目黒雅叙園で開催中の「神の手●ニッポン展」 まさに神技です。
ジオラマやミニチュア系は大好きなのでたいへん楽しみでしたが、期待どおりの展覧会でした。
◆エレベーターからして芸術的
◆入口の谷川俊太郎さんの詩
会場の「百段階段」は板張り廊下に畳敷きのため靴を脱いで入場です。
◆上へ続く百段階段 趣があります
まず最初の部屋は太田隆司さんのペーパーアート
初めから驚きの連続。
◆「東京雷門 西暦2007」(入口に展示中)
◆近くで見るとこんな感じ この遠近感!
◆これすべて紙
◆服、車、樹、石などの質感もみごと
◆で、横から見ると!
たったこれだけの奥行きしかないのに、この立体感・遠近感。しかも写真でははっきりしませんが人物一人ひとりの表情がまたいい。
どこか懐かしい田舎や街中の風景、結婚式の一家の一日を綴る連作、車や機関車などどれをとってもストーリーを感じさせる素晴らしい作品ばかりでした。
卓越したデッサン力と三次元的な頭脳の持ち主なんだろうな~。
次は金谷美帆さんのビーズアート
◆ビーズで織り上げた1枚
◆これで680000粒使用!
◆設計図にしたがってつなぐそうです
これはもう気が遠くなる作業です。最高で2063738粒(ギネス認定)の作品もあるようですが、もし途中で修正したくなったらどうするんだろう???
続いては島木英文さんのミニチュアハウス
◆実在する建物の1/20サイズ 芸が細かい!
建物だけでなくちょっとしたモノにも神経の行き届いた作品ばかりです。
◆奥に向かって上下左右が台形になっていて遠近感を表現
◆入口からのぞくと!
しかし太田隆司さんもそうですが、この遠近感の表現、いったい頭の中はどうなっているのか?
4人目はSouMaさんの立体切り絵アート
◆1枚の紙から切り出した作品
すべて1枚の紙からカッターで切りだされた、と言われてもにわかには信じがたいテクニックです。
どう考えても0.1~2ミリ単位での作業。本当にもう人間技じゃないです、これ。
◆なんと京都の地図!驚愕です。
それぞれの作家のみなさんに圧倒されつつ、HIROKOさんのポップアップアートへ。
◆こんなふうに開いていって
◆完成!
相当綿密な設計をされるとのことですが、種明かしされて全部見ているのにいまだに仕組みがよくわかりません(笑)
◆こちらは作者自身による動画です
紙ですからちょっとした湿気でもズレや誤差が出るはずですし強度も必要。どういう計算をしているのでしょう?
いよいよ最後は山田卓司さんのジオラマアート
◆この表情、この場面
山田さんは「TVチャンピオン」に出場されていた時から好きで見ていたのですが、本当に場面と表情がいい。
世代が同じせいか「そうそう、こういうのあった」と思わずうなずいてしまいます。
◆懐かしさを感じさせる一場面
もちろんこういう作品ばかりではなく、制作中の自分と家族のひとコマやミリタリーもの、映画「エイリアン」などジャンルは幅広く、造形力も素晴らしい。もっとたくさん見てみたくなりました。
6人の作家の部屋を3時間近く見続けてようやく百段階段を上りつめましたが、たっぷり楽しめて満足感いっぱい。まさしく「神の手」のとおり、超絶技巧を堪能できました。
百聞は一見に如かず。ぜひ間近で実物をごらんください!
◆雅叙園の廊下もアート
(2015.06.14)