桑の実(マルベリー)の実が成りだした。
はじめは赤いが、熟すと黒くなる。鉄をはじめミネラルが多く、ポリフェノールはブルーベリーを凌ぐようなことが、ネットに載っていた。
在来種と比べると、ほとんど葉の形に切れ込みが無い。たわわに実がつくので、枝垂れてくる。
こうなると大変だ。妻は1ヶ月にわたって実を摘む作業に追われる。これを好物にしているヒヨドリたちに叱られながら高い枝の実を枝ごと伐って収穫するのは、私の仕事になる。
獲った後がまた大変。ジュースやジャムにしても、格別美味しいわけでもなく、消費が伸びない。青臭みがあり、孫たちは敬遠してジュースを飲まず、ジャムも食べない。ジャムに加工しきれない実は、シロップ煮にして冷凍保存することになる。
夫婦で毎朝ジュースを飲んでも半年分はある。ジャムは一年分。実生の苗から6年で5mにも丈が伸び、植えた翌年から着果している。果実の多さ、成長の速さ、枝吹きのよさなど、他の樹に類を見ない強精ぶりには、心底から驚いている。
蚕はこの桑の葉のみを食草とするらしい。枝を伐っても伐っても新枝を叢生して、あの蛾の幼虫たちの猛烈な食欲を満たし続ける。
蚕たちが絹糸を吐く力を得る不思議さの一端が、桑の葉に秘められているのではないかと思う。そう思って、桑の実のジュースを飲みジャムをパンに塗って食べれば、美味しくなくても、多少は元気の素になるかもしれない。
その割には味がイマイチなんです。
身体には良さそうですが。