道々の枝折

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言語の特性

2023年12月18日 | 人文考察
言語というものは、論理の伝達性能と情緒の伝達性能の2つの性能のバランスで成り立っている。

世界に言語は民族の数だけあるが、それぞれの言語にそれを生んだ民族の特性が表れ、大別すると論理の性能に勝れた言語と情緒の性能に勝れた言語とに分かれる。

英語が国際言語であることに疑いはない。英語の構造が、論理の展開と伝達に好適な言語であることは、論を俟たないだろう。世界言語になっている最大の理由は、大航海時代以降の歴史的要因を別にすれば、英語のもつ言語としての論理的特性にあると思う。

英語をつくり上げた民族が、合理的な気質を多分に有していたということである。また、ラテン語の影響を強く受けていることも、国際語になる大きな要因だったろう。
ドイツ語はどうかというと、民族の合理性から言って、英語に劣らず論理的でないかと思う。

それと対照的に、日本語が情緒の表現と伝達に優れていることに異論はないだろう。それ故にというべきか、日本語の論理性能には難点があり、民族の非合理的な側面を映し出している。

米国との戦争中に「英語は敵性言語だから使うな!」というような不合理な命令が罷り通ったということや、特攻攻撃や玉砕攻撃を実行していたことなどを顧慮するなら、私たち日本人の非合理性は否定できない。

敵性語の使用禁止を命じた人物は、たぶん英語が不出来でコンプレックスを抱いていて、対米英戦を奇貨として、憎い敵性語の使用禁止を発案したに違いない。彼は敵が憎かったのでなく、英語が憎かったと推察する。それに素直に従った国民にも、不合理性の翳は濃い。

国防婦人会が結成され(させられた?)、我が子に「天陛下の為に立派に死んで靖国に帰って来い」と送り出した母親の異常さは、それがつくり話だとしても、何処の国の母親からも共感されたり支持されないだろう。
何かに毒されている。毒していたのは為政者か、それともごく普通の善良な隣人か?姿なき大衆か?

英米人たちからは、日本人は英語の習得が苦手な民族と見られている。無理もない。
頭脳の柔軟な時期に6年間も英語教育を受け、更に4年も英語に触れていてなを、英語の遣い手になれない人々が私を含め多数を占めるのは、初等中等教育での英語の教育方法が根本的に誤っているのか、民族の精神構造(=言語の特性)が英語に向かないのか、どちらかだろう。


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2 コメント

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Unknown (tekedon638)
2023-12-25 11:27:55
@momoyakko コメント有難うございます。
返事が遅くなって済みません。

言語はそれを遣う人々によってできたもの。人々の精神構造を示す鏡です。
合理性が乏しい国は、そもそもの発想に不合理なものが多いようです。
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Unknown (momoyakko)
2023-12-20 01:42:14
はじめまして
コメント失礼いたします。
今の英語教育の内容は分かりませんが、私が中学高校で習ったのは「I would like a cup of tea please」といったビクトリア朝時代の御年寄が使うような英語でした。
イギリス王室のメンバーやアメリカ大統領と話すならともかく、カフェで紅茶が欲しければ「Tea please」せいぜい丁寧に言って「Cup of tea please」で十分です。
日本の英語教育方針を定めたおじさん達は喫茶店で「私に1杯のコーヒーをください。」とか酒場で「私に1杯のビールをください。」と普段から話しているのでしょうか?

こじつけのようですが、月経困難症や望まぬ妊娠を防ぐ低用量ピルや緊急避妊ピルを「簡単に手に入るのは如何なものか。」と言って40年以上も認可せず、現在認可についての議論でも医師の診察処方の元、1万円から2万円という高額設定を検討しています。
バイアグラをたった半年で認可したおじさん達はの脳味噌を1度見てみたいものです。
夜のスナックで若い女の子のお尻を撫でて家に帰り、自分の娘には厳しい門限を強いている事でしょう。
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