樹間暮のきまぐれライフ

ゆったりと・・・残りの20年は過ごせそうにないけれど、きまぐれな日々の生活を少しだけでも記憶の底に残しておくきっかけに。

パズルのピースがすべてはまった山行

2015-08-04 23:40:20 | 日記


8月最初の週末土曜日
4年前のリベンジ、そして娘の憧れの山
日本のK2として名高い甲斐駒が岳に向かう。

登山口まではバスを2本乗り継がなければならず
早朝1番のバスに乗らねば日帰りは無理(下山用最終バスは午後4時)
流石に8月夏休み、どの山荘も定員一杯で宿泊も無理
となると、
往復7時間半の行程と休憩含めて4時に下山しなければならない・・・

この際、非常手段を使うことにして
最初の1時間ほどのバス部分をタクシー予約
次の乗り継ぎバスの始発に必ず乗れるよう手配した。
1週間ほどしてタクシー会社より連絡がはいり
乗り合いバスに人が2人足りないから乗ってくれないか、と。
これがほんとの渡りに船。二つ返事で同意。

そして、地図とにらめっこしてちょっと一般的でない
隠れ家的山小屋をみつけ連絡をいれたら
2人素泊まりなら最後のスペース2人分あり!と予約がいれられた。

ワンピースずつ、パズルのピースがはまり始めたようだ。

もうここまでで、山登りをした感がある。
時間と動きをシュミレーションし、たぶん抜かりはないだろう。
前日にザックの中に多目の水と食料をつめこみ、翌日の行動を頭に描く。
娘の登りに遅れをとってしまっては時間が足りなくなる・・・

駐車場も第三駐車場まで満車
それでも真夜中の駐車場を奥の奥まで探したら、
1台分のスペースがきれいに空いていた。
そこに停めて車中泊。朝4時にタクシーの運ちゃんの電話で起こされる。
駐車場が空いていたなんて、運がいいねえ~、奇跡だねえ~と言われる。

朝焼けが始まった。雲ひとつない快晴!
文句のつけようがない山日和
あとは自分の足を信じるしかない。
2,967mの大きな厳つい山を仰ぎ見る。


6合目の駒津峰よりの甲斐駒 これより1時間30分で頂きへ


再挑戦できる幸せ
それも心強い娘と共に。
娘は憧れの山に登れるということでアドレナリン一杯だという。

              

登山口、北沢峠 朝7時。これが芦安から入れる朝一番の時間

苔としらびその林をぐいぐい上がり
ダケカンバのアップダウンがある樹林帯を1時間半



地図より少し早い時間で樹林帯を抜け駒津峰へ到着




鳳凰三山


仙丈ヶ岳


北岳


雲海と鳳凰三山、向かいの女王=仙丈ヶ岳といつも凛々しい北岳
これを見れただけで満足満足
またこのシーンに再会できた喜び!
4年前は金沢へ戻るバスの時間があり、泣く泣くここで退敗した。

思っていたほどの人はおらず、千丈へ分散したのか、時間的なことなのか
ここまではとても静かな山歩き。
前後に団体はいないし、すれ違う人も5人ほど

娘は1時間ほどの場所で待っていてくれる。
ここまでは10分位の遅れですんでいる。
天狗のように歩く彼女に10分程の違いならまあいいか。
でもここからは未知の世界だし
標高も2,500を越えるので息が上がるだろう
まあ、一歩とにかく足を出すこと!だけを考えて進むしかない。

      

                      

上を見上げるとあ~岩場
1時間半であの頂きに立てるとは、人間の足というのも、あなどれない。

砂礫と岩の登りをつめればほら、空がつかめる!













頂上の岩端で娘が手を振って待っていてくれた。
紺碧な空が広がり、真っ白い雲がコントラストを引き立てる。





遠くには穂高や槍が岳の北アルプスのお姿
乗鞍や御岳も。そして、たぶん白山もみえている。
入道雲が沸き立つ空をみていると飽きずに時間が飛んでいく。
トンボも雲との間の視界を横切っていく
この時間が好き

今日という日は、甲斐駒が私と娘に用意してくれた完璧な日
そんな感情を持ちながら下山する。

ジリジリと照りつける太陽は
それでも下界の暑さとは違い、嫌みがない
時々コルで渡る風は川をわたってくるのか冷たく、
冷蔵庫に頭を突っ込んだ感じになる。

             

そんな岩場さえ過ぎればあとはまた樹林帯
       

土の匂いを含んだ風と戯れつつ、でも岩を上らなければ下れないアップダウンを繰り返す。

         

                   

最後の1時間、頭の中は、峠でみた「スイカバー」(200円)が飛び交っている。
スイカバー、水、スイカバー、コーラ、と唱えながら歩く。

途中暖められた岩の上で大の字になって休みつつ、空を眺め山を愛でる
頂きに立つ以外の楽しさを娘と味わい、無言の山から教えを乞う

               

無事予定時間内で下山できた祝いに「スイカバー」!

小屋まで苔むす道を歩きつつ、娘は北欧の山を思い出したらしい。

天然な名物おかあさんがいる山小屋で
キンキンに冷えたふんだんな山からの水で迎えられ
「は~」とか「ひ~」とか「ふ~」とか
「は」行しか言えなくなっていた私は
やっと一心地つき、完璧にちかい山行にピリオドをうつ。