アマプラ配信鑑賞「TAR / ター」。

　去年のアカデミー賞にノミネートされた作品の中で、気になったけれども結局観なかった今作をアマプラで鑑賞。

　主人公のリディア・ターという人物の強烈な個性がすごかった！前半はその人となりをじっくり描写する形だったせいか、ちょいウトウトしてしまいました(汗)

　中盤から、彼女を取り巻く周辺が少しずつ異変を起こし始めるところがホラー味満点で背中に冷たいものを感じながら観ていました。幻聴幻視だったのかおかしな音や変なものが映像に映り始める演出は恐怖。

　結局は自分の行いが原因となり、指揮者の座を下ろされてしまうのですが、舞台上での暴れっぷりが本当にすごかったですね。狂気過ぎて…。

　最後どうなるのかと思ったら、アジアの小さなホールで指揮棒を振っているところでエンディング。折れない、というか、生きている限りは指揮をしていたい、オーケストラを自分の意のままに動かしたいという欲望が抑えられない人なんだな。あれだけの大スキャンダルを起こした以上もう大きい舞台に上がれないんだから諦めてもいいんじゃないかと思うのですが…。

　たくさんの人を傷つけた(実際自殺した登場人物もいる)中盤～終盤を吹っ飛ばすようなエンディングは複雑な感情を呼び起こしました。不思議な作品。