個人情報の保護について、いろいろな記載が目だってきました。
もちろん、法律の施行を契機に認識するのはいいことです。
でも、翻って考えると法の有無を問わず、当然のことではないですか?
個人的には、何を今更・・・と思いますが、初めて重要性を認識する場合も多いのでしょう。
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翻訳者に対しても、守秘義務が課されますが、
ここで目を「翻訳者の個人情報」に転じてみると・・・
はたして守られているのか考えたことありませんか?
形式または建前は別として、実態はどうなのでしょう?
登録する際に提出した履歴書を担当者が丸ごとコピーして自宅に持ち帰ったり、第三者に開示したりする!なんてことは・・・・・・?
このような行為が日常的になされているとすれば、問題です。
翻訳者に対しては厳格な守秘義務を課すのは当然ですが、ともすれば、翻訳者の個人情報の保護は軽視または忘れられがち…ということもあるかもしれません
(ほとんどの会社が適正に対応していると思いますが)もし、何の注意もしていないところがあれば、翻訳者の個人情報も大事に扱って頂きたいと思います。
ところで新たに翻訳会社に登録する時に、これまで翻訳したものを送ってほしいという会社が時々あります。出版物ならいざしらず、企業などから依頼された翻訳などをそのまま送れるわけもなく、また固有名詞を編集して送るのも手間だし、そういう会社は信用がおけそうになくて送ったことはありません。こういう会社って多いんでしょうかしら。固有名詞を架空のものにしてトライアルをさせるべきだと思います。
また、入札形式をとっている翻訳エージェントはクライアントが提出してきた原稿をそのまま数百人くらいの登録翻訳者にメール送信して条件が折り合った翻訳者に落札して翻訳の仕事をする仕組みですが原稿を開いてびっくりすることがよくあります。人事に関する個人情報もあります。料金が安いのか大企業や自治体のものもあります。こういうエージェントも信用できずに仕事を受けたことがありません。
あまり神経質になりすぎるのもぎすぎすしてきますが、最低限の一線は保っておくべきだと思いますね。法規制も個人や企業の倫理観だけには依存できなくなってきているということでしょうか。
① (一般論として)今でこそ、個人情報だの著作権だのと騒いでいますが、ちょっと前まで、こちらが注意しないと被害者になりかねない状況が多々ありました。今も注意するに越したことはありませんが。
② 過去の翻訳を送れっていうのは一昔前はよくありましたが、現在それを要求したら、自分で「守秘義務を理解していません」と言っているのと同じかも(笑)。
③ 入札形式で、個人情報の入った原文を(特定しているとはいえ実質的には不特定に近い)多数にバラまくのは発注者である企業の自殺行為に近いと思います。
たしかに、入札形式は料金が安いので使う企業も多いらしいですが、企業自体が情報の価値を理解していないんでしょうか。。。
(特に法律文は守秘義務の程度がかなり高いので、入札には適さないと思います。)