翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

代名詞のワナ

2007年10月11日 | 英語・翻訳
代名詞? あらっ、簡単じゃないの!と思われる方はご注意。

翻訳は分野ごとにルール(のようなもの)がありますが、この代名詞、法律分野ではできるだけ避ける傾向があります。

なぜなら、正確性を重視するため、できるだけ曖昧な表現を回避したいからです。

もちろん、日英で全く使わないというわけではありませんが、使う場合も、直前のものを受ける等、明確にそれが何を指すか分かるように使います。

また、英日の場合、原文に代名詞が出てきたら、可能な限り具体的なものに置き換えます。もっとも、(ちゃんとした?)英原文でこの「置換え作業」が困ったという経験はない・・・

おっと、代名詞で困ったことがありました!
(以下、かなり抽象的な話になりますがご容赦下さい。)
例えば、複数の人の話が登場する文書の場合、話者が苗字だけで登場、しかもMr. Ms.など性別がわかるものがついていないこともあります。そのくせ!?次の段落では"she" "he"に変身している!

こういう場合、判別は無理!と割り切り、「彼女」「彼」と訳すのがひとつの考え方です。

しかし、そのような仕事をするのはプロとして許せない!^_^;

そこで、どうしたか?
その苗字で該当する人を探して性別の確認作業を行いました。
 「そこまでやるか?」
 「足が出るじゃない!」
むむぅ、でも自分で納得がいかないと・・・(^^)

いずれにせよ、代名詞の扱い、簡単なようでちょっと注意が必要です。



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Comments (3)
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