道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

発想の原点

2021年04月17日 | 随想
人の発想は様々である。それぞれの発想の源泉というものは、安定して湧き出しているものだろうか?はたして人は、原点とか基準とかいうものを基にして、日々発想しているのだろうか?

生い立ち、親兄弟、成長過程、教育、職業、社会生活その他諸々の因子が混ざり合って人となりが形成される。発想の原点(基準)というものがあるなら、潜在意識の下に存在して、浮動しながらもその定点は外れないものであるに違いない。それがその人の個性を決定する。他人がその人と触れて抱く印象の元となるものは、その人の発想の原点であろう。それは意識の下に在るので、自分で確認することはできない。

発想の原点は、自分で確認できないが、ただ何となく、自分の発想の癖のようなものを感じることはよくある。漠然と自覚している何かがある。

私たちは人と交際すると、その人ならではの発想を感じ取り、新鮮な興味を覚える。やはり人の発想は、体格や容貌と並ぶ個性の一部であって、しかも最も重要な部分であるのかもしれない。

そうだとすると、私たちの交際は、互いに潜在意識下の発想の原点のレベルで成立しているようだ。「気が合う」とか「虫が好かない」とかという表現は、この感覚を示すものだろう。互いの発想の原点に惹き寄せ合うものがあって初めて、私たちは相手を理解したり親しんだりできるようだ。




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