

2005年10月17日 | 歴史

かぎゅうのけい。ハンニバルのとった戦法です。

ご存知、ハンニバルは、有名なポエニ戦争(ローマとカルタゴ間)のカルタゴの名将軍。(参考:ポエニPoeniはラテン語でフェニキア人を意味します)

ハンニバルは、幼少時からローマに対する仇敵意識を植え付けられ、さらに第一次ポエニ戦争に負けたことによる復讐心に燃え、ローマ軍の恐れるケルト人と手を組み5万の傭兵を率いてスペインから出発。ピレネー山脈、フランス南岸を通過し、真冬のアルプス越えをしてローマ共和国のイタリア本土に攻め込みます。

イタリアに侵攻してからはハンニバルは連戦連勝!ローマの元老院は「ローマ軍はハンニバルと正面から戦ってはならない」と命令を出したほど。

そのイタリア戦線で、カンナエ付近のカラクリ峠でローマ軍8万を対峙した際、ハンニバルは火牛の計(=牛の角に火をつけ放ちます)を用い、突破しました。

驚くことに、日本でも同じ戦法を使った武将がいるのです!

これもご存知木曾義仲!(大河ドラマ義経でも義仲は登場していましたね)

この木曾義仲が牛の角に松明をつけ、倶利伽羅峠(今の石川県か富山県あたり?)で平維盛率いる平家の大軍を破っています。

ハンニバルがこの戦法を使ったのがカラクリ、木曾義仲が使ったのがクリカラ。時空を超えた何かがあるのでしょうか(@_@)

 

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専門分野の選び方

2005年10月14日 | 英語・翻訳

専門分野をどれにするか、悩む方も多いようですね。

昔、総合物を教えていたときには「どの分野の需要が多いですか?」「どの分野のレートが高いですか?」などの質問がよくありましたが、

自分の興味がもてる分野=おもしろい、楽しいと思える分野をおすすめしています。

需要や単価もひとつのポイントではありますが、継続して学習していくには『楽しい』が大きなポイントだと思います。「つまらない」と思いながら勉強するのはつらいですもの。

もし、積極的におもしろいものが見つからなかったら、消去法でいきます。

つまり、「聞いただけでダメ」「ムシズが走る(笑)」分野は、候補からどんどん消していき、残ったものを選ぶという方法です。

    

リーガルクラスの生徒さんを見ていると、意外にも最初から法律分野を目指していた人はそう多くはありません(@_@)

スクール時代はひょこっと公開レッスンに参加して「あらっ、おもしろそう」なんて軽い気持ちで入ってくる人も多かったですね。それをきっかけに、楽しくてはまったりして・・・コワ~(笑)

そうそう、出来がいい(=客観的評価が高い)分野というのもおすすめです。出来がいい、ということは適性があるってことにつながりますから(^_^)

  

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男性の髪型

2005年10月12日 | 雑記

頭のてっぺんの髪が立っている流行型。多分“トップに高さをもたせたスタイル”とでも表現するのでしょうか。(名称あるのかな?)

いえ、嫌いではありません。

ただ、観劇のとき、そういうヘアスタイルの人が前の座席に座った場合、後から舞台が見えないのです(@_@)

髪が立っていなくても、座高が高いので見えにくいのに、さらに座高+5cm高くなるともう舞台の前半分OR3分の2は完全に見えなくなります(>_<)

座席に段差はついていますが、それを上回ってそそり立つ髪!

観劇の際には、髪の立っている部分をねかせるとか、折りたたむとかできないものでしょうか(^^)

もっとも、男性に限らず座高の高い女性が前に座ると視界が遮られるのは同じですが、女性の髪が逆立っているというのは劇場内ではあまり見かけません。。。

 

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実務で学ぶもの

2005年10月11日 | 英語・翻訳

実務で学ぶもの、大きいです。かなり大きい。

資格試験で、試験勉強と実務とは大きく違うのと同じで、翻訳も学習と実務は違いますね。

やはり経験を積むことで大きく成長していきます。この場合の経験には、仕事をこなすということのみならず、仕事にまつわるトラブル、人間関係なども含みます。

そして、仕事の経験を通じて、勘も養われていきます。プロがこの勘を使えば「勘働き」となり、素人が自分の勘を信じて使うのが「あて訳」です(゜゜)

両者の違いは、もちろんあたる確率。プロの勘働きはまずはずれません。

翻訳の世界(どの職業も同じだけど)、実務に入ってから学ぶものは非常に大きいということです

 

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破産法の改正

2005年10月08日 | 法律

破産法が改正されておりました

今年(2005年)の1月から・・・(大汗)。

昨年夏に授業したときの条文がなくなって(正確には「変わって」)いて気づきました。

大正11年に制定以来の全面的改正です。

言葉上おもしろいのは「破産宣告」が「破産手続開始」に。これは「宣告」というイメージが悪かったからだそうで。

「破産手続きの簡素化、合理化、迅速化」が目的ですから、もちろん、言葉のみならず、内容も変わっております。

仕事で破産法は頻繁に出てくるというものではないので、気づくのが遅かったですね。もちろん、昨年に改正の情報は知っていましたが、お目にかからないので、コロッと忘れていました(言い訳^_^;)。

改正というと、つい商法に目がいってしまうのですが、他の法律にも目を向けなければなりませんね。

でも、目が回ると困るので、仕事に必要な範囲にしよう(^^)

 参考:法務省の新破産法の解説ページ 破産手続、民事再生手続、会社更生手続の比較が表になって掲載されています。

 

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