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8月最初の週末土曜日
4年前のリベンジ、そして娘の憧れの山
日本のK2として名高い甲斐駒が岳に向かう。
登山口まではバスを2本乗り継がなければならず
早朝1番のバスに乗らねば日帰りは無理(下山用最終バスは午後4時)
流石に8月夏休み、どの山荘も定員一杯で宿泊も無理
となると、
往復7時間半の行程と休憩含めて4時に下山しなければならない・・・
この際、非常手段を使うことにして
最初の1時間ほどのバス部分をタクシー予約
次の乗り継ぎバスの始発に必ず乗れるよう手配した。
1週間ほどしてタクシー会社より連絡がはいり
乗り合いバスに人が2人足りないから乗ってくれないか、と。
これがほんとの渡りに船。二つ返事で同意。
そして、地図とにらめっこしてちょっと一般的でない
隠れ家的山小屋をみつけ連絡をいれたら
2人素泊まりなら最後のスペース2人分あり!と予約がいれられた。
ワンピースずつ、パズルのピースがはまり始めたようだ。
もうここまでで、山登りをした感がある。
時間と動きをシュミレーションし、たぶん抜かりはないだろう。
前日にザックの中に多目の水と食料をつめこみ、翌日の行動を頭に描く。
娘の登りに遅れをとってしまっては時間が足りなくなる・・・
駐車場も第三駐車場まで満車
それでも真夜中の駐車場を奥の奥まで探したら、
1台分のスペースがきれいに空いていた。
そこに停めて車中泊。朝4時にタクシーの運ちゃんの電話で起こされる。
駐車場が空いていたなんて、運がいいねえ~、奇跡だねえ~と言われる。
朝焼けが始まった。雲ひとつない快晴!
文句のつけようがない山日和
あとは自分の足を信じるしかない。
2,967mの大きな厳つい山を仰ぎ見る。
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6合目の駒津峰よりの甲斐駒 これより1時間30分で頂きへ
再挑戦できる幸せ
それも心強い娘と共に。
娘は憧れの山に登れるということでアドレナリン一杯だという。
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登山口、北沢峠 朝7時。これが芦安から入れる朝一番の時間
苔としらびその林をぐいぐい上がり
ダケカンバのアップダウンがある樹林帯を1時間半
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地図より少し早い時間で樹林帯を抜け駒津峰へ到着
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鳳凰三山
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仙丈ヶ岳
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北岳
雲海と鳳凰三山、向かいの女王=仙丈ヶ岳といつも凛々しい北岳
これを見れただけで満足満足
またこのシーンに再会できた喜び!
4年前は金沢へ戻るバスの時間があり、泣く泣くここで退敗した。
思っていたほどの人はおらず、千丈へ分散したのか、時間的なことなのか
ここまではとても静かな山歩き。
前後に団体はいないし、すれ違う人も5人ほど
娘は1時間ほどの場所で待っていてくれる。
ここまでは10分位の遅れですんでいる。
天狗のように歩く彼女に10分程の違いならまあいいか。
でもここからは未知の世界だし
標高も2,500を越えるので息が上がるだろう
まあ、一歩とにかく足を出すこと!だけを考えて進むしかない。
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上を見上げるとあ~岩場
1時間半であの頂きに立てるとは、人間の足というのも、あなどれない。
砂礫と岩の登りをつめればほら、空がつかめる!
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頂上の岩端で娘が手を振って待っていてくれた。
紺碧な空が広がり、真っ白い雲がコントラストを引き立てる。
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遠くには穂高や槍が岳の北アルプスのお姿
乗鞍や御岳も。そして、たぶん白山もみえている。
入道雲が沸き立つ空をみていると飽きずに時間が飛んでいく。
トンボも雲との間の視界を横切っていく
この時間が好き
今日という日は、甲斐駒が私と娘に用意してくれた完璧な日
そんな感情を持ちながら下山する。
ジリジリと照りつける太陽は
それでも下界の暑さとは違い、嫌みがない
時々コルで渡る風は川をわたってくるのか冷たく、
冷蔵庫に頭を突っ込んだ感じになる。
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そんな岩場さえ過ぎればあとはまた樹林帯
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土の匂いを含んだ風と戯れつつ、でも岩を上らなければ下れないアップダウンを繰り返す。
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最後の1時間、頭の中は、峠でみた「スイカバー」(200円)が飛び交っている。
スイカバー、水、スイカバー、コーラ、と唱えながら歩く。
途中暖められた岩の上で大の字になって休みつつ、空を眺め山を愛でる
頂きに立つ以外の楽しさを娘と味わい、無言の山から教えを乞う
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無事予定時間内で下山できた祝いに「スイカバー」!
小屋まで苔むす道を歩きつつ、娘は北欧の山を思い出したらしい。
天然な名物おかあさんがいる山小屋で
キンキンに冷えたふんだんな山からの水で迎えられ
「は~」とか「ひ~」とか「ふ~」とか
「は」行しか言えなくなっていた私は
やっと一心地つき、完璧にちかい山行にピリオドをうつ。
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